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「南に向かい、北を求めて -チリ・クーデタを死にそこなった作家の物語」 アリエル・ドルフマン
飯島みどり 訳 岩波書店
読みかけの棚から
読みかけポイント:解説を少々…
チリの作家・評論家ドルフマンの自伝。彼はアジェンデ政権のかなり近くにいたらしい。
まず、表紙。本の表紙にはクーデタで破壊された大統領府の窓が、反対側にはその3年前、同じ窓で手を振っているアジェンデ大統領夫妻の写真が。
章のタイトルが、「…死に出会う章」と「…生とことばに出会う章」というのが交互に現れる。各章は年が付されているが、全く年代順では並んでいない。ドルフマンの自伝?は続編もある模様。
(2023 10/01)
訳者解説から。ここでの飯島氏の解説が充実…
「外国語」という表現そのものが日本語使用者の言語認識を多分に歪めている事態-その帰結として母語と「母国語」との無邪気な混同が生み出される
(p474)
ここで飯島氏が参考にあげているのが、ベネディクト・アンダーソン(ベネディクト・アンダーソンの自伝今読み中)と田中克彦(こちらも何冊か読んだ)なのでびっくりした。
ことばはことばであることにより原罪の如く痛みに直結する存在へと転化する。
(p477)
ある人物の言語使用局面が単一の層ではなく、複線の言語がせめぎ合って表面に上がってくる、という状況…
(ドルフマンの場合はスペイン語と英語)
(2023 10/04)
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