「富士ヒル タイム 目安」←コレがブロンズ獲れない理由です

FUMINです。相変わらずyoutubeで富士ヒルの動画を眺めては、「富士ヒルロス」な自分を慰めています。そんな中、胸が熱くなる動画を見つけたので共有させてください。

「さきむらさん」*という方がupされた「第20回Mt.富士ヒルクライム ブロンズ獲得ならず」という動画です。僕と同じ第7ウェーブ出走の方で、息遣いや思わず漏れ出た言葉、最後の平坦での雄たけび等、ブロンズを目指す方には必見の動画だと思います。僕はもう、胸も目頭も熱くなってたまりません。それくらい感情移入しながら観させていただきました。
大会中は自分のことで精いっぱいでしたが、みなそれぞれに熱い思いを持って戦っていたんですよね。そんなことが凄く伝わってくる動画です。

また「えりすろ」さんが公開された「第20回Mt.富士ヒルクライム2024 ブロンズ1時間28分58秒 第7スタート最終ウェーブ」という動画も併せて共有します。

*「さきむらさん」さん、だとちょいと変ですので「さきむらさん」と呼ばせていただきます。敬称略みたいですいません。

さて、今回のテーマは

「富士ヒル タイム 目安」←コレがブロンズ獲れない理由です


ということですが、前述の「さきむらさん」の動画を見ていてひしひしと感じたんです。「5km20分23秒とか、10km38分38秒とか、これが諸悪の根源じゃないか!」と。

念為で記しておきますが、「さきむらさん」がブロンズを獲れなかったことを揶揄するものでもなく、ブロンズを獲れた僕が優れていたわけでもない(全く、ない)。おそらくは「さきむらさん」にも十分、ブロンズを獲る実力はあったと思います。けど、みんながステムに貼る「目安タイム」のせいで、そのチャンスを失ってしまったのではないか?そのように思わずにはいられないのです。

データを供覧し検証していきましょう。左から順に、「さきむらさん」「えりすろ」さん、そして僕の通過タイムです。**

**今回、「えりすろ」さんのデータを比較させていただいたのは、「さきむらさん」「えりすろ」さんの体重やFTPがちゃんと記載されていたこと、そのデータがお二人とも似通っておられたためです。年頃も似てそうですし。他意はまったくありません。何より僕(49歳、63kg、FTP不明)と比較するより良さそうじゃないですか。

  • 5km:20分45秒 21分06秒 20分38秒

  • 10km:40分05秒 38分59秒 38分40秒

  • 15km:61分25秒 58分13秒 58分14秒

  • 20km:83分04秒 77分23秒 77分17秒

  • ゴール:97分49秒 88分58秒 88分12秒

ここで注目して欲しいのが5kmのタイムです。「ブロンズ目安タイム」だと「5km20分23秒」とありますが、3名とも誰も達成していない。むしろ「さきむらさん」は「えりすろ」さんより速いタイムを出しています。
ただ、動画をご覧いただくとお分かりになりますが、「さきむらさん」はご自身のFTPを大きく上回るパワーで序盤の5kmを走っておられます。また、勾配が8-9%になるとパワーが増し、2-3%になるとパワーが減る(つまり足を休める)傾向があります。本来は逆でなければならない。キツい勾配は頑張らない、緩い勾配こそ頑張ってスピードを上げタイムを稼ぐ。タイムだけ見ると10kmまでは3名に大きな差はありませんが、中盤から終盤になると「序盤の頑張りすぎ」が影響を及ぼしたのではないか。データからそう推察されます。

僕は「5km20分23秒、10km38分38秒」は止めた方が良いと強く思います。最初の5kmは鼻歌交じりでいい。21分、いや22分でもブロンズいけるんじゃないかと思っています。10km40分で全然OK、ただし15km地点で60分を下回ることと20km地点で80分を切るはマストだと思います。20km地点からゴールまで11分ちょいかかるので20km地点で77-78分なら(もちろん平坦でかっ飛ばしますが)ブロンズ獲得できるでしょう。

さらに目安タイムでは「15km57分12秒」とあります。僕も「えりすろ」さんも達成できていないタイムです。僕は58分14秒でしたが「60分切ってるな、問題なし」と感じていました。「さきむらさん」のタイム、61分25秒は確かにブロンズ達成には微妙なタイムですが、15-20kmを19分で走れればワンチャン、という感じでしょう。しかし(もし、さきむらさんが目安タイムをステムに貼っていたら、という前提ですが)4分の遅れは絶望的に感じたでしょう。おそらく15km地点で心が折れてしまい、またパワーを序盤で使いすぎた影響が出てしまい、20km地点で83分台という結果になってしまいました。

机上の空論ではありますが、もし「さきむらさん」が15km地点を60分25秒で走っていたら。つまり実際より15km地点を1分速いペースで通過していたら。ブロンズ獲得は現実的だったと思います。しかしそれは目安タイムの「15km57分12秒」を意識していなかったとしたら、の話。「3分遅れてる、ブロンズには届かない」と絶望するか、「20km80分ならワンチャンあり得る」と希望を持つか、これは大きな差だと思うのです。そう、大事なのは目安タイムなんて忘れちまえ、ということです。

このように目安タイムを信じたばかりに、本来ならパワーを温存しなければならないはずの序盤にパワーを使いすぎてしまい、最後の4kmでスピードを出すことができない。これを「初心者が犯しがちなミス」と評しますが、その元凶を作っているのは富士ヒル公式HPが掲げている目安タイムなのではないか、と僕は主張します。

ちなみに(結果論ではありますが)今回の富士ヒルで僕は「うっかり」目安タイムをメモするのを忘れてしまいました。本当は油性ペンで左前腕に書いておくつもりだったんですが、気づいた時にはスタート会場にいたんです。仕方なく「1km4分」とだけ頭に入れて出走しましたが、今にして思えばこれが最適解だったんだと感じます。

・「アベレージ16km/h」なんて嘘っぱち
・「声を出せないような負荷を自分に課していないか」
・「目安タイム」に踊らされるな


この3点を、富士ヒルでブロンズを獲得するための対策として記し、5回に亘ってお送りした備忘録を終了といたします。お読みいただきありがとうございました。

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