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アルザス地方料理 その4

前回までにシュークルートや、ベッコフ、そしてサンドルを使ったコンクールの料理をご紹介しましたが、その他の代表的なアルザス料理をいくつか紹介します。

ビブレスカス Bibbeleskas 

アルザス語で白いチーズを意味するビブレスカス。湯がいたりローストしたジャガイモを、エシャロット、シブレット、ニンニクなどの薬味を、好みで少々入れたフロマージュブランと共に食べます。そこにニシンの燻製を添えたものが週に一度、この地のレストランの賄いに出てきました。ニシンはこの辺りでは勿論取れませんが、14世紀にその技術が作られたニシンの塩漬けが、ベルギーなど北の方からライン川を遡ってやってきたんだろうなぁ。。。とか想いを馳せるとまた楽しめます。素朴ですが素直に美味しい料理です。

タルトフランベ(フラムクーヘン)Tarte flambée (flammkuchen) 

薄い生地の上にしっかりと燻煙されたベーコンとオニオンを散らし、そしてフロマージュブラン入りのアパレイユを流してオーブンで焼いたものです。しっかり下から生地に熱を与えてカリカリに焼くのがコツです。ピザにも少し似てますが、味わいはまた全然違います。(最初の写真)

プレスコフ Presskopf 

元々はプレスしたコフ(=頭)という意味で、豚肉の色々な部位を香味野菜と煮て、そのブイヨンを煮詰め、型に入れてプレスして冷やし固めたものです。フロマージュ・ド・テット(豚の頭のゼリー寄せ)と良く似ているというかほぼ同じかと。。。 

マトロートオーリースリング  Matelote au riesling

  鱒、ウナギ、川カマス、川スズキなどをリースリングと香味野菜で煮込みクリームでつないでソースとしたもの。他の地方のマトロートは赤ワインで作るのが一般的ですが、アルザスではリースリングで作ります。

魚のシュークルート Choucroute aux poissons 

 変わったところで魚のシュークルート。やはりアルザスの川魚をリースリングで蒸し煮にし、シュークルートを添えクリームソースをかけたものです。えっ!? と思われるかもしれませんが、案外おいしいです。

フライシュナカ Fleischschnaka  

強力粉を練ったヌイユ生地で、牛肉をロール状に巻いてブイヨンと共に煮込んだ料理。

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シュペッツレ Spaetzle 

アルザス風パスタです。卵やバターを練りこんだ生地を木べらや専用の器具を使いながら、お湯に落としてボイルし氷水にとります。その水分をよくとってバターや、場合によってはガチョウの油でポワレ(フライパンで焼く)します。これを様々な料理に付け合わせるのですが、店によっては、ほとんどすべての料理に付け合わせていて、更にサービス係が ”もう少し如何?” なんて言いながら勧めてきたりします。素朴ですが、煮込みの料理などと一緒に食べると表面が香ばしくてとてもよく合うので、私も時々作ります。

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綴りがいっぱいあって・・・

素朴な料理ばかりで、一般的なフランス料理のイメージとは随分違うかもしれませんが、その地域の産物をうまく使ったよくできた料理ばかりです。勿論これらはほんの一部ですが、ポピュラーと思われるアルザス料理を集めてみました。

アルザスの地方料理の名前は、アルザス語での色々な呼び方があったり、その綴りも本当に一通りではありません。例えば前述のベッコフなどは、baekenofe、baeckaoffa、baeckeoffe、とか見る料理本によって全部スペルが違ってて、めちゃくちゃ戸惑います。タルトフランベにフラムクーヘンという別名があるのはわかるけど、フラムクーヘ、フラムクーヘルとなると、別名多すぎです。なんでもアルザス語、アレマン語、ドイツ語、フランス語が混ざっているとのこと。島国の日本人にはちょっとわかりにくい。。。

次回はアルザス料理の最終回として、デザートやチーズ、ワインをご紹介します。

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