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「ケインズとハイエク 貨幣と市場への問い」 松原隆一郎

講談社現代新書

読みかけの棚から
読みかけポイント:ちら読みと第1章。

前に同じタイトル(副題違う)「ケインズとハイエク <自由>の変容」間宮陽介(ちくま学芸文庫)を読んだ(こちらは読了)。
自由主義の成立このかた個人の関心の領域が狭くなり続け、現代は偽個人主義(修正個人主義)と自由放任主義の時代。前者に異議を唱えたのがハイエクだとすれば、後者に異議を唱えたのがケインズ。方法論が違っただけで、憂慮していたのは同じ現実…
(2007 06/06)

さて、こちらの「ケインズとハイエク」(副題は貨幣と市場への問い)松原隆一郎著は講談社現代新書。松原氏によると、ケインズとハイエクの筆致の違いは現代を異常時と見るか(ケインズ)、平時と見るか(ハイエク)の違いだという。
(2021 09/26)

図書館で借りてみる。
序章と第九章冒頭をちら読みして考えた、ケインズとハイエクの違い。
「原理」(ハイエク)と「便宜」(ケインズ)
「ルールの進化」(ハイエク…心と社会の同時的進化)か「設計主義的合理主義」(ケインズ…福祉主義)
最初の設計とその理想によった進化によるのか、日々調整しつつ危機を回避するのか、の違い。
(2023 02/19)

第1章だけざっと読み。
ケインズ(1883-1946)
ハイエク(1899-1992)
ケインズではヴィクトリア時代末期の、アメリカやドイツとの競合による閉塞感と没落感の中、福音主義が大きくなり、ケインズもその影響を受けたこと、第一次世界大戦後のヴェルサイユ条約締結の時、ドイツの賠償金はドイツが支払い得る金額内にすべきと主張し、意見が通らず批判書を出したこと。
ハイエクはウィーン生まれ。イギリスからアメリカへ。第一次世界大戦では戦場(空軍?)で墜落しそうになったこともあるらしい。この二人、対立に重点置かれがちだけど、お互いを認め合いながら痛烈な批判をしあっていた。違う陣営にいる気の合う友達?みたいな感じ。
要するに、どこまでパターナリズムを認めるかの違い。ケインズは中庸だけど、ハイエクは全く認めない。市場は自分自身で修正していくという感じ。通貨も(確か)国別管理をやめて財ごとの通貨管理にすべし、とか言っていたような。こうなると俄然興味湧くのだが…
でも、時間切れ…
(2023 03/05)

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