#メタルコンピ (メタルコンピ3)で曲を書いた話

(そういえばnoteのアカウントは作ってたけど読むばっかりだったな……)と思ったので今回はnoteに書きました。
気が向いたらたぶんアメブロにもほぼ同じ内容を置きます。いっそ乗り換えてもいいかな…

1. 今回のコンセプト

前回までそこそこ色モノ(初回はV系風、2回目はほぼ手癖でハードロック風味のシンフォニックメタル)だったので、変化球投手らしく今回も直球は避けようとおもいました。草野球をやってた頃の決め球はナックルカーブとサークルチェンジです。
そこで今回はどうしようかと考えた結果、前回途中まで進めて途中で諦めた"EDM+メタル"で進めることにしました。ただし四つ打ちでダッキングしたベースがブンブン唸るやつではなく、8ビートや16ビートが根底にあるジャンルじゃないとたぶん自分の腕では合わせられない…と思ったときに思い出したのがこの曲です。

この曲自体はわりとメタル寄りの構成をしているのですが、普通にリズムを組んでEDMのフォーマットでメタルっぽいリフを乗せていけばイケるんじゃね…?と天啓が降りて来ました。降りてきたとその時は思ったんです。

2. 楽曲の構成

EDM的なフォーマットの上でメタルをやる、というコンセプトのためにまずはリズムを組みました。
ところでツーステップって好きですか?俺は大好きです。

ところでみなさん、リキッドファンクって好きですか?ドラムンベースが元になっているジャンルなのですが、BPMが140程度と抑えめでちょっとオシャレな曲が多いのが特徴です。

こうしてどういうリズムを組むのかが決まりました。

次にベースですが、そういうジャンルの場合ベースラインはあまり派手に動かないというイメージだったので生音でいくなら全編ほぼルート弾き、シンセなら白玉とオクターブの合わせ技が鉄板かなという感じでした。
なので、後述するKV331 Audio SynthMaster2のプリセットがバッチリ決まってほぼ安心でした。オクターブで合わせようと一度考えましたが、ギターも2音下げで考えてるのにベースしつこくない?となったのでこちらはやめました。なにごともほどほどがいちばん。

元になっているジャンルは隙間の作り方がキモになるタイプなので、ギターは刻んでしまわないように気をつけました。
メタルだとパワーコードで刻んで…みたいな発想になりがちですし実際前回まではそうだったんですが、海外のメタルステップやインダストリアルメタルやらを聞いてると(それっぽい雰囲気にするなら刻んじゃいけないな…)とゴーストが囁いたのでDjent的なリフになりました。2拍3連が手癖です。

シンセ類は今回ほぼプリセットをいい感じで鳴るやつないかな…と探してパッドといい感じのアルペジエーターがついてるものを探しました。アルペジエーターをうまく使うのってEDM巧者っぽくないですか?
最後のサビで鳴っているような矩形波の派手なリードシンセも、いつもはMai Taiで作ってるんですが今回はKV331 Audio SynthMaster2で鳴らしました。せっかく買ったのでちゃんと使いたかったんです。いいシンセでした。

という感じでオケの方は結構いい感じに手が進んだのですが、今回一番悩んだのはメインメロディです。マジ締め切りブッチしまくりで大変失礼しました………………
実を言うとトラックは締め切り2週間前に完成してました。余裕ぶっこいたツイートをしてるときにはほぼできていたのです…ここからがまぁ恐ろしいほど難航しました。これはいつもそう
一度書いたメロディを書き出して「ぅゎぁクソ」って言ってサビ以外を書き直しました(1週間のロス)。歌詞はさらに1週間かかりました……スミマセンデシタ……………………

3. 音作り

 a. ギターの音作り

 エレキギター: Presonus PresenseXT / アコースティックギター: A|A|S  Strum Session

今回はリフがばっちり決まるようにゲートの使い方に気をつけなきゃいけないな…と最初から考えていました。
その結果、足元のエフェクトはおよそこのとおりです。

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(ゲート→ハーモナイザー→ベース用オーバードライブ→コンプ→オーバードライブ)
ソロではこの後ろにファズとテープエコーとリバーブが挿さってました、なんじゃこりゃ。

おそらく、
1. ゲートで余計な響きをカット
2. ハーモナイザーで厚みを上乗せ(音源が例のごとくかなり軽めの音なので)
3. オーバードライブでゲインプッシュ
4. コンプレッサーで余計なピークを揃える
5. ミッドを押し出してゲインをもうワンプッシュするオーバードライブ
という形で挿したんだとおもいます。

今回はリード/リズムの区別なく左右で同じリフを鳴らして壁のようにしたいという思惑があったので、音源側のプリセットだけ変えて左右同じセッティングで鳴らしています。

あと、音源側のプリセットが違うとはいえ左右で同じように壁にしたいので、アンプのセッティングは左右ほぼ同じになりました。

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なんかTriple RectifierとPeaveyのキャビでダウンチューニングのギターがすべて丸く収まるのでは?という気分になりました。ちょっと歪みが深いな…と思う人はそのまま純正のキャビをセットアップしたら良いと思います。
裏で鳴ってるコードギター(※ほぼ鳴ってるように聞こえない)にはHIWATTを使ってました。なんで?

アコースティックギターには今回A|A|S(Accoustic Applied System)のStrum Sessionを使用しました。ちょっと前に無償配布してたやつですね。
こいつのいいところは、コードの検知と各弦の割り当てをある程度自動でやってくれるところです。Play Modeを"Guitar"に設定してコードを鳴らすと中央に読み込んだコードのボイシングを表示してくれるので、これをストロークで鳴らすのかアルペジオにするかを別ノートで操作するだけで簡単にアコギのフレーズが入れられます。
ただStrum Sessionだとエディットできる内容に限りがあるため、GS-2へアップグレードしようか悩んでいます。ば、バリエーションが少ない……

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 b. ベースの音作り

 音源: KV331 Audio SynthMaster 2

今回のEDM的要素その1です。普段ならPresenceXTの6弦ベースといつものセッティングでしばき倒す流れですが、今回はそうすると面白みがないかなと思ったのでギターとドラム以外の生音要素を入れないようにしました。

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それにしてもSynthMaster2ってプリセットの数やばいですね。選ぶのに時間かかりました(その後音色を軽くエディットしたので更にかかりました)。
しばらくシンセはコレとNative Instruments Massiveだけでいいかな……

エディットしたと言っても空間系を切ったのとアルペジエーターの調整くらいです。後述しますがパンニングとかの都合で空間系エフェクトがあると面倒だったので…
それと初心者のお供であるXfer Records OTTでいい感じにしました。楽しい。

 c. ドラムスの音作り

 音源: BFD Drums BFD3 / BPB Casette Drum 909

生音系のドラムは基本的にBFD3です。これとShino Drumsくらいしかないので…
今回はMaple Custom Absoluteをキットとして採用、スネアはTama Starclassic 14x5とCanopus Broze Piccolo Snareをブレンドしました。シンバル類はZildjianのA Customで揃えています。Zildjian信者なので。

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BPB Casette Drum 909はEDM要素その2です。リズムセクションとして単体で鳴っているのはイントロや大サビのブレイクくらいですが、ここで組んでいるツーステップっぽいセクションが全体のキモになっています。
あと、BPB Casette Drum シリーズは無料音源ですが一発で知ってる音(丁寧にサンプルされたり現代風にリファインされたりしてない、マジで普通にテープで録ったっぽい音)が出るのでオススメです。パラアウトもできます。

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 d. リード類の音作り

 ギターソロ: Presonus PresenseXT
 シンセリード: KV331 Audio SynthMaster 2 & Presonus Sample One

ギターソロは上に書いた通りですね。アンプのセッティングも変わりないです…足元にファズが追加されたくらいです。

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シンセリードについてはいわゆる"トランスリード"っぽい音色を探してエディットしました。良さげなのを探すのも大変なのにみんなリバーブが深すぎてビビる…

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あと今回のEDM的要素その3がボーカルの裏で鳴ってるシンセっぽい変な音です。これ、クワイアでAh-って歌ってるのをサンプラーに流し込んで音程を付けたものでした。
ボーカルチョップほどわかりやすくEDMっぽさはないですが、サンプラーで好きに鳴らすのはEDMっぽいなと思います(小並感)。

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 e. パッドの音作り

 音源: KV33 Audio SynthMaster 2

パッドはほぼ音作りはないです。強いて言うならボイシング…?
厚みを出すために和音に聞こえるギリギリまで音域を広げてる感じです。あとアルペジエーターがレイヤーされてるプリセットも多用したのでフレーズが裏でいっぱい鳴ってるように聞こえたことでしょう(希望的観測

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 f. その他バスにまとめたりステムで揃えたりで使用したもの各種の紹介

今回まずなくてはならなかったのがWave Arts Panorama 6だとおもいます。
今回ドン引きするくらいベースが下からうるせぇってなったのはこいつのおかげです(普段からドラムのシンバル類やアンビエンスをまとめたバスに挿してはいますが)。

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"バイノーラルパンナー"と呼ばれるものの一つですが、みんなが耳を舐めたり息を吹きかけたりするのをマイクじゃなくてプラグインで擬似的になってしまおうというやつです。
普段はパンナーというよりはイメージャーとして使用することが多いのですが、せっかくだし…と思って「ベースは下からデカい音で」「全体のリバーブは高いところから降ってくる感じで」という2つを意図したものがそれぞれ挿さっています。部屋の反響って前と後ろの2つがあるので、スプリットして2つ挿しました…(下の画像が最終的なリバーブのルーティングです。後ろに回すと左右が反転するので、片方には左右を入れ替えるプラグインが挿さっています)

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次は何と言ってもSonnox Claroです。帯域の住み分けはちょっとこれなしでは難しいかも(耳がそんなに良くないので)、という気分になりました。
再生しながら被る帯域の確認ができ、かつ各トラックのEQも直接いじれるのでみなさん買いましょう…今年のブラックフライデーセールでイントロセールより安くなっているのでビビります………

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それと今回始めて挿したのはWaves NLS Non-Linear Summer です。
ほぼ同じ機能はStudio One標準で"Console Shaper"というものがあるのですが、これはVCAフェーダーも搭載しているのでグループごとの音量バランスもここで調整できます。DAWのフェーダーを触らなくてもいいとは…(iZotope Neutron Visual Mixerの話はここではやめましょう。やめるんだ)
あとアナログコンソールの質感"だけ"が追加できるのもGoodです。SSL 4000シリーズのチャンネルストリップも使いますが、アレらには必ずEQやコンプもついてくるので。もちろんSSL側で大まかな方向性を作ることも重要なケースがありますが、今回はその手前でほぼ決め込んでいるのでその必要はなく、NLSが日の目を見ました。それにしてもWavesがAbbeyRoad Studioを好きすぎると思うのは気のせいだろうか…

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あと、忘れてはいけないのがバストラックにまとめたときに使っている Brainworx bx_console AMEK 9099です。過去のツイートでそのパワー感に爆笑していた通り、プリセットがすでにパワー系なのでジャンルさえ合えばほぼプリセットで良さげな雰囲気になる気がしています。やばいですね。
ドラムはさすがにこの後に色々挿していたりしますが、ギターやベースはほぼこれと質感を揃えるだけのコンプでいいんじゃないかな…という気持ちになりました。

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あとなにげにLindell Audio 902 De-Esserが便利でした。ギターのうるさいところも取れるので個人的にもうちょっと使い方を模索したい感じです。

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それとLindell Audioの50 Seriesと80 Series。ドラムの方向性を決めるためにこれだけは絶対に外せない…

4. 参考にした音源

以下、ほぼ羅列です。

・Surigao Mirror Ball - Yellow Squadron

・Fire, and Cruising in Crossroads - Yellow Squadron

・Defeat Em - Yellow Squadron

・Own Little World Drop Remix - Celldweller, remixed by Drop

・Immemorial Marketeers / 岸田教団&THE明星ロケッツ


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