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なぜか勝手に値引きされる夫婦の結婚式二次会の話 ドレス編②

西日暮里のドレスショップに着いた。

あまり綺麗じゃないビルを登り、
あまり綺麗じゃないサロンに入った。

店の名前を覚えていない。
「西日暮里 ウエディングドレス」
で検索するとアトリエアンという店が出てくるが
ここだったかどうか定かでない。
いかんせん6年前の話である。

先客が1組いて、30万円ほどのウエディングドレスのレンタルで悩んでいるようだった。
海外挙式用のようだ。
やり手ババアが接客に当たっており、
予算オーバーでも、気に入ったものを着た方がいいですよと
悩む2人を熱く説得していた。

私にはかなり若い女性の担当がついた。
聞くとこの業界に入ってまだ2ヵ月らしい。
二次会用のカラードレスを探している旨を伝え、
何着か着させてもらった。

今カメラロールで写真を見返したが
やっぱりセンスがアレなものが多い笑
そのうちまだマシなもの何着かの写真を夫に送ってアレコレ感想を言ってもらっていた。

そのうち、「お!これは!」と思うドレスを発見した。
似合うと人に言われる事が多いワインレッドのドレスだった。
あー、夫が反対しなければこれに決まりだなー、と思い
夫に早速写真を送った。
しかしなかなか返信がこない。なにせ夫は仕事中だ。しょうがない。

とりあえずそのドレスで商談をすすめた。
店にあったアクセサリーも気に入ったのでそのまま借りることにした。
靴はいいや。
パニエを入れるかどうか、つけたり外したりして悩んで結局それもつけることにした。

お姉さんが電卓を叩いてくれる。
58,000円也。
私は携帯を見つめて難しい顔をしていた。
夫から返信がない。
ねえ?これでいい?よくない?どう?返事してよ!
無言でしばらく携帯を睨んでいた。

そうしたらお姉さんはどうやら私が値段がネックで悩んでいるようだと思ったらしく

「でしたら55,000円でどうでしょう?」

勝手に値引きを提案してくれた。

これ以上携帯を睨みつけても返信はなさそうだし
お姉さんを困らせるのも申し訳ないことに気付き、
私はその値段でサインをし、カードを切った。
お姉さんの中では3,000円の値引きが効いた客だと思われたことだろう。

夫からはその後馬賊ラーメンをすすってる時に
「いいんじゃない。」とだけ返事が来た。

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