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「ストーリーを続けよう」 ジョン・バース

志村正雄 訳  みすず書房

読みかけの棚から
読みかけポイント:第3話まで(第4話も読んだのだが、何も書いてないから、再開時はもう一度読もう)

「ストーリーを続けよう」。12の短編とそれらを緩やかに繋ぐ幕間の掌編からなる。解説によればその12の短編は3つに分かれ、1~4までがストーリーの始めを、5~8までがストーリーの半ばを、9~12までがストーリーの終わりをそれぞれテーマにしているらしい。

「チェックイン」

最初の掌編「チェックイン」では、初老夫妻がとあるリゾートホテルに到着し滞在し始めるが、その中になんだか作者のちょっかいらしきものが混じる。最初は作者介入のポストモダン的な展開か、と思っていたけど、これも解説によるとどうやらこの夫妻が彼ら自身を外側から語るという遊び?をしているみたい。で、この短編集の裏の主役のフラクタル理論にはまだたどりつかない… 
(2016 11/03)

ゼノンのパラドックスとパラレルワールド

第2話はゼノンのパラドックスを利用していつまでも始まりに到達できない話。(かなり前に読んだのですみませんけどこれで) 
第3話は「それから、ある日」と物語の背景から、物語が動き出すところを。実際の生活「ライフ」には「それから、ある日」はないが、「ライフ・ストーリー」(振り返ってみた人生、あるいは語り直す人生)には「それから、ある日」が出てくる。
解説にはこの話で一箇所だけ「と私は思う」(p50)とこれまでの語り手とは違う?何者かが登場する、とある。そこは気付かなかったけれど、ではp55上段のなんかいきなり口調が変わっているところ、その口調と同じようなp56の「同等なんてことは決してありません。ストーリーを進めますか?」と言っているのは誰だろう。

ストーリー中心人物エリザベスとその教授(これまたバース?)コンビが昔の授業風景を今の自分達を題材にやっているのか、それともバースらしき別の(少なくとも場所は)語り手が、このエリザベスとの対話を教材にして講義をしているのが少しちら見したのか。なんだかパラレルワールド?
(2016 11/06)

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