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黒とか白とかそんなことじゃなくってさ。

黒歴史、ということばがある。

検索してみたところ、どうやらガンダムシリーズのなかに登場する固有名詞のようだ。とはいえ、いまのような普及をみせたのはやはりインターネット以降のことだろう。ある人の「なかったことにされている過去」のことをそう揶揄したり、自分の「恥ずかしい過去」のことを自虐的にそう呼んでみたり。食いつなぐためにやっちゃった仕事。若気の至りで書いた雑文。あるいは元カレ・元カノとのいちゃいちゃ。それをそう呼んでしまうのならば、誰にだって黒歴史はたくさんあるのだと思う。

かく言うぼくもまた、いろんな黒歴史をもっている。おかげでいつしか「黒歴史になるような仕事はすまい」と考えるようになったし、実際その自覚はいまもある。


でもなあ、思うんだよ。

黒歴史になることを恐れて、将来の(しかもまわりの)評価を恐れて、いまの感情表現にブレーキをかけるのは、それはぜったいに違うよなあって。

たとえば恋人たちは、もっともっとその恋を謳歌して、SNSやブログや日記や、いろんなところに好きを残して、そこに酔っぱらっていいんだよ。黒だの白だのスカイブルーだの、あるいはそれが「歴史」になるだの、そんなことは考えなくていいんだよ。

いつか黒歴史になるはずの今日におびえて生きるなんて、それはもう、今日を生きてないものね。