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まぐれとフルスイング。

重版出来。

ほんとうにありがたい。どれだけ伝わるものかわからないけれど、感謝しかない。本日『嫌われる勇気』に重版がかかり、60刷になりました、との連絡をいただいた。この本の部数(国内で258万部)については、もう何年も前からぼくの理解と想像を超えたところにあり、正直まったくピンとこなくなっている。けれども、60刷という数字はなんだかとてもうれしい。今回分を含めてこれまで59回、「重版出来」ができたのだ。

Amazonでのレビュー数は7200件を超え、売上ランキングではいまでもトップ100のなかに入っている。


(US版)


(UK版)


(ドイツ版)

アメリカ版も3700件、イギリス(英連邦)版も3800件、ドイツ版も2000件以上のレビューが、それぞれ驚くほどの高評価のうちにつけられている。


で、こういうヒットを記録すると「狙いどおりでした」みたいに振り返って「成功の秘訣」を語る人が多いのだけど、まったくもって「狙いどおり」なんかじゃなかったことを当事者たるぼくは知っている。狙ってできるんなら毎回やってるはずだし、こんな結果を残せた本、ぼくはほかに持っていないのだ。

じゃあ、100%の「まぐれ」なのかというと、それもちょっと違うだろう。もちろん、狙ってはいた。でっかいホームランを狙って、渾身のフルスイングをした自覚は、十分にある。そのフルスイングが、たまたま、「まぐれ」のようにボールをとらえてくれて、いまの結果につながったのだろう。それが「狙った」といえるものなのか、「まぐれ」と呼ぶべきものなのかは、たぶん誰にもわからない。

それでもまあ、ちいさく「当て」にいかず、思いっきりフルスイングしたのは事実なんだよなー。この本をつくったときのことは、これから先もずっと考え続けると思う。

いまでもやってますよ、ぼくはフルスイング。しないと気持ちよく三振もできないですし。