メインビジュアルバチェラー3

バチェラー3の”匂わせメインビジュアル”~ローズではなくシャンパンを持たせた理由~

皆さん、バチェラー3はもうご覧になりましたでしょうか。

私はバチェラー3が初めて視聴したバチェラージャパンで、とりわけ最終話に関しては5回ほど見ました。最終話を見た感想は、視聴者として「とんでもないな」と思いましたし、今回のシリーズに出演した方々には大変お気の毒に思います。そして「こんなことされたら製作者側もたまらんな」と思いました。最終話でバチェラーが語った事実をスタッフの方々が知ったのは、おそらく番組の放送開始直前なのだと思います。気持ちはどんなだったでしょうか。

バチェラージャパンシリーズには、”ハイスペックな独身男性が大勢の女性の中から運命の人を選ぶ”という看板があった

バチェラージャパンに出演するのはハイスペックな独身男性バチェラー、真実の愛をローズセレモニーで証明する・・・この前シーズンから継承されている番組の根幹が、最終話で揺らいでしまう。これではつじつまが合わない。しかしバチェラージャパンはいわゆるリアリティーショー、ありのままをコンテンツ化しなくてはならない。視聴者に嘘はつけない。さあどうする。

想像ですが、ここで製作者側は「メインビジュアルで結末を”匂わせる”」方法を選んだのだと思います。それが、メインビジュアルの変更にあると思います。

こちらがシーズン3のメインビジュアルです。

メインビジュアルバチェラー3

ちなみにエピソード0にあたる、シーズン3大予想スペシャルで使用されていたメインビジュアルはこちらです。

バチェラー3

だいぶん印象が違います。

シーズン1と2のメインビジュアルがこれに近いです。

【シーズン1】

バチェラー1

【シーズン2】

バチェラー2

ぱっと見て、シーズン1と2が同じ番組であることはわかりますが、3だけ大きく印象が違います。前シーズンがあるのに形を踏襲しないのはおかしい。視聴者に伝わりづらくなる。もちろんわざわざ作成したエピソード0のメインビジュアルですから、エピソード1からのためにあえて作り直すのは不自然です。

エピソード0のメインビジュアルを継続して使わなかった理由は、今回のバチェラーである友永真也がシーズン1・2と同じ王道の「バチェラー」だという印象を視聴者に与えないためと想像します。

シーズン3のメインビジュアルとシーズン1・2の変化について

次に、シーズン3のメインビジュアルが1・2とどう変化があるのか確認します。同時に、このメインビジュアルを作成した作成者の意図を私が想像して記述しました。

これは私が最終話まで視聴を終えたうえで想像でしたものあることをご理解の上、お読みください。

友永真也にローズではなくシャンパンを持たせた製作者の意図は?

改めて、シーズン3のメインビジュアルをご覧ください。

メインビジュアルバチェラー3


➀スタイル

シーズン3・・・写真を基にした劇画調のイラスト

シーズン12・・写真

【筆者の想像】写真からイラストに変更することで、リアリティを薄めて、見た人のバイアスが入りやすくした。劇画調なことで昭和感・コメディー感を生んだ。このシーズン3はコメディーであり、真実の愛の話ではないと伝えている。


②背景

シーズン3・・・グラデーションの紫に散るローズ

シーズン12・・シーズン1は白単色に舞うローズ、シーズン2は黒単色

【筆者の想像】陰影から不穏な印象を演出。紫は枯れたローズの隠喩、散るローズはローズセレモニーの否定を伝えている。どちらも永遠の愛の否定


③バチェラーの映り方

シーズン3・・・目線が横向き、映っているのは顔のみ

シーズン12・・正面向き、上半身全体が映る

【筆者の想像】正面を向かず目線を逸らすことでこのバチェラーは嘘つき、参加女性を見ていないし視聴者も見ていない、番組に真剣に取り組んでいないという印象を与えるのが目的。顔だけ映して体を見せないことでバチェラーが顔だけが取り柄の人間、行動が伴わないことを伝えた。


④参加女性たちの映り方

シーズン3・・・映っているのは20名中10名、全員なんともいえない表情、謎のポージング、隅っこに一列に並ぶ女性

シーズン12・・シーズン1は映っていない、シーズン2は20名全員が映る、全員キメ顔でキメポーズ

【筆者の想像】全員映ってないのはバチェラーがシーズン中に女性をえり好みして公平に接していなかったことの暗喩。女性のさまざまな表情とポーズは番組スタッフの感情と振り回された事実をそのまま表したもの。一列に並ぶ女性はバチェラーが女性をモノ扱いする傾向があることを示す。


⑤バチェラーが持っているもの

シーズン3・・・シャンパン(アルコール)

シーズン12・・ローズ

【筆者の想像】バチェラーは撮影終了後の行動によってローズセレモニ―の価値を否定したから、このバチェラーにバラは持たせられないという作成者側のごく自然な判断。代わりにあえてアルコールを持たせたのは、(アルコールを飲んだ時に人間はみなそうなるが)バチェラーが正常な判断ができない人間であることの暗喩。

以上が私の想像です。そしてもう少し想像を続けますのでよかったらお付き合いください。

水田あゆみ、岩間恵がメインビジュアルに映っていないのは何故か?

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バチェラーをめぐって最後まで争ったこの二人がメインビジュアルに出てこないのは何故でしょうか。

ーーーーーーー※以下はバチェラー3最終話の内容です※ーーーーーーーー

シーズン3でバチェラーは最後のローズを水田あゆみに渡し、カップルとなりました。しかしその後も岩間恵と連絡を取り、実際に神戸から岩間の暮らす山梨まで会いに行っています。そしてバチェラーはわずか交際1ヶ月で水田あゆみに別れを告げ、ほぼ同時に岩間恵と交際を開始します。この事実をバチェラーがスタジオで打ち明けるのがシーズン3の最終回です。

バチェラーシリーズはそもそもバチェラーが真実の愛を探すという大前提がある番組です。放送開始前にメインビジュアル作成者はきっと考えた。このような最終回を確認するために、これから視聴者は12時間以上の時間を投入することとなる。この茶番を見せることになる。これは果たして、どうしたらいいのか。

メインビジュアルに二人が出てこないのは、水田あゆみはバチェラーの運命の人ではない、同時に岩間恵もバチェラーの運命の人ではなく、いずれ別れるだろうという作成者の思いがあったからだと想像します。

以上、私がメインビジュアルから想像したことをまとめました。最後に、友永真也の行動に感じたことをまとめました。

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経営者なら自分の損は出さない、ましてや人に損はさせないのが普通

水田めぐみさん、水田めぐみさんのご家族、友永真也の家族、友永真也のフランスのファミリー、女性出演者、スタジオ出演者、アマゾンビデオのスタッフ・・・。バチェラージャパン3に関わった大勢の人の気持ちを裏切りました。アマゾンビデオに関してはおそらく最終話を大幅に改変せねばならず、そうなると金銭的な損害があったことと思います。しかしアマゾンビデオ、最終話ではなかなかのしたたか者でした。

フィナーレ前に途中退出する前代未聞のバチェラー

シーズン1と2の最終話のフィナーレでは、カップルとなった二人のご両親がスタジオに登場し、皆が見守る中でバチェラーが女性に前にひざまづいて指輪をはめプロポーズをして紙吹雪ののなか終わりました。もちろん3はそんなのないです。逆にバチェラーは水田あゆみから指輪を返されます。誰の両親も登場せず、プロポーズももちろんないです。友永真也と岩田恵はスタジオで今後の決意表明をして退出します。指原が「胸糞悪い」とつぶやき、笑いが起こります。二人が去ったスタジオの中、司会の今田耕司が参加者席の岩城ありささんに「どうですか」と問いかけると岩城さんは「人間してんなって思いました」と答え、それで笑い声と拍手が起こります。

シーズン3のオチが岩城さんの『人間してんな』だった衝撃

岩城さんはユーモアに優れたすばらしい女性と思いますが、バチェラー3では序盤で姿を消す女性参加者の一人です。シーズンの貢献度が浅いこの人が終盤でコメントをしてみんなが笑い、場がまとまる。これが衝撃でした。

バチェラーのいないスタジオでシーズン4をほのめかす告知が行われます。スタジオ出演者の締めのコメント、鳴る音楽、おなじみフィナーレの紙吹雪。テレビに向かって手を振る出演者たち。この場に友永真也と岩間恵を存在させないのが、アマゾンビデオのシビアな制裁だと感じました。

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