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「太鼓歌に耳をかせ カリブの港町の「黒人」文化運動とベネズエラ民主政治」 石橋純

松籟社

読みかけの棚から
読みかけポイント:冒頭をちら読み?


ベネズエラ、プエルトカベージョ

石橋氏は、ソニーのマーケティング担当でベネズエラに在住し、その傍ら「ラティーノ」に音楽エッセイを寄稿。最終的に退社し研究活動に入った人。太鼓歌(タンボール)を通してベネズエラの黒人政治活動を追う内容。
最初にあるカリブ・南米の国々の黒人割合、様々な統計における最小値と最大値のぶれが興味深い。ベネズエラに関しては9~70%。ちなみに合衆国は12%でぶれが小さい。こういったベネズエラ(中南米はブラジル始めだいたい似た傾向)の傾向を、現地では「カフェ・コン・レチェ」(カフェオレ)と表現している。混ざり合っていて、ミルク(白)とコーヒー(黒)を線引きするのは不可能だという意味。
(2016 12/25)

ビジネスで知ったベネズエラと、その後民衆文化調査で知ったベネズエラとの接点が、この本前半の元となった論文を書き終えて後もどうしても見つからなかったという。その接点であるマクロ的視点が第3部の前半の「寄港」なのかな。ちなみにこの本の舞台となったプエルトカベージョ市はカラカスの西側。カリブ海に突き出した半島と付け根の「川向こう」からなるカカオ積み出しで賑わった港町。タンボールが行われる本書の舞台は「川向こう」のサンミジャン地区。
(2016 12/26)

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