僕たちは本当のことを知らない
基本、noteでは自分の仕事の宣伝ってしてない。絶対にしないと決めてるわけでもないけど、なんとなくいままでしたことがない。
いや、そんなのどう運用するかはまったくその人の自由だからいいんだけどね。
今回やらせてもらった仕事も宣伝したいわけじゃない。これは本当。だけど、読んで考えてもらう人がいればいいなとは素直に思う。これも本当。
世界のニュースなんて特に興味ないって人も多いのもわかってる。ないわけじゃないけど、そんなことより日々のことが忙しいし、そっちのほうが大事な問題がたくさん。というのもそうだと思う。自分だってそうだ。
なのだけど、あえていままで知ったり考えたりしていないところを通らせてくれる本を読む意味はすごくあると思っていて。
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広い意味で言えば教養の入り口につながる知識の更新、アップデート。もっと実際的な意味では、この先、いろいろ「困った」とか「どうやっていこう」と考えるときに自分を助けてくれるからだ。
今回つくった本は、文字通り「世界で日々、勃発しているニュースの火種は世界の歴史の中にあることを知る」のが目的。
つまり、ニュースではある国とある国の指導者たちの不毛な衝突のように見えても、実は世界史というレイヤーで見れば、そこにはあえて衝突しなければならない理由や企みがあるのだというのがわかってくる。
なぜそんなことが起こるのか、誰が何のためにやってるのかが見えてくると、表面的な事象に流されないで済む。
表面的にはバチバチにやってるように見えても、それはそうしなければならない当面の目的があるだけで、その目的が果たせれば本気では戦うつもりもなかったりする。
ということを世界の正確な歴史、これまでの経緯と共に知っておけば無駄に心配しなくていいこともたくさんある。これは世界の出来事だけじゃなく、日常でも当てはまる。
誰かの主観的な根拠のうすい意見に従属して、そのほうが考えなくて済む楽だから、そこに乗っかって怒ったり批判したりしてる人も多いけど、それをやって生産的なことってほとんどない。
そうではなく、そういった事象は事象として受け止めて、本当のところもちゃんと理解して、じゃあ自分はどうするを持てるようになる。考えながら歩ける。そういう人になるために、ちゃんと知識を使える人が教養のある人なんだと思う。
立川談志師匠の言葉で好きなのがあって。
現実は事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったかという原因があるんだ。現状を把握したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿と云う。
立川談春『赤めだか』より
まあ「馬鹿」と呼ぶ表現はきついけど、本当のことを少しでも知っておくと自分の人生で馬鹿を見ることは減るんじゃないかと思うんだ。