働き方について
パソコン教室に勤めて3年。
パソコン講師の仕事に
楽しみもやりがいも感じていたが、
最近、頭打ち気味。
おなじみのお年寄りメンバーと
同じルーティンを繰り返すことに
刺激を感じなくなってきた。
講師のよどんだ心境は
教室にも反映されるようで
生徒さんの方にも以前のような弾ける空気がない。
「これでは行けない」と
周りの人に相談しているところ。
すると、ある人が言った。
ご自分の事業で活躍されている方だ。
「教えたり、伝えたりする立場の人にとっては特に、
自分が、どんな仕事をするときに喜びを感じるのかを知っておくことは
大切だ。」
確かに、自分の心境が、相手に及ぼす影響が大きい立場にあるほど
自分のモチベーションを管理することは職責に入るし、
だからこそ、モチベーションを動かされる仕事を選ぶ必要がある。
雇われ根性が強く、
与えられた職務に自分を添わせる姿勢で働いてきた私には、
無い視点だった。
どんな人と、どんな状況で、どんなことをするとき、
自分は生き生きするのか!?
そんなおり
娘が発熱し、小児科に連れていった。
ご近所で人気の小児科で
病院なのに、子供がワクワクするような工夫に満ちている。
おままごとセット、熱帯魚の水槽、
子供が隠れんぼできるカーテンで仕切られた小さいスペース。
代わりに大型テレビはない。
その日は雨で、
駐車場に車を停めると
スタッフの方が駆け寄ってきて
私たちが濡れないよう、大きな傘を差しかけてくれた。
駐車場は、車間を大きくとってあるので
雨の日は特に、出入りの際、
隣の車に当たらないよう注意しなくていいのがありがたい。
実は、私は、
この病院の院長夫人であり、看護師長でもある、
奥様の講演を聞いたことがある。
奥様には、主婦として子育てに従事した時期がある。
子供を3人抱えて病院に行くときに感じた不便、
こんなのがあればなぁと思ったこと、
その頃に感じたジレンマやアイデアの
ひとつひとつを形にして、
ご主人と共に、今の病院を作り上げた。
この病院の細部に、院長夫妻の思いが宿っている。
雨だったけど、その日も病院は混んでいて
看護師さんも受付さんも、常に立ち働いていた。
多忙の中でも
スタッフの皆さんの顔には、笑顔が浮かんでいる。
思いやりを感じる言葉をかけてくれるし
相談にも気持ちよく応じてくれる。
ここでは、
思いやりをかけ、それを受け取ってもらえることが
喜びになっているようだ。
たぶんそれは、
経営者が、愛と夢が溢れた病院を、描いてきたからだろう。
長らく私は
多忙な仕事は嫌だし、
むしろ働かなくても済むなら
のんべんだらりと遊び暮らしたいものだと思ってきた。
だけど、この病院の様子をみていると
夢や信念を持って一生懸命に取り組むものを持つことの幸せを教えられる。
私も、自分が喜びを感じるものを見つけ、愛と夢に溢れた場を作りたいものだ
と思いながら帰宅した。
とはいえ、具体的なビジョンがないから
とりあえず家庭を愛と夢に満たしてみようと思った矢先、
娘が、虫かごに水を溜め、
その中に入浴剤を二種類入れてかき混ぜつつ、
入浴剤の香りを楽しんでいるのを発見し
叱り飛ばして大泣きさせた。
不気味な色の水を挟んで
怒鳴り泣く我が家の様子は
愛と夢どころか、凄惨な事件現場のようだった。
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