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メタバースにおける「なりたい自分」について考える

メタバース進化論(著 バーチャル美少女ねむ)を読破したので、感想をつらつらと書いていきます。

まずはじめに、ぼくはメタバースブームで興味を持った後発勢です。最初のきっかけは「お金のにおいがする」というなんとも不純な動機。ただ、知れば知るほど面白くて、いつの間にかメタバースの虜になっていました。

メタバースに関する記事を読み漁り、Kindleのサブスクを契約して関連書籍を購読。VR、VTuber、アバターなど知識や興味・関心を広げていきました。そして、なけなしのお金でMetaQuest2を購入。VRを体験できる環境を手に入れました。VRSNSは酔うと聞いたので、1カーブ目で車酔いするぼくは動画やゲームからはじめています(笑)

この記事では、ビジネス視点から捉えるメタバースを述べたのち、テーマである「なりたい自分」について深く考察していきます。

目次から『メタバースにおける「なりたい自分」になる権利』を選んでいただければ、題名に沿った内容をサクッと読めます。

メタバースを構成する7つの要素

本書では、メタバースを構成する7つの要素について見解が述べられていました。以下、引用させていただきます。

  1. 空間性

  2. 自己同一性

  3. 大規模同時接続性

  4. 創造性

  5. 経済性

  6. アクセス性

  7. 没入感

まさに我々が想像する近未来、SFの世界です。

技術者ではないので、この要件をすべて満たせる空間ができるのかはわかりません。今の技術力でどの程度まで再現できるのかも不明です。
少なくとも、大企業が続々と参入しバーチャル技術を持つ企業を買収している様を見れば、今後数年で複数の要件を満たす空間ができると予想できます。

実際に、スマホ・PC・VRいずれもメタバース空間を体験してみました。メタバースプラットフォームclusterにて、別々の音楽イベントに参加したので率直な感想を書きます。


正直、スマホとPCで体験するメタバースは面白くないです。

少し語弊があるかもしれません。
正確には、わざわざメタバースプラットフォームでやらなくていいですかね。誤解しないでいただきたいのは、これらの活動を否定するわけではなく、1人のユーザーとして改善してほしい項目であるということです。VTuberや素人の活動の場として有意義であることは間違い無いので、ご理解をお願いします。

具体的に感じた問題点は2つです。

  • スペックによる影響が大きい

  • 「そこにいる」感覚が少ない

まず1番の問題だと感じたのがスペックへの依存度です。

参考までにぼくの機種を紹介しますと、
スマホは『iPhone11』
PCは『Windows10、CPU:Ryzen7、メモリ:8GB』です。

詳しくないですがどちらもそれなりのスペックがあります。

この2台を要しても、カクつきと充電の減りがえげつないです。スマホは熱々、PCでも同時接続人数が多いと音や画面が止まることもありました。周囲のアバターを表示しないみたいな設定も試しましたが、そこまで大きな効果はなし。

メタバースプラットフォーム以外もスペックには依存しますが、特にスペックへの依存度が高いと感じました。多分もう少しスペックが低ければまともに見られない。

メタバースに移すことで視聴者の体験が悪くなるなら、YouTubeとかでよくない?

こう感じたのは理由の2つ目「そこにいる」感覚がないからです。
スマホもPCも結局画面を見ているだけで、参加している感がありません。clusterの場合はリアクションを取ることができますが、うーん(笑)

ところがVRになると話は変わります。
1番の違いはやはり没入感です。clusterの場合、スマホやPCのリアクションはボタンを押すだけでした。これがVRになると、実際の会場のように手でペンライトを振ることができます。もちろんバーチャルに映し出されるので実物は必要ありません。踊りまくってる人もいました(笑)

ライブに参加する感覚、自分が「そこにいる」を体感してはじめてメタバースの魅力の片鱗に気付きます。

次に直面する問題は、一般ユーザーのVR参入障壁が高いと思われていることです。次に続きます。

VRよりAR?一般人はもっと下

メタバースの話をすれば必ずといっていいほど出てくる話題が、VRとARどちらが普及するかです。基本的にはARが有意といわれています。ただ、本来はまったく違う用途だと学びました。

どこで目にしたのか忘れましたが

ARは、現実にアニメのキャラを召喚する
VRは、自分がアニメの世界に行く

というのがわかりやすかったです。

ARが有意とされるのは、現実をベースに物事を考えるからだと思います。
メタバースの語源である『スノウ・クラッシュ』の1文、VRSNSの実態、理想とするメタバース。すべてを考えれば、現実と仮想現実はわけて考えるべきです。SFすぎる未来を想像できないけど、現実に仮想を持ち込むくらいならできそうという話だと考察しています。消費税みたいなもので、ちょっと上げる→慣れる→さらに上げるという作戦ですね。

あと、VRゴーグルは使いにくいところがたくさんあるし、なによりあの姿は人に見られたくない(笑)そうなると当たり前にはなりませんよね。


気合を入れて語ってきましたが、一般ユーザーはもっと下です。

今メタバースについて語る人は、主に3パターンにわかれると思います。

  1. テックトレンドが好きな人

  2. ビジネス目的の人

  3. 専門家

テックトレンドが好きな人は大半が素人です。
本書に登場する「メタバース原住民」の方々がここに分類されます。実際に原住民の方は、エンジニアやイラストレーターなどクリエイター気質の割合が高いのではないでしょうか?
突如として訪れたメタバースブームから、自分たちの生き方や生きる場所を守りたい、都合よく作り変えられたくないという目的があると考察します。

2つ目がビジネス目的の人です。
メタバースブームに乗っかりたい方々がここに分類されます。ちなみに、ぼくはこの内の1人です。素人から事業者まで幅広い層が該当していて、それぞれの狙いがあります。この件は、後述する『乱立するメタバース』にて詳しく解説しますね。

3つ目が専門家です。
2022年のビッグトレンドですから語らないわけにはいきません。ビジネスに直接関係しない方でも、最低限の知識は必要だと思います。このジャンルには、これまでメタバースを促進してきた企業のCEOなども該当します。バーチャル美少女ねむさんもここに分類されるのかな?

ここからが本題です。
今メタバースを語る人は、エンドユーザーの視点ではありません。

一般人からすれば、VR・ARなんじゃそりゃ?です。なんならメタバースなんて言葉も知りません。VRかARか論争はビジネスとしてのポジション取りでしかないのです。メタバースを普及されるために取り込むべきエンドユーザーは、それを使ってどうなるかしか考えていません。

例えば、先ほど紹介した「VRゴーグルをつけているところを見られたくない」も大切な指標です。面白そうな体験ができるとしてもダサければ使いませんし、体験に見合う値段でなければ買いません。その点で、見た目がよくて現実にも気を配りながら新しい体験ができるARが有意になります。

結論、AR・VRどっちでもいいわけです。
それよりも体験。それこそ、スマホでメタバースを体験してみたけど「重いし、なにすればいいかわからないし、つまらない」なんてことになれば、メタバースから人は離れます。

鍵を握るのは、メタバースでしか体験できないイベントやコンテンツ一般ユーザーにとって手に取りやすい値段や見た目。この辺りかなと思います。

ちょっと息抜き

ここまでで3000文字オーバー。
ふみあきくん得意の長編物の予感がします。1つの見出しで1コンテンツをつくれるレベルです。てか読みやすくわけてくれよって感じですね(笑)

自分の意見なら言葉が溢れてくるんですよ。ブログ記事になると言葉が出てこなくて・・・・・・。これだけ気合い入れた文章なら自分のブログに載せたいくらい(笑)

息抜きの雑談でした(笑)
続きます。

乱立するメタバース。ポジショントークと経済圏の争い

本書にもある通り、今はそれぞれがメタバースというビッグトレンドのポジションを取り合っています。7つも構成要素があるので、各ジャンルに精通する企業や個人がビジネスチャンスを感じるのは当然です。

特に経済性、仮想通貨そしてNFTに関しては個人・法人問わず大盛り上がり。メタバースの波に乗らんと、多くの方が動いています。
ぼくは仮想通貨・NFT、特に仮想通貨には多大な期待は寄せません。あまり多くは語りたくないですが、メタバースの経済を語る上では必要な要素です。

仮想通貨に期待しない理由は2つ。

  • 価格の乱高下が激しい

  • そもそもあまり理解されていない

ぼくは2017年2月から仮想通貨を触っています。特に早くはないですが、ブロックチェーンやWeb3に関しては多少の理解があるつもりです。
NFTについても調べたりニュースを追ったりしていますし、DAOに所属してトークンも持っています。

それなりに理解している人(つもり)の意見なのでご了承ください。
ちなみに当時は仮想通貨で10万円単位の損をしました(笑)投資は知識なくやるもんじゃないです。

実はここにもヒントは隠れています。
仮想通貨業界に参入している人がいたら、買う理由を考えてみてください。

稼ぐため

ではないですか?
仮想通貨投資という言葉があるくらいです。投資情報を扱う雑誌やメディアでも、メタバースで稼げる銘柄が連日取り上げられています。

なぜ稼げるのか。それは価格が乱高下するからです。仮想通貨に代表されるビットコインが、短期間で2倍、3倍になったのも記憶に新しいでしょう。でも投機的な側面がつよい以上、通貨としては利用できません。

NFTも同様です。
ありえないレベルの額で取引されるNFTを見て「これは稼げる」と思いましたよね?ぼくは思いました。でもNFTの本質ってそうじゃないはずです。

実際に、約3億円で取引された「世界初のツイート」は大幅に価格が割れて、元値の1%程度の入札しかありません。NFTバブルが崩壊しはじめました。PtoEも投機目的が薄まれば価格が落ち着くと考えられます。NFTもPtoEのアイテムも、トレカと一緒で"本来の"値段はつくと思いますが。

つまり仮想通貨業界は、本質的なことを理解していないまたは知識のない人が、投機的な参入をするための市場になってしまったのです。

少しきつめの言い方ですね。
ビットコインの概念を生み出した『サトシナカモト』の論文は

「発行枚数を決めておけば円安とか円高の概念がなくなって、世界中で通貨の価値が統一されるよね。ついでにブロックチェーン上で取引を管理すれば、不正もしにくくて最高じゃない?」

という内容だと認識しています。


とはいえ、メタバース空間でのお金のやり取りはかなり重要な要素だと思います。本書にも書かれているとおり、没入感を損なわないためです。
メタバースの究極は、現実と並列するもう1つの世界だと考えます。パラレルワールドを自由に行き来できると考えればわかりやすいかもしれません。

今は黎明期ですから「我が事業こそが真のメタバースなり」とそれぞれの旗を掲げます。本書でも、クローズドなプラットフォームが乱立してアバターが共有できなくなる可能性を示唆しています。

では、各プラットフォームで独自の通貨を使うのかといえば答えは「NO」です。

通貨とアバターは捉え方が違います。
本書を読めば、メタバースにおかるアバターが個人のアイデンティティを確立する要素として、いかに大切かがわかります。

ただし企業にとっては関係ありません。企業は利益至上主義です。メタバース空間でいかに手間をかけず通貨のやり取りができるかが最重要課題です。面倒な手間があればメタバース内でお金は回りません。

ぼくがゴリゴリの経営者なら

アバターを統一することで、ワールド内に人の流入が増えてお金が落ちるなら統一規格を採用する

と考えます。

通貨の場合は逆で、なるべく現在のフレームワークを崩さないように移行することを心がけます。そうなれば仮想通貨を含め、なんらかの手段で決済方法を統一させようという動きは理解できます。

今後も様々な立場のメタバースが提唱されるでしょう。どこかの企業に飲み込まれるのか、ユーザーの思想が勝つのか、はたまた別の解決策が出てくるのか。数年間は大注目ですね!

メタバースにおける「なりたい自分」になる権利

メタバースにおいて「なりたい自分」になるとはどういうことでしょうか。

本書では、容姿や性別に左右されないジェンダーフリー、それすら飛び越えた物質フリー?の概念が展開されています。著者である『バーチャル美少女ねむ』さんもその1人です。

この「なりたい自分」になる権利。
もっともっと色々な欲求を満たせると確信しています。ぼくがメタバースで最も魅力を感じているのはここです。

私事ではありますが、病気で手術をした後遺症で両足に軽い感覚障害があります。わりとしっかり歩けますが、走ったりしゃがんだり、その他できないことがいくつかあります。不安症も持っていて、外出できない時期もありました。

詳しくは、公式プロフィールをご覧ください。

世の中には、当たり前ができない人がたくさんいます。ぼくもその1人です。足に障害が残ったのは23歳の時です。学生時代はひたすらサッカーをしていたくらいですから、当たり前にできる状況も知っています。

国も社会も弱者を助けてくれません。

未だに精神疾患は理解されにくくて、孤独に抱え込む人がいます。障害者への偏見や風当たりは強いままです。だから、目に見えない病気や障害をなるべく隠して生活します。オープンな社会では特に。

彼ら彼女らは社会にうまく馴染めません。
普通ではない自分の社会的な立ち位置を理解しているからです。本来の自分を出せない、やりたいことができない。そんな精神的ストレスが体調に影響を及ぼすこともあります。


そこでメタバースの「なりたい自分」になる権利です。

僕たちみたいな、いわゆる当たり前ができない人はどこかで必ず無理をしています。それを周りにバレないように立ち回っているのです。
同じ境遇の人はこんなこと大声ではいえないでしょう。だからぼくが代弁します。

つらい!苦しい!羨ましい!

僕たちは病気や障害に悩みますが、容姿や境遇に悩む人もいるでしょう。その「できない」「こうなりたい」を体現できるのがメタバースではないでしょうか?

例えば、ぼくは足が悪くなってから公共の場に行きにくくなりました。自分が人の流れを止めてしまうからです。ライブやサッカー観戦。好きだったことをためらう生活。でも、VRを使えばメタバース観戦ができます。

そして特に注目しているのが仕事です。
大手企業がメタバースの土地を争っています。ワールド制作は自由ですから、独自のワールドでショップを持つ構えも見せています。メタバース内での商売は嫌でもやってくるわけです。そしてメタバースに雇用が生まれます。

すると在宅で仕事ができるようになって、今まで様々ことを我慢して生活してきた人たちは大歓喜!というシナリオです。なんなら健康に生きている人も大歓喜。家で働けるし、アバターは自分好みにカスタムできるし、容姿による印象操作もないし。メタバース支部ができるまでの妄想もばっちりです(笑)

こういう未来のためにメタバースの発信や体験をしたいと思っています。これも完全なメタバースのポジショニングトークですけどね(笑)
メタバースの熱狂(お金)に誘われてふらふらっとこの業界にやってきましたが、お金よりもやりたいことが見つかりました。

詐欺じゃなければ、メタバースのポジショニングはなんでもあり派です。それぞれに信じるものがあって、僕にとってはそれが「現実でできないことをバーチャルでやる」だっただけです。Web3でもVRでもそこに良し悪しはありません。

僕レベルの弱者は、時代とともにつくられるメタバースを見守るしかありません。大手企業や社会の流れには勝てませんから。だから、メタバースという概念を間借りして、社会的な弱者を助ける事業や発信ができたらと思っています。メタバースの発展が楽しみですね!

P.S.

感想文のはずが短編小説をつくってしまいました。文章が長くなるのは悪い癖です。

ちなみにメタバースでやりたいことは他にもあります。音楽イベントも開催してみたいし、ジャズバーみたいな飛び入りで参加できる音楽バーもやってみたい!現実ではお金がかかるけど、バーチャルなら自由にワールドつくれるもんね!

ただ、モデリングもunityもわからないから、ノーコードかローコードでワールドつくらせてくれぇ!そして実家で平家だから、めっちゃ声響いてVRSNSやるの恥ずかしい現象もなんとかしてほしい(笑)

オリジナルアバターも欲しいし、Metaから新しく出る予定のPro2/Project Cambriaも欲しい。Appleからなんか出たらそれも欲しいし、Nreal Airも・・・・・・。今年はお金がかかるなあ(笑)

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