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「原民喜と井伏鱒二」

ふくやま文学館


原民喜と井伏鱒二

ふくやま文学館にやっと行けた。前から行ってみたいと思っていたところなのだが・・・井伏鱒二が割と好みな自分は、その故郷にある文学館でいろいろ知って体感しようと、思っていた。

と、思ったら特別展では原民喜展をやっていた。遠藤周作とそんなに仲がよいとは知らなかった。かなり無口な人だったらしい。家(親戚の?)から出てきた木箱に布をかけて机代わりにしている写真が印象的だった。
ということで新潮文庫「夏の花・心願の国」を購入。「心願の国」では西荻窪ー吉祥寺間の踏切の描写がある。すぐ後に鉄道自殺を遂げた彼は死に場所を見定めていたのだろうか?たぶん、自分の死体が横たわっている姿も。 ちなみに、現在では高架化されているはず。西荻窪ー吉祥寺間。

少し気分が重くなった?ところで井伏ワールドに突入。
下部温泉(山梨県)の「ヤマメ床」という現在もある(よね?)床屋さんの店の名前は井伏氏が名付け親。そこの御主人とよく釣りに出かけていたそう。その他、最初は目指していたという画を始め、陶芸などこれぞ趣味人といった感じ。憧れもするが、現代ではもう無理なのかなあ、こういう人。
さて、本業(か、どうかはともかく)の作家としては気になった作品として(名前はかなり曖昧)、「武州鉢形城物語」「漂民宇三郎」「鞆の津茶会記」「侘助」(罪人を流した川の中州での話らしい)シンガポールに進駐していたときの作品・・・とかいろいろ。「集金旅行」とかも読んでみたい。福山中央図書館にはさすが地元だけあってそれらの文庫が揃っていたけど。

さて、井伏氏の故郷は加茂町粟根というところ。今は合併して福山市の一部。国道182号で福塩線を万能倉という駅(「集金旅行」で出てくる)を越えたところで県道に入ったところ。
(2010 01/22)

(「夏の花・心願の国」はまだ積んである…)

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