富士ヒル・ブロンズ対策その1


自分のこと

初めましての方、初めまして。FUMIN(フーミン)と申します。
当方1974年生まれ、49歳の男性(今年50の大台に乗ります)でして
いい歳したオッサンが自分のことを「フーミン」と呼ぶのも憚られるのですが、パパ友からそう呼ばれているのと「Garminっぽくて良いかな?」とも思い、バイクネームはFUMINとさせて頂きます。

ロードバイクに乗り始めて15年ほどになりますがレースに出場することはほとんどなく、今のところ自転車通勤が最大の趣味です(ジテツーについても思うところ多々あり、いずれ記事を書きたいと思っています)。
「職場が首都圏に点々とある」という通勤スタイルで、最近は自宅から往復30km弱をジテツーしています(幸か不幸か、自宅から最も近い職場での勤務が多い)。遠い職場だと往復50km超。「Door to doorなら電車よりは速い」といった速度帯で通勤しています。
ジテツーについては後述するヒルクライムとも関わってくるので、頭の片隅に留めておいていただけると幸いです。
WillierのGardaに乗っています。ホイールは最近Mavicに交換しました(とても良いです)。

はじめに

この記事は自分自身の備忘録として、そして「仲間の参考になれば」と思って記すものです。誰かの役に立つかもしれないし、全く見当外れの駄文かもしれません。僕が浪人時代に耳にした、予備校の先生の一言を記しておきます。

「君たち、合格者の体験談などは一切読んではいかん。
合格して浮かれきっている連中が書いた文章などは参考にならないからだ。
自分がやりもしなかったこと(問題集の〇〇は5回は解いた、とかターゲット1900は全て覚えた、とか)を、さも「合格には必須だ」などと述べる。そんなものを読んでいる時間はない」

これから僕が書く文章も、間違いなくこの類です。
2回目の富士ヒル参加でブロンズリングを獲得したものの、単に運が良かっただけですし、僕より知識も機材も脚力も経験もある人がブロンズに届かなかったのも、その理由の大半は偶然だと思います。

ですので、繰り返しますがこの文章はあくまで備忘録です。
とは言え
「富士ヒルについて語った動画とか山ほど観たけど、本当に大事なこと(と、僕が感じたこと)って意外と語られていないなぁ」
としみじみ思ったことも事実です。
そこで「これは実践しておいて良かった」「これはやらない方が良いのでは」と感じたことを書き連ねてみます。この文章が誰かの役に立つのなら本当に嬉しいし、来年こそはブロンズを目指す仲間と一緒に喜べたら最高だと思います。

「一定ペースを維持する」ってウソじゃね?

ヒルクライムに関する記事を読むと必ず書いてあるのが
「一定ペースを刻め」
「一定ペースで走り切れ」
「ペース配分が大事」

などの文章ですが、ここを僕は大きく誤解していました。いや、敢えて言わせてもらえば「誤解を招く表現で、非常に良くない」と思うのです。
また富士ヒルでブロンズリングを獲得するために「ブロンズペース」なるものが公式HPにも載っていますが、これも同様です。

そもそも「ペース」ってなんでしょう。googleで調べると「歩き方、走り方、歩調」などを書いてあります。「一定のペースで走る」というのはつまり「走り方を変えない」ことを指している、と思います。緩急をつけることなく、淡々と走る。うん、「一定のペースで走る」ってそんな感じだよね。

また「一定のペースで走る」という表現は「一定の速度で走る」とも意訳されるのではないでしょうか。少なくとも僕はそう思っていました。「ブロンズは平均時速16kmで獲れる」との記載もどこかで見かけていましたし、とにかく平均時速16kmを保っていればいいんだ、と信じていました。

たまたまブロンズに指先が届いた程度の僕が言うのも不遜極まりないとは思いますが、「一定ペースなんて嘘っぱち」「アベレージ16kmなんて忘れちまえ」とここで主張したい。もうちょっと冷静に、正確に記すとしたら

「一定ペース ≒ きつい上りは楽にいなす、勾配が緩んだらダッシュ」
「平均速度16kmは、あくまで最終的な結果に過ぎない」

だと思います。その理由を下に記します。

「一定ペース ≒ 走り方を変えない」と解釈してしまうと、勾配がきつい区間の走り方と勾配が緩い区間の走り方を一緒にしてしまう恐れがあると思います。けど、これは大きな間違い。youtubeの動画でも誰かが言っていたけど「キツイ上りは頑張る、緩い上りはもっと頑張る」の方が正しいと思う。だから
・きつい区間では淡々と、緩い区間では足を休める
・緩い区間でスピードを乗せ、きつい区間もその勢い(の余韻)で走る

というのはダメだと思うんです。「一定ペース」という言葉にはそのような誤解を生むリスクがあると僕は感じています。
恐らく、一定ペースというのは「一定のパワー」「一定の心拍数」という意味で用いられていると(少なくとも書き手はそのような意識で書いていると)思うのですが、受け取り手にそれが伝わらなければダメです。
今回、僕は走る際に「心拍数を170台で留めよう」*とだけ肝に銘じていました。そして180を超えたら170台に戻るまで落ち着くことを自分に課していました。さらに具体的には「勾配6%を超えたら休むダンシングで凌ぐ、勾配3-4%程度だったら極力スピードを上げる」という作戦を実行し、結果的には心拍数を一定レベルに保つことができた(つまりは一定のペースで走れた)のだと思います。

*僕の最大心拍数は220-年齢(49)=171ですので、ゾーン5b程度に留めておくという意図があります。経験則からも180を超えたレベルの強度は長くは続かないことが分かっていました。

また「平均時速16km」については、レースの大半の時間帯で達成できていませんでした。5km毎の平均時速を記すと以下の通り。

  • 5kmまで:14.58km/h

  • 10kmまで:16.88km/h

  • 15kmまで:15.34km/h

  • 20kmまで:15.78km/h (20kmまでの平均が15.645km/h)

  • ゴールまで:22.1km/h

つまり残り4kmを残して「平均時速16km」には達していない状況です。
「料金所まではキツイ坂が続くから、最初は凌ぐ」
「その後で勾配が緩む」
とは様々なところで言われていますが、実際に走ってみると7%、8%、9%のキツイ坂はちょこちょこ出てきます(最大勾配7%台ってホント?)。「富士ヒルは勾配が緩い」**というのは、ガチ勢が言うところの「今日はゆるポタだから大丈夫」と同義語と言ってよいと思います。

**逆説的に言えば「3-4%程度の勾配を『緩い』と感じられる程度の脚力が求められる」とも言えると思います。ヤビツ峠について後述しますが、ヤビツは斜度的には富士ヒルよりもキツく、だからこそトレーニングに最適な一面も持っていると思います。

話を戻します。
残り4kmまで、いやラスト2kmで出てくる「本当の平坦」まではアベレージ16kmに達していなくても大丈夫と強く言いたい。それより「やべ、16kmに達していない」と焦ってキツイ坂で頑張りすぎた結果、最後にタレる方がリスキーだと思うのです。20km地点、いや22km地点までは爪に火を灯すが如くパワーを温存し、平坦で爆発させた方が良策だと僕は感じました。
(しかも下山待ちのライダー達が応援してくれる中でスプリントをかけるのは、大変カタルシスに満ちています)

僕は平坦区間の1kmで平均32km/hまで出しましたし(最高速度は44km/h)、それで大きく平均速度を上げることに成功しました。繰り返すようですが作戦が偶然上手くいったに過ぎず、もっと良い方法があるかもしれません。アベレージと参考タイムに縛られない方が良いかもしれない、くらいに思っていただければと思います。
(実際、僕はごく単純に「1km4分ペースでいいや」と考えていました。疲れていても計算しやすいし、5km20分・10km40分・15km60分という刻みは感覚的にも掴みやすい。もちろんこの計算だとゴール地点で96分でアウトなのですが)

ここまでをまとめますと「一定のペースを保つ」と言っても、実際は斜度が上がれば力を温存してゆっくり走るし、斜度が緩めば回転数を上げてスピードを出す。感覚的には非常にメリハリのついた走り方を要求されるのだ、ということを記しておきます。

さて、まだまだ語りたいことは山ほどあるのですが長くなりましたので「富士ヒル・ブロンズ対策その2」に続きを書くこととします。お読みいただきありがとうございました。


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