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ウルトラセンスお笑いツアー 遠征記

推しが、札幌・名古屋・金沢・熊本をまわるキモいツアーを始めた。

東名阪で名を残し東阪を無視するキモツアー、その名も『マヂカルラブリー・囲碁将棋・ダイヤモンドのウルトラセンスお笑いツアー』である。

ウルトラにセンス溢れるポスター

東京から一番近くて名古屋。どこも楽しそうな場所なところも憎い。絶対観光したい場所で選んでる。
場所も日程も厳しいかなと思ったが、今どき配信もなかったので、こりゃあ行くしかないと、航空券の値段も見ずに熊本のチケットをとった。


・成田→阿蘇くまもと空港

いつも遠征に行く時は、交通費をどれだけ浮かせられるかが勝負だと思っている。とにかく新幹線にさえ乗らなければ節約になっていると思い、徹底的に新幹線を避け、時には夜行バス、時には鈍行を使ってどんなに時間がかかっても移動をした。その結果、1時間半で着く名古屋まで6.5時間かけたこともある。夜行バスは好きだが、鈍行名古屋6.5時間はもう二度とやりたくない。

しかし、今回は熊本。地道に陸路で向かうことも不可能ではないが、さすがに無理がある。やっと私も最短ルートで移動できる…!と喜んだが、羽田→熊本が思った以上に高い。
国内線→羽田、国際線→成田という古いイメージのまま、コロナでろくに飛行機にも乗らずにいたので、思ったよりも遠い、、と少し出鼻をくじかれたが、それでも今までの移動に比べれば可愛いものである。

成田最果ての地、ターミナル3。

東京駅から成田までバスで1時間と少し、そこから成田で諸々の検査を行い、1.5時間飛行機に乗り、熊本に到着したのは、家を出発してから8時間後だった。ここから更に市内まで1時間。昼過ぎに家を出発し、ホテルに着くと21時を回っていた。

ここからいい感じの飲み屋を探すなどといった、のんべえバイタリティーは持ち合わせていないので、近くのセブンで夕飯と明日の朝ごはんを買って、その日は終わった。
夕飯も朝もコンビニで済ませて良いと割り切れるところが、旅行と遠征の違いだと思う。これが旅行なら、何かその土地の美味しいものを食べないと損をした気になってしまう。
家族旅行で京都に行ったときは、母と何を食べるかで喧嘩になり、結局父と二人でサイゼリヤに行った。あれが遠征だったら、それで充分だったのである。

・知らない街のイオンモール


次の日、夜は本命のイベント『ウルトラセンスお笑いツアー』があるが、その前にも向かうべき用事がひとつあった。

『スーパー野田ゲーWORLD in イオンモール熊本』だ。

「よしもとお笑い夏休み」という最高の夏休み

次の日は朝早くの飛行機で帰るので、実質1日しか滞在出来ないというのに、朝一でイオンモールに直行することになった。

ツアーの開演時間は17時半なので、それまでに熊本市内観光くらいは出来るなという想定もこれのおかげで打ち砕かれた。この三組のために熊本まで来た以上、これをスルーして観光することは出来ない。だってこれは旅行ではなくて、遠征だから。

あいにくイオンモール直行のシャトルバスなどなく、市バスを乗り継いで目的地へ向かった。慣れない土地で、200m徒歩で違うバス停に、ナビタイムの時間指定した通りに移動する難しさを痛感する。

無事に整理券ゲット

整理券をとるための条件のイオンカードの作成にまごつき、午後の券になってしまったが全然良い。
午前の部が始まるまで、そのままステージ横に場所を陣取りスタートを待つ。
「何が始まるんだ?」という感じでとりあえず待っている、お休みの日にイオン買い物に来た人と、マヂラブANN0のTシャツを着ている人・囲碁将棋の前髪クリップをつけている人が、ごちゃまぜになっている感じがとてもよかった。私も、リュックにマヂラブのよしもとコレカをつけて準備万端である。

・いざ野田ゲー

後ろに立っていた人が、「さっき、マヂカルラブリーの野田っていう人がそこ通ってるの見た」と一緒に待っている人に話しているのが聞こえた。

さっき?そこを??

イオンモールの広場でやっているので導線は丸見えなのに、ここまで来て私はその瞬間を見逃したのだろうか。
もう一回成田からやり直したいと思ったが、後悔もつかの間、イベントは始まった。

朝から超元気な村上さんの挨拶からイベントは始まった。「よしもとでーーす!」という言葉の強さを感じた。向かいのZARAにいる人全員が、村ちゃんの方を向いたと思う。

午前中は囲碁将棋&マヂカルラブリーがネタをして、その後野田ゲーをお客さんとする。午後も大体変わらず、ダイヤモンド&マヂラブのネタの後、再び時間の限り野田ゲーをやり続けるという感じの催しだった。

野田ゲーコーナーは撮影OK!

午前も午後も大変にイベントは盛り上がった。
私はとんでもなくゲームが苦手なので、とてもじゃないが壇上に上がる気にはならなかったが、それでも帰ったらswitchの埃を拭こうと思った。それくらい野田ゲーは楽しいゲームである。
そして、囲碁将棋の盛り上げ方が本当に終始素晴らしかった。クイズに答えた女の子に、胸につけているバッジを渡した文田さん、渡すものが無く、知らない人の名刺をあげた根建さん。野田ゲーイベントがその瞬間だけ、ヒーローショーに変わっていた。

・再び市内へ

最後はしっかり控室に戻る6人を見届け、私も熊本市内に戻った。
イオンモールを少し散策してもよかったのだが、まだ全く街を歩けていないので、すぐにバスで引き返した。

バスを待つおばさんに「それムーミン?」と聞かれた。

一旦公演の場所をわかっておこうと、バスでそのまま熊本城ホールに向かった。

熊本城ホールは、商業施設とバスターミナルと一体になっていて、とても利便性が良い。昨日はわからなかったが、ホテルまでも歩ける距離だし、地方都市特有のアーケードもある。もうここで、観光チックなことは全て済ませることにした。バスを間違えたこともあり、開演まで1時間半もなかったのだ。
ここで夜ご飯とお土産は済ませておきたい。そう思うと、まあまあにタイムアタックだ。

くまモンビレッジという、間違いのないお土産屋さんがあったので、職場も家も友達も全てのお土産をここで購入した。

後日、くまモンの柄がついているだけと言えばだけのクッキーを職場に置くと、今までのお土産史上最も好評だった。さすがはゆるキャラ界の帝王である。

デカくまモン&野田モン

・ウルトラセンスお笑いツアー


開場に入るとその綺麗さと、広さと人の多さに圧倒された。国際フォーラムのイベントの方が当然人数は多かったはずなのに、こちらの方がその驚きは大きかった。
物販にも入場にも結構な人が並んでいて、まだ何も始まっていないのに、席に着いた途端に少し泣きそうになった。

マヂラブはラジオ等で、とんでもない仕事をした後に、「芸人としてのエンドロール」というたとえを使うことがあるが、”客”としてもエンドロールを迎えたと思えることが度々ある。今回もまたそんな”エンドロール案件”だと思うと、さらに涙腺が緩んだ。

音楽のライブは終わりに向けて、うるっとするシーンが増えるが、今回のライブは勝手に開演前に色々な感情が合わさって泣いたのみで、そこから先は笑い疲れるくらい思いっきり笑う最高の時間だった。
ここまで楽しいと、その日の夜、次の日、ひいてはそこからしばらく、抜け殻のようにしか生きられなくなると予感したが、そうだとしても行くと決めていたのだから仕方がない。

翌日、朝5時に起きて、12時に成田に着き、家に帰ると父が40度の熱を出していて、一気に現実に引き戻されたが、それでも熊本まで行ってよかった。

知り合いのお笑いをやっている人にすら、「その3組なら東京で見れない?」と言われたが、この3組の”ツアー”という所に意味があるのだ。
お笑いライブは都内の会場で、「参戦する」というほどに意気込まなくても見られる所が魅力だと思うが、こうしてガチガチに肩を作って見に行くライブもいいなと思う。ぜひまた、イオンモールを目的に遠出に行きたい。

本人たちですら、空港でご当地のアイスを食べたり、タクシーでワンピースの像を回ったりしていたので、もう少し次は観光をするべきだなとは思った。




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