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「エル・グレコ展」

東京都美術館

寒い風吹く中、上野東京都美術館でエル・グレコ展を見てきた。上野公園内の美術館は、西洋美術館とか東京都芸術の森?美術館とか行ったことあったけど、動物園脇にあるここは多分初めて。名前と見た感じで想像するに、こういう大きな企画展の他に、都民のいろんな芸術活動を支援する役割が強いのかな?と。建物もストライプが印象的で自分好み。

さて、エル・グレコ…ってのは、ギリシャ人というスペイン語に過ぎないので、ドメニコ・テオトコプロースという本名でこれからは呼ぶべきでは?とも思う…1541ー1614…んと、日本の戦国武将とだいたい同時代、それより、宗教改革の時代と重なり、エル・グレコは対抗宗教改革の芸術家でもある…

なんか文が長くなってきたので一区切り。この展覧会では神秘の宗教画家というより、イタリアなどの先進画法と、近代的な自然観察そして芸術家意識という面からエル・グレコを捉えていて、自分も見ていてそう思った。ということで、最後にエル・グレコ自身がウィトルウィウスという人の「建築十書」という本に書き込みした文から。

 形態や色彩などすべてのものを判断し得るのは、唯一絵画だけである。なぜならば、絵画の目的はそれらすべての模倣であるから。一言で言えば、絵画は「思慮」の地位を占めるのであり、それは目に見えるすべての物象の形成者(調停者?)なのである…(中略)…というのも、人は薄暗がりの中においてさえ、見、楽しみ、かつ模倣せねばならないのだから。
(p168…図録(2400円)のページ数)



(2013 02/16)

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