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私らしさのレコンキスタ #3000字に込めた偏愛

「みなさま、よくぞ……!よくぞ……!よくぞ……!金曜日まで辿り着きました!」

軽快なのだが芯のある声が、そのポッドキャストに引き込んだのである。
音楽プロデューサー、作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティなど様々な肩書きを持つジェーン・スーさん。
元TBSアナウンサー、現在フリーアナウンサー堀井美香さんのお二人が織りなし雑談をするポッドキャスト番組。

「OVER THE SUN」

年始にTwitterのタイムラインから流れてきたのをみて、聴いてみたのがきっかけだった。

こちらのEp.67は、2022年最初の回であり、お互いが年末年始をどんなふうに過ごした流れから始まる。スーさんは、年始8時間生でプロレスを観に行っており、物の見方がわかったとのこと。総合格闘技は選手生命が短かくて(40歳くらいまで)、プロレスは長いとのこと(60歳くらいまで)。

それだけではなく、人気の選手の特徴としてカメラのシャッター音の数で人気なんだな。と、カメラを買おうと思ったのだが、肉眼で見なくなってしまい、流れではなく選手だけしか見えなくなってしまうなど。視点について話していた。

ここから美香さんの話。年始はずっと麻雀をしており、スーさんの食い気味でツッコミシーンが印象的だった。
「この四日間で、麻雀何時間やってる……?」と、

麻雀にもプロレスにも罪はないとしっかり全方位配慮がなされていた。ここまで15分程なのだが、どんどん話が展開されていく。

般若心経を心の中で唱えながら、麻雀を楽しむ美香さん。

場面が変わり、SNSやポッドキャストは一度燃えてしまうとお終い。ガードがうまくなり過ぎてしまったと。全方位配慮をすることでエッジがなくなった。という真面目な話になったり。

美香さんもまた般若心経を唱えていこう。空になろう。そして、般若心経を唱え出す。ここまでの流れを聴くと笑ってしまうことなのだけど、お二人は至って真面目に話している。リスナーの自分はもう笑いを堪えるのに必死だった……。

あっち行ったり、こっち行ったり……早いテンポで会話のラリーが続く。

詳しくはポッドキャストを聴いてほしい。

話の流れからラジオ番組を持つことは、自分の中で正しいことを言うというスタンスを崩さないようにしたことで正しい人になってしまったというのも印象的だった。

「私らしさを取り戻す!私らしさのレコンキスタよ!2022年は私らしさのレコンキスタよ……!!」

レコンキスタ?国土回復運動という意味もここで知るのだった。ワードセンスに震えたのと同時に頭の中で離れられなかった。

「私はもっと雑な性格だったのよ……!」
「ちょっとくらいの汚れ物なら残さずに全部食べてやる……」
ミスチルの名もなき詩の冒頭を歌う。
「スーちゃんいいね!もう一度歌って……!」と美香さん。

ここだけ書くと何を言ってるんだろうと思われるかもしれない。ただもうテキストだとわからないと思うので聴いてみてほしい。

ここから相談者のコーナーに入る。様々な年代の相談者の質問をパパパっと答えていく。22歳の大学生の方からの相談が印象に残る。自分の感情に素直になるという相談だった。

「私は気づいたのよ。私ごときが、私なんかが……」というのはやりたいことのときは無意味なんだから、ひとつもいいことないんだから、と相談者の背中を押す姿が印象的だった。

真面目にまた面白く繰り広げられる。

言わなきゃわかんない、私なんかは……というのは自分で言うのは仕事でもプライベートでも確かにと納得。得意不得意は人によってあるのかもしれないけど、少しずつでも自分ごとにしていく姿勢が大切なのではないか。

あっという間の1時間とちょっとのポッドキャストであった。

「どうして、今まで見逃してたんだ……」すぐさま過去の回を振り返るのであった。

ワードセンス、なんか聴きたくなる、会話のテンポ。全てを持ってかれてしまった。なんなら、関西のラジオかなと思うくらいスーさんの話に引き込まれていく。ただ、スーさんは東京生まれ東京育ちである。

面白さのreplay。毎週金曜日が楽しみになったのだ。

番組にてヒヤスンスを育てる企画から生まれた
公式テーマソング「希望のスンス」

しっかり名前もあります。

こちらのEpは冒頭からスーパーOKの社長のお便りからはじまり、スーさん、美香さんが大爆笑する。関西にはないスーパーであるのだけど、知り合いにOKの達人がいるということで、親近感が湧いたのも言うまでない。(東京旅行の際は、スーパーOKに行ってみたい……!)

今年になってジェーン・スーさんの魅力にハマっているのだが、どうも数年前から名前だけはどこか頭の片隅にあった。「どこかで見たことが……」

そんなときである。
Youtubeにてとある歌手のMVを観ていたときだった。

Aimer『Re:pray 』
作詞:Jane Su(ジェーン・スー)、玉井健二 
作曲:矢田亨 編曲:田中隼人

「作詞、ジェーン・スー……!!?」
作詞家であり、音楽プロデューサーの一面でのこと。なんなら、自分の好きなアーティストの楽曲を作詞していたのだ。11年も前に……!そして、今激推しである音楽事務所の所属。

もう溢れる思いが止まらなくなったのである。

調べれば調べるほど、自分の偏愛と偏愛が繋がる瞬間だった。

偏愛の円環。

誰かの為に生きてゆけない 自分を許せる強さを
あなたに寄り添えなかったこと 悔やまずにいられる日々を
祈りは雲を引き裂き この空に希望 解き放つ


ポッドキャストを聴いてから、この楽曲を聴いた。
印象がガラッと変わる。「私らしさのレコンキスタ」は、
スーさんの祈りであり、希望であるということではないかと、そんな気がした。

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こちらは、偏愛BAR店主トキさんの企画です。

どうやら自分の偏愛はだいぶ偏っているな〜と思いながら書いてみました。

いつもありがとうございます!いつでもspaceのシフト空けときますので〜。(業務連絡)



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