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試験時のメモ(受験のきっかけ、感想及び備忘録など)その1


第一級総合無線通信士(その1)

☆注意書き(はじめに)

以下内容は、私独自のやり方、個人的な見解ですので参考としてお読み下さい。また、私の感想や思ったことをなんでも書いてますので不要な箇所は読み飛ばして下さい。重複した内容や、間違った情報、認識などもあるかもしれませんが読者様の自己責任ということでご容赦下さい。
誤字、脱字ありましたら申し訳ありません。
本当に基本中の基本、”エ!!”こんなこと気にするの?と言った目線で書きたいと思います。


☆私について

昔から通信に興味はあったのですが、その頃はインターネットもなければ情報は電波受験界といった雑誌からの情報だけの時代、通信資格も需要があるためか、メチャ難しく思えて、私の能力の無さとあいまって取得はほど遠いと感じていました。アマチュア無線技士の資格だけはあったのですが、それも電話級(4級)であり一、1、イチという数字に憧れて、社会人になってから一陸特をなんとか取得した記憶があります。
学生の頃から漠然と電気・電子・通信関連の仕事に就きたいとは思っていたのですが具体的に”これだ”といった職種まではたどりつけず一年の工学基礎の大事なテスト前にアマチュア無線(3級)の勉強をやっているようなピントのずれた人間でした。そんなことで一総通を社会人になって間もない頃に一度受験したのですが予備試験合格も出来ず、実技も棄権でした。
昔は予備試験があり、それに合格しないと本試験に進めなかったと思います。

受験票

余談ですが、日本無線協会は1990年代初めからあったようですが、1995年くらいまでは受験票は電気通信監理局、現在の総合通信局が管轄してたようです。本試験だけはという記憶ですが、記述式と言って、マークシートじゃなかったこともあり難易度高く本当に優秀な人じゃないと足元にも及ばない資格なんだなあという認識でした。
ということで一陸特を取得してからはしばらく記憶から抜けていた時間があり、無線関係の試験のことも忘れさられてました。
忙しい時期がしばらく続き、時代がいつの間にか変わっていたのに気づくのが遅すぎました。船舶業界でGMDSSというシステムが施行され、通信士の需要が少しずつ減って行ったこと。。。
インターネットもどんどん進化して、色々な方の受験記など情報が自由に取れて試験もマークシート化され制度がどんどん変わって行ったことなどに取り残され、浦島太郎状態?
昔よりも受験環境が良くなって来ていたのでは?と思います。試験の難易度が下がったかどうかはよくわかりませんが、過去問をある程度網羅出来れば、合格の確率は高いんじゃないか?と個人的に思ってました。


☆資格取得の経緯

今から約10年ほど前、無線とはあまり関係無いですが資格取得を始めました。第二種電気工事士、消防設備士など設備系の資格と工事担任者、電気通信主任技術者(伝送交換)、第一級陸上無線技術士(一陸技)などの有線、無線通信系の資格を科目免除を利用して取得して来ました。
効率良く資格を取得するためには科目免除は必須だと思っています。
”急がば回れ”じゃないですが今まで地道さが足りなかったことなどを反省しつつ徐々に取得を目指しました。電気通信主任技術者(伝送交換)取得により、一陸技を受験時に 無線工学の基礎、無線工学A 2科目が免除になることは非常にメリットが大きいと感じました。無線工学Bと法規に集中出来ます。一番時間がかかったのは、何といっても今回の第一級総合無線通信士ですが、私は電気通信主任技術者(伝送交換)もけっこう時間をかけてしまいました。(2年半程度)
それが理由かどうかわかりませんが、一陸技は1回の受験で奇跡的に取得出来ました。ここまで来ると、昔から雲の上の資格と思っていた第一級総合無線通信士(一総通)を取得したくなって来るのが定番の流れだと思います、この罠にかかる人はかなり居るのではないでしょうか?
一陸技を取得すると無線工学の基礎、無線工学A、無線工学Bが免除されます。7科目の試験がある一総通で3科目の免除、しかも難しい無線工学が。これはメリットが大きすぎ、と感じました。インターネットで色々な方の受験記を読んで、今更ながらやってみようか?と思ったのが長い苦しみ?の始まりでした。
他の方の受験記を読んでもだいたい同じことが書いてある気がします。私はそれほど能力も無く、取り柄といえばちょっとしつこい性格?なことくらいと言った感じなので本当に基本中の基本、”エ!!”こんなこと気にするの?と言った目線で書きたいと思います。
「一総通とは何か」とか、「合格までに必要な時間」とかは他の受験記を書かれている方の内容が参考になると思いますので、そちらをご参照下さい。特に合格までに必要な時間は個人差が大きいと思います。(年齢、適性、勉強や訓練にかける時間など)ちなみに私は約4年近くかかってしまいました。また、無線工学の基礎、無線工学A、無線工学Bの免除がなければ、私的には到底取得出来なかったと思うので免除がありの前提での話とさせて頂きます。


☆受験の印象

まず、準備に関しては言うまでもなく情報収集が必要です。受験科目としては 法規、地理、英語、電気通信術とありますが、法規、地理は過去問7~8年分くらいの内容を覚えれば合格出来るんじゃないか?と思います。全部理解の上で覚えられればベストですが、同じような問題も7割程度は出題されると思うのでそのまま覚えたりもしました。法規用の一総通のテキストは無いようですが、じっくりやりたい方は三海通の情報通信振興会のテキストやオーム社のテキストもあるようです。
地理は世界地図と過去問で乗り切りました。
英語は英会話、筆記(英文解釈、和文英訳)があり、私的には電気通信術に次ぐ難易度といった感じで、科目合格までは色々ありました。
後は電気通信術ということですが、もうこれは簡単には語れないといった感じが正直な感想で、もう合格は無理かも?というところまで行きました。
最後に感想は、再度書きたいと思っております。
日本無線協会のホームページ内に国家試験の概要がありますので、情報収集からですね。


☆法規

過去問は日本無線協会(試験問題と解答)、情報通信振興会(電波受験界、国家試験データベース)その他、古い過去問をデータベース化されているHPなどから入手しました。

紙物として印刷して、綴じて保管すると共に(持ち歩いて見れる)その時に紙物をスキャンすると共に、OCRデータとしてファイル化しました。この時にOCRデータとして保管していないと、文字コピー時にEXCELファイル中にペースト出来ませんでした。
(ファイル中の文字が画像として保管されていると文字のコピーが出来ませんでした。)
※(Optical Character Recognition:光学的文字認識)
ファイルの情報をEXCELファイル中にペーストして年度別、試験期別で分けて管理してました。非常に時間と手間がかかり、面倒ですが作業しながら内容を覚えました。もっと良い方法があるかもしれません。
パソコン中で管理出来る、文字が検索出来る。などメリットもあります。
あと、関係する電波法、その他諸規則などはネット上で総務省のHPからコピって貼り付けたりしました。

法規で気にしたところは、問題文をよく読むこと、適合するもの?なのか適合しないものなのか?とかうっかり逆の意味合いで解釈するとケアレスミスとなります。

法規は1から4、A、B、C、Dなど組み合わせ選択ですので、私は覚えている内容から当てはめていって、消去法で導き出すようにしました。
法規は基本暗記なので、何かに関連付けて覚えた方が良いと思っています。選択する回答内容は短いとすぐ判断出来ますが、やたら長い文章で、見た目内容ほとんど同じじゃない?っていう設問もありますので、どこが違うのか見極めるポイントを作った方が良いと思います。

25問 2時間30分の持ち時間は、私としては余裕がありましたので、余った時間があれば見直しに使うとか?試験会場から退出可能な時間なら早く帰って別の時間に使うとか。私は終了近くまで一人居残りする時も多かったです。ただ、何回も見直しすると最初に選択した解答で本当に良いのだろうか?と気持ちが揺らいでしまうことが私はありましたので、最初に選択した直感も大事なのではないでしょうか?
試験本番で解答用紙に全部マークした後、数カ所変更したけどそれが間違いだったということもよくありました。

使用した参考文献

  • 学習用 国際電波法規  (情報通信振興会)

  • 国際電波法規 英和辞書 (情報通信振興会)

  • 国際電気通信連合憲章及び国際電気通信連合条約並びに無線通信規則(抜粋)(情報通信振興会)



☆地理

過去問を紙物として印刷して、綴じて保管してひたすら問題を解きました。
年度及び期別ごとに問題を解いていると、同じような問題が出てきていることに気が付きます。
国内の海上保安庁の海岸局、ナブテックス海岸局、DGPS陸上局(廃止)
開港名、半島名、海峡又は水道名に関してはあまり聞いたことのない名前がたくさん出てきますが、決まった場所にはなるので改めて日本の地名に関しての暗記となります。
ただ注意点として、同じような場所で違う地名や海岸局があること。
例えば八戸と塩釜(鮫)は地図上同じような位置にあります。同じ設問の中に八戸と塩釜(鮫)は出てこないようですので判別は出来ると思われます。これは海外でも言えることで、似たような場所に違う地名や海岸局がありますので注意深く暗記が必要と思われます。
海外の設問は全世界となるのですが、地域として、ヨーロッパ(地中海、北海、バルト海)、中東、インド、アフリカ、北米、南米、東南アジアという中で毎年微妙に海岸局名が違って出題されているようです。
まだまだ知らない場所は多いと思いますので、世界は広いことを再認識させられました。中には定番でいつも出題されているところもあるので、そこは外さないようにするべきです。

私は地理は日本旅行や世界旅行に行ったつもりで楽しく勉強出来て、世界の地名、国名で新たな発見がありました。
新詳高等地図(帝国書院)〈たぶん中学、高校の教材〉やネットの情報を使って地名や読み方を調べました。掲載されていない地名もありますので、それはそういうものとして覚えました。
別の資料にはあったかもしれませんので、時間のある方はより深く調べられてはいかがでしょうか?



地理に関しても、参考書となる書籍が古いものしか無いため、有名な”通信交通地理”とかネットで検索すると情報は出て来ますが、中身は見たことがありません。中古品やオークションなら手に入れることが出来るかもしれません。最近の良さげなテキスト(購入可能なもの)をご存じな方は教えて下さい。


☆英語

電気通信術の次に苦手な科目が英語でした。
昔から嫌いな訳ではなく、どちらかというと好きな方だったのですが。
試験となるとまた別な感じがします。
英語の試験は下記で分かれています。
・英会話
・筆記(英文解釈)
・筆記(和文英訳)

・英会話

CDプレイヤーなどからの、問題を聞き取り設問に答えるといったリスニング的な内容です。この設問内容ですが、私が感じたところでは毎回、内容が異なります。設問全体としての内容的には同じ場合もあったかもしれませんが、質問のされ方、英単語が違った形で出題されると、過去問の勉強だけではもう無理です。
日常的な会話に基づく問題や海事基礎英語的なものが関連するものまで色々あります。他の方の体験記などで、よく英検2級程度のレベルとか言われており、けっこうネイティブな方が発音されてますので聞き慣れないと何の単語を言っているのか理解出来ません。
また、これは私個人のリスニング能力不足なんだとは思いますが、男性の声と女性の声で内容が聞き取り易かったり、そうではなかったりということがありました。試験本番ではQUESTION1~7まであって、各設問は3回読まれます。

1回目:ゆっくり
2回目:ゆっくり
3回目:通常の速さ

正答が3問未満だと筆記がOKでも不合格になってしまうので注意が必要です。
下記は令和2年9月期の合格基準です。

合格基準

各設問間の時間は1分くらいだったと思うので、解答用紙へのマークする時間の余裕はあると思います。私は試験問題用紙の解答番号に〇を振って、後でまとめてマークしようとしたことがあったのですが
英会話試験終了時に試験官から試験問題用紙を裏返して下さいと言われて、記憶だけでマークしたというアホなこともありました。

練習で使う音源は下記の物を使用しました。

  • 無線通信士(等)英会話CD(2枚組)2021年版 (情報通信振興会)

  • IMO標準海事通信用語集準拠 海事基礎英語 CD付き (海文堂)

  • 英検2級集中ゼミ CD付き (旺文社)



各CD音源をスマホ、ICレコーダ等にMP3音源としてコピーして
通勤時などに毎日聞きました。だだこれも決まりきった内容にはなるので一周回ってしまえば、同じ内容の繰り返しになります。
電気通信術でも同じですが、日替わりWEBサイトなどで毎日違う内容を聞ければより良いと思います。私はそのようなWEBサイトを見つけられませんでした。日常会話ならありそうな気もしますが、海事英語は特殊だと思います。


・筆記(英文解釈)

これは長文読解問題と国際文書の規定文(法規)などの英文解釈になります。長文読解問題のネタは海洋問題、地球温暖化環境問題等の時事ネタ、世界気象、南極や北極の内容など、私としては海関連のネタが多いんじゃないかと思っています。
筆記に関しても、まず紙物をスキャンしてOCRデータとしてファイル化しました。法規の時もだったのですが、スキャンの解像度が低いのかOCRの文字認識精度が悪いのかコピーしてテキストファイル中に貼り付けた時の誤記が多く、手作業で修正したのですが今思えば無駄な時間だったかもしれません。学習用の資料も時間が許す限り丁寧に作れば、その分後で見直せたり、特に法規は後でも使えるんじゃないかと思います。
長文読解といえば、まず単語を覚えるところからだと思いますが、海事英語には全くなじみが無かったためネットで検索したり、”海事通信用語集”は役に立ちました。単語は単語帳を自分で作って、特に自分が知らない単語を繰り返し覚えました。

汚い下敷きの上が、単語帳です。普通のよくあるタイプまったく工夫はありません。


単語帳

本文の読解に関しては、最初貼り付けた本文をWEBの翻訳サイトで日本語へ変換して大まかな流れを読み解きました。用語もある程度覚えて、慣れて来たら翻訳サイトにはなるべく頼らず考える感じです。
国際文書の規定文(法規)の海岸局や船舶局の規定文に沿った内容を読み取って、英文で記載の解答を選択します。
・国際 電波法規 英和辞書(情報通信振興会)の内容を英文として理解出来ればかなり良いと思います。


・筆記(和文英訳)

これは問題の日本語文を読んで、英文の穴埋めをする内容になります。
解答の選択肢が、日本語で何に相当するか、あと文法的に見てどこに当てはまるかといった感じです。まず、問題の内容にもよりますが幅広い英単語の知識が必要です。
英語解答の選択肢を見て単語の意味がなんとなくでも判らなければ、かなり厳しいと思います。和文英訳問題のネタの傾向は科学技術的なこと全般、海事関係、国際文書の規定文(法規)と感じています。日常的な単語、熟語も知っていた方が有利です。過去問に出題された単語はまず網羅するとして、その他に理学、工学に関する単語がわかればより良いです。
当然ながら、おおまかでも出題傾向が判らなければ、覚えなければならない単語は多くなります。時間に余裕があったり、学生さんで内容が授業と重なっている方は良いですが、社会人の方なら試験に出るところ(単語)を覚えたいところです。
過去問を幅広く学習することにより、”ああこの辺の単語は覚えた方がいいな”とか肌で感じ取ることが必要だと思います。
時間配分は重要です。
1時間30分の解答時間は自分はちょっと足りないと感じました。
英文解釈(長文読解30分+英文解釈30分)、和文英訳30分 の感じで解答しました。


ここまで色々思ったこと書きましたが、あとは電気通信術となります。電気通信術だけで、今まで書いてきた以上の内容はありますので、別枠的な感じで私は捉えています。その内容は第一級総合無線通信士(その2)で書きたいと思います。
ここまで読んで頂き誠にありがとうございました。


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