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生きるためのギフトをつくる

ストンと落ちた。いままで、ずっと掴めそうで掴めなかったもの。

自分は何を受け取って、何をつくりたいのか。

90%ぐらいの惜しい感じで、いつも自分が手にしたり、仕事でかたちにしたりしてたものが「ああ、これだった」と、満たされた感じ。

何のこと言ってんだって話だけど、たくさんのnote仲間がつくって編んで贈ってくれた『ふみぐら小品』の文庫本を手にしてストンときた。

もうね、実際に手に取ってもらうとわかるんだけど、もともとの原稿が寄せ文庫の名のとおり、寄木細工みたいに魅せるかたちになってる。

縦の僕の文章と横のみんなの寄せ文が組まれて、ずっと手にしていられる。

これって「生きるためのギフト」じゃん。

ギフトってそのまんま贈り物なんだけど、もっと広くて大きくて深くて。

なんだろう。その場だけのものじゃなくて、ずっと生きる時間の傍にあるもの。かたちがあって、同時にかたちのないもの。

そのものを通して自分の中に沁み込んでくる何か。そんな、なんとも形容し難いいろんなものを含んだのが「ギフト」。

もしかしたら英語圏で使われるgiftの意味のほうが近いのかもしれない。天から与えられたもの。もちろん僕に天から与えられた才能があるというわけじゃなく、今回、この『ふみぐら小品』が生まれた意味として。

あえて言語化するなら「生きようとする魂」みたいなもの。


ここで衝撃的な告白をすると、僕はずっと誰かから何かプレゼントをもらうのも贈るのも苦手な人生だった。

そんなものって斜に構えたり、ひねくれてたわけでもなくて、ほんとそういうのどうしていいかわからなくて。

もちろん相手が贈ってくれた気持ちもわかるし、自分だって何が贈りたくなるときもある。そこまでひどい人間じゃない。と思う。

けど実際、贈られたり贈ったりになると、いろいろわからなくなる。自分なんかが受け取っていいんだろうか、どう受け取ってどう気持ちを表せばいいのか。

贈るにしても、相手は受け取ってどう思ってどう感じるんだろうとか考えはじめるとキリがない。

だから基本、受け取らないし変に贈らない生き方を選択してきた。

それが変わりはじめたのはnoteだ。

noteって、わりとカジュアルに気持ちを贈ったり受け取ったりができる。それで馴染んでいったのかもしれない。

なんだ、ごちゃごちゃ考えてたけど、基本、贈るって「気持ち」なんだ。

で、今回、ほんとにすごいギフトをもらった。

あんな病気になって、まあこれからどう生きれるかもわからないけど生きる。

これからの「生きる」の傍にずっと寄り添ってくれる、というか絶対手離さないもの。

そんな『ふみぐら小品』を時間を忘れて眺めてて、ストンと落ちたのだ。これをこれからの「生きる仕事」にしようって。

ずっと文章を書いて生きてきたけど、90%感は抜けなかった。その、足りないものが今回受け取ったギフトに詰まってた。

その話は、またきっと別に書くと思うけど、誰かの「生きるためのギフト」になる文章を書く。

それがしたかったんだ。

そのことに気づかせてもらえたのが、本当に僕にとって何よりのギフトです。

『ふみぐら小品』の寄せ木をつくってくれたひとりひとりに
Many Thanks!!


この企画を立ち上げてくださった猫野サラさん。寄せ書きからのアイデアがこんな素敵なギフトになるなんて!天才!!

原稿のとりまとめや入稿の細かい指示書とか、実際の本が出来上がるドキドキとか、一人ひとりに届けるための包装や発送作業とか大変なこともあったんじゃないかと。

そして絶対なくてはならないマスター管理、制作進行、チームマネジメントその他の諸々を担当したサトウ カエデさん。鮭場の敏腕セクレタリーなくしてこの本はできなかったと思う。

校正ハンター(意味がおかしい)の鈴木鮎さんの冷静な眼もすごい。最終稿の砦の校正を担ったクニトミユキさんにもヤギの脚を向けて寝れない。

挿絵チーム。プロがさらっと挿絵を描いてるのって大丈夫か自分。

まるいがんもさんは、安定の「突然ツボにはまる感じ」。真巳さんは、挿絵の線の中に「言葉」があって引き込まれるんです。ワダシノブさんが描かれるイラストは「ペーソスの中のおかしみ」がいつもたまらなくなる。嘉晶さんの絵は、紙から揺れ動く何かがいつも伝わってきて。クニトミユキさんには言葉にならない言葉を挿絵にしてもらってます。猫野サラさんの挿絵は、もう一人の僕(ヤギ)だなぁと。

ずっと眺めてられる表紙(装丁)をこの世に送り出した、こげちゃ丸さん。寄木細工のアイデアが誕生した瞬間は、ほんとに震えた。


言葉にすると、どうしても薄くなりそうであれなのだけど、本当に本当にこのギフトはみんなの「生きる」が集まってこの世に生まれたんだと。なんだろう。誰かが制作したというより「生まれた」がこんなにもしっくりくるのはなくて。

今度は自分が、少しずつ誰かへの「生きるためのギフト」をつくっていきます。


Special Thanks

◎サポーターのみなさん

サトウ カエデさん・クリオネさん・だいすーけさん・ヒガシコウスケさん・林伸次さん・ルミさん・あきらとさん・こげちゃ丸さん・森野きのこさん・たなかともこ@ツレヅレビトさん・わたなべ ますみさん・安野ニツカさん・野やぎさん・山羊メイルさん・じゅんみはさん・逆佐亭 裕らくさん・麦酒 ゆみ(ゆみっぺ)さん・坂 るいすさん・タダノヒトミさん・クニトミユキさん

み・カミーノさん・真巳さん・碧月はるさん・地中海性気候さん・水野 うたさん・大麦こむぎさん・岩下 尚義さん・かとしんさん・斉藤千陽さん・ナースあさみさん・嶋津さん・verdeさん・Micaさん・Harcoさん・あらしろひなこさん・長谷川 晃子 / happiness music st さん・kojuroさん

仰かおるさん・佐藤 じゅんいちさん・No.6 CHさん・かねともさん・湖嶋いてらさん・kaoruさん・嘉晶さん・カワイミナミ/イラストレーターさん・fujicco*さん・suzucoさん・仲 高宏さん・Yuki/農ときどき旅さん・ふくちゃんさん・ケイさん・ことふりさん・マーサさん・金魚風船さん・ゼロの紙/元コピーライターさん・猫野サラさん


◎寄せ文執筆

真巳さん・No.6 CHさん・ケイさん・カラストラガラさん・verdeさん・かとしんさん・安野ニツカさん・鈴木鮎さん・仲 高宏さん・マリナ油森さん・ふむふむさん・武田ヒカさん・Harcoさん・斉藤千陽さん・じゅんみはさん・たなかともこ@ツレヅレビトさん・野やぎさん・麦酒 ゆみ(ゆみっぺ)さん

クニトミユキさん・み・カミーノさん・うめがき たねさん・林伸次さん・湖嶋いてらさん・Micaさん・観世(かんぜ)バタコさん・ふくちゃんさん・坂 るいすさん・山羊メイルさん・金魚風船さん・サトウ カエデさん・クリオネさん・猫野サラさん・水野 うたさん・嘉晶さん・ゼロの紙/元コピーライターさん・suzucoさん・地中海性気候さん・深澤佑介さん・大麦こむぎさん

Yuki/農ときどき旅さん・香嶌一伽さん・奥村 まほさん・kaoruさん・涼雨零音さん・わたなべ ますみさん・だいすーけさん・ルミさん・小中ぽこ(ぽこねん)さん・Minminさん・ことふりさん・長谷川 晃子 / happiness music st さん・広瀬ケーニヒスベルクさん・ヒガシコウスケさん・こげちゃ丸さん・岩下 尚義さん・佐藤 じゅんいちさん・kojuroさん・碧月はるさん


◎制作委員会スタッフ

カバー、表紙(装丁)、しおりデザイン・レタッチ/こげちゃ丸さん
カバー裏紹介文/サトウ カエデさん
校正/サトウ カエデさん、鈴木鮎さん、クニトミユキさん
挿絵/真巳さん、嘉晶さん、クニトミユキさん、まるいがんもさん
ワダシノブさん、猫野サラさん

企画・編集/猫野サラさん