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インタビューで大切なこと。

インタビューについて考える。

このところ毎日、「バトンズの学校」受講生さんたちに書いてもらった、インタビュー原稿に目を通している。インタビューの音源を聴き、文字起こしを読み込み、そこからつくられた原稿と向き合っている。ライターをやっていて、自分以外の誰かがインタビューした音源を聴く機会はほとんどない。あったとしてもそれは、なんらかの事情でぼくが同席できなかった現場で、代わりに編集者さんがインタビュアーをつとめた音源だったりする。そうじゃない音源を聴き、原稿を読むのは、正直とてもおもしろい。添削を入れたり、アドバイス的な感想(総評)を書くのは大変だけれども、おもしろい。出版社や編プロの現場で、みんながこれ(音源まで聴いて、原稿に朱を入れること)をやるだけで若手の教育はぜんぜん変わるんじゃないかと思う。

『取材・執筆・推敲』という本にも書いたことだけれど、ぼくはインタビュアーとしての自分に、割と低い点数をつけている。少なくとも「話術」に長けた人間ではないと思っている。けれどもインタビューするのは好きだし、自分にしかできないインタビューや、自分にしか書けないインタビュー原稿はあると思っている。

時間のかぎられたインタビューにおいて、「取材相手への敬意」と「読者への敬意」が大切なのは当然のこととして、意外と忘れられがちなのは「わかっていない自分を、わかる力」なんだろうなあ、と思う。いま、自分はどこまでを理解していて、どこから先が理解できていないのか。ここでなにを、どんなふうに訊けば、理解の庭は面積を広げてくれるのか。インタビューしてるときって、どうしても「わかってる気」になりがちなんだよなあ、まだまだ言語化できない(わかっていない)ことについて。インタビューって、自分の「わからないこと」を埋めていく作業でもあるんです。


んー。なんだか「バトンズの学校」の次回講義に向けたメモみたいなことを書いてしまいました。この学校で「ぼく」が学んだことはすでに山ほどあるので、いつか本にできるかもしれません。