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ライティングにはロジカル思考が詰まってる! part2.     「伝えることが圧倒的にうまくなるコツは素材にあり」

ライターだけでなく、誰でも使えるロジカルシリーズ第2段は、素材についてのお話です。いきなり素材と言われても、何のこと? となると思いますので、今回は順を追って丁寧に説明します。

理解すれば、誰もが日常ですぐ使えるワザなのでぜひご覧下さい。

素材について分かりやすくなるように、簡単な問題を1つ入れました。頭の体操がてらお試し下さい。

下にある写真についての説明(キャプション)を35〜40文字以内で書いて下さい。制限時間は2分間。※林檎は青森産、お皿は沖縄の琉球皿。自身の仮定を入れても構いません。記述様式は紙でもスマホやパソコンのワードでも自由。頭の中でもいいですよ!

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はい、終了! 文が途中でも構いません。

いかがでしょうか? noteなのでショートエッセイを書いた人もいるかもしれませんし、短い時間なので箇条書きにした人もいるかも知れません。

プライベートなら書く形式は自由ですが、仕事なら林檎の写真が何を伝えたいのかが分からないとNGです。例えば、

「赤い色が美味しそうな青森産のりんご。涼しげなガラス皿に乗せれば、そのまま食卓に出せそう。」

これは一見おかしくない文章ですが、情報を伝えるという意味ではNGです。なぜなら形容詞が多く、素材が抜けているからです。

形容詞を詳しく説明したものが素材!

形容詞・形容動詞は、形容するものであり、いわば感想です。先程のNG文の中で不要な形容詞は赤い、美味しそう、涼しいです。それらを素材に変えると、例えば

赤い⇨なぜ赤いのか?

美味しそう⇨どう美味しいのか? 

涼しい⇨どこで買えるのか? なぜ涼しそうなのか?

このようになります。太字部分が形容詞から抽出した素材となります。

情報を書く上で、プロがなぜ形容詞をあまり使わないかというと、漠然とした文章になるから。形容詞は書き手の主観なので、読み手には不必要な場合が多いです。

素材は相手の知りたい情報のかたまり!

そのため、素材を繋げれる意識を持つと的確な文章が作られます。

以下は林檎の写真を、素材で書いた参考文です。

「青森産の中で1番糖度の高いこの林檎は、通常のより2割ほど高い。けれど都内のスーパーでは売り切れが続いている。」

⇨高いけど美味しい青森ブランドの林檎の話。

「ガラスの皿、とりわけ明度の高い琉球皿はフルーツを乗せるとより新鮮に見える効果がある。」

⇨林檎などのよくあるフルーツを乗せて、琉球皿のよさを伝える話。

この2つの文は赤い、美味しい、涼しいという形容詞の詳細を素材にし、仮定も入れて書いてあります。NG文との違いはどうでしょうか? 写真を見たまま形容したものを素材に変えて具体的にしたことで、情報量が格段に増えました。

日々の業務に素材方法を取り入れよう。

素材を集めて書くことは、ライターだけではなく誰でも使えるテクニックなので、日常に取り入れると結構便利です。

まず素材で書くメリットは、主旨が分かりやすいので、頭のいい文章に見えます。また、素材を繋げたり入れ替えたりするだけなので、いちから文章を起こす必要がないので時短にもなります。

example働く人なら。

メールやリリース、プレゼン資料、社内チャット、報告書など。社外向けや上司への伝達文章は、伝えたい素材を集めてつなげることが重要ですよね。要領よく進めたいルーティン作業にも素材方法はうってつけです。

example学生なら。

授業で書いた板書の横に素材を付け足すと、試験や調べ物の時間がぐっと短縮できます。また、感想文、小論文など文章を組み立てて書く時にも非常に有効です。

プライベートでもこんなに使える!

プライベートでも素材を使うと効果的なシーンが割とあります。特にネガティブ要素を口頭で伝える時に、主観の感情を入れない素材方法がその威力を発揮します。

example身近な人。

夫や妻に聞いて欲しい厄介ごと、子供へのお説教、親や兄弟への無茶なお願いなど、伝え方次第では聞く耳を持ってくれないような内容は、素材を入れ込みながら伝えると、うまくやり取りできそうです。

example周囲にいる人。

友達への催促、少額な金銭の貸し借り、ご近所への苦情、企業へのクレームなど言いにくい内容は、素材を組み立てて伝えると感情的な態度を出さず、ダイレクトに伝わります。

ただし、プライベートはどちらも少し感想を添えて伝えた方がまろやかですよね。

他にも、友人宛メールの冒頭が思いつかない、日記が続かない、手紙や一筆書きが面倒くさいという時も、素材を繋げて文章を考えるとサクッと進みます。また、読んだ本や観た映画の感想を素材で書けば理解度が深まったりします。

素材で考えるって面白い!

うれしかったあ! とか美味しい〜♪  など感情を表現する形容詞があればなんら不便はありません。

ただ、なんでうれしかったのか、どんな瞬間うれしかったのか、何が美味しかったのかなどを素材に置き換えるだけで、その時の感情が具体的になり、より豊かな表現ができます。

ネガティブな感情が膨らみそうなことに関しても話が脱線しにくく、相手を否定しない言い方にもなり、伝えたいことがダイレクトに届きやすい交渉ができます。

自分の気持ちを素材を使って考えてあげると、今までふわっとしていたことや苦手だったことが、意外にもスムーズに行くかも知れませんね♪







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