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「女中たち・黒んぼたち」 ジャン・ジュネ

白井浩司・一羽昌子 訳  新潮文庫   新潮社

(差別用語かもしれないけれど、作品名・書名だし、そのままにしておく)

ジュネは現代不条理劇の一つとされているらしいけど、例えばベケットとかと比べてもよくわからん(笑)今日読んだのは「死刑囚監視」というもの。一幕もので新潮文庫にして50ページ強。
(2008 06/22)

「女中たち」
昨日はジュネの「女中たち・黒んぼたち」のうち「女中たち」を読んだ。実際に起きた女中姉妹による女主人殺害事件をモデルというか、きっかけにして作られた戯曲。
奥様がいない場では、一方が奥様のドレスを着て、もう一方が今奥様のドレスを着ている女中の役で、うさばらしの劇を演じている。間に奥様登場の場を入れて、後半は前半を裏返したような劇になる。まあ、奥様に仕えているところも「演技」だろうから、この「女中たち」という劇全体が劇中劇で成り立っている。そのことに付随して、女中たちは演技のプロではないので実際に演じる役者はそれをどう演じるのか?とか、彼女たちが意識している架空の「観客」と実際の観客の関係は?などの問題が出てくる。

劇中劇って、なんか最近はやたらにただ構成をややこしくする為だけだったり、単にそれだけ?なことも多々あると思うが、まずは、この「前衛演劇の古典」をすみずみまで読み込んでからかな。
また、サルトルの「聖ジュネ」にも、この戯曲論があるとか…
(2008 06/26)

今日、やっとジュネの戯曲集読み終えた。最後の作品は戯曲ではなくてバレエ台本になるのだが、これはジュネ作品のわかりやすい見取り図になるとも思う。
(2008 06/30)

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