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【🇨🇷#11】コスタリカの森とESD (Education for Sustainable Development)

前回の記事から早1ヶ月。

記事を読んでくださったみなさんからさまざまなメッセージをいただき、わたしのエネルギーも回復。

今は、留学前から一番楽しみにしていた授業 "Education for Sustainability"を受けています。

授業はまだ完結していないのですが、授業で体験したことや、今ココで感じていることを書きたいと思います。

緑の教室

Education for Sustainabilityの授業は、世界的に推進されている「持続可能な開発のための教育 (ESD: Education for Sustainability)」や、「地球市民教育 (GCED: Global Citizenship Education)」について、その概念や実際の教育現場への導入事例について学ぶ授業です。

授業ではユネスコや地球憲章 (Earth Charter)のレポート、ESD界隈の研究者の論文などを読みながら、ESDとは一体なんぞやということを教室内で学んでいるのですが

その他の時間は教室外で過ごしていて、その時間が、コスタリカの大自然と心からつながる大切な時間なのです。

ある日、キャンパスの隣にある平和公園 (Peace Park) に教授とクラスメイトと歩いていった時のこと。

教授のファシリテートで、まずは何も喋らずに、森の中を歩いていきました。

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そして立ち止まり、数十秒間目を閉じて、目を開けた時に何を感じているかをシェア。

森に差し込む光、光と木々や葉っぱによって作られる影、ヒラヒラと舞う蝶、茶色い土と緑の葉っぱのコントラスト、折り重なる蔦(つた)のアート、鳥たちの囀り、どこからともなく吹いてくる風、ともに歩むクラスメイトの姿、地球のにおい・・

目を開けるだけで、どれだけの情報を得られているか、ということにもびっくりします。

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そしてまた進んでいく。

止まって円になり、みんなで、この自然が教えてくれること、私たちが感じられることは何だろうか、ということをダイアローグ。

みんなから出てきた言葉を受け取りつつ

また進んでいき

立ち止まったところで、その言葉を、今度は森にあるものを使って表現する時間をとりました。(クリエイティブ・ラーニングですね)

落ちている枝や葉っぱ、何かの実などを使ったり、

生えている木や根っこまで含めてアートとして表現したり。

このアクティビティはペアで行ったので、ワイワイと仲間と話しながら自分たちの価値観を共有して、一つのものを作り上げる時間になりました。

ただそこに落ちていた枝や葉を使って何かを作ることで

その枝や葉に自分たちにとっての物語や大切な意味づけがなされていく。

このようなことを体感しながら

わたしたちは地球上に生かされていることや

自然との関係性について、深呼吸をしながら考えたりするのです。

この他にも毎日、対面で受けている学生は授業の最初に外に出て、数分間の瞑想タイムと、ちょっとしたアクティビティから授業がスタートします。

それを続けることによって、仲間の性格や価値観に触れ

知らぬ間に仲が深まっているのを感じたりもします。

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自分の感覚、感情につながる体験を日常の中に取り入れて

意識せずともその感覚を大切にでき、

その価値を他の人とも共有できる人。

そんな人間を育てようとしているのが、ESDなのかもしれません。

消化しきれないプロセスを味わう

全3週間の授業も折り返し地点を過ぎましたが、

正直、毎日が消化不良で、ESDやGCEDについていろいろ思いを巡らせているうちに次の日がやってくるというサイクルを体感しています。

でもこれは恐らく、今学んでいることが自分の興味ど真ん中だからこそ起こっていることなんだろうなと。

論文を読んだり、講義を受けたりするたびに自分の過去の経験を振り返り、

あんな人とご一緒して、こんなことがあったなぁ、と

点と点をつなげる作業の繰り返し。

まだまだ、この授業での学びが言葉にしきれない状態ですが

"Process over Product" という言葉を頼りに

この、なんとも言えない学びのトンネルを進んでいく過程を

自然いっぱいのこの地で楽しみたいと思います。

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日本では年度末ですね。

これまで様々なプログラムで出会ってきた、この4月から社会人になるみなさん、ご卒業おめでとうございます🌸

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