はじめの一歩 多くの人に励まされ
ムスメが幼稚園の頃、紅茶デビューのため選んだティーカップ。かなり小ぶりなティーカップで、
「今日のはいつもと違うお茶だね」
「今日は苦いよ」
「今日はいい匂い」
少ない量でも味の違いに気づいている様子。これはなかなか侮れないなと子どもの舌の敏感さに驚きながら、お茶の時間を実験のように楽しんでいた。
そのうちリクエストをするようになるムスメは、私が資格を持っているなんて知らないが、美味しい紅茶を淹れられることは知っている。
ムスメ専属の紅茶屋さんであった私が、今日は多くの人の前で紅茶を淹れる。
準備だけは怠らず、忘れ物のないように。あとはいつも通り。
ムスメが小さなころは、私の大事な場面ではお見送りの際にお守りとして小さなお人形を貸してくれた。流石に大きくなった今は、お守りはなかったが、学校に行く前に「大丈夫だよ」と一言。何とも男前な彼女に感服。
とりあえず、精神安定剤としてムスメのヘアゴムを借りていく。
妙な高揚感と緊張感に包まれ、約束の時間よりもずいぶん早く到着してしまったが、快く受け入れてくださり、感謝。
スタートに向けて道具を並べ始めると、3段スタンドに沸き上がる歓声。
それだけでも喜ばれていると感じ、心が暖かさに包まれた。
紅茶が入ると、「楽しみにしていた」とさらに多くの方が集まって下さり、淹れ方について、ミルクティーに合う紅茶の種類などの質問が上がり、淹れながら説明を行った。
興味深く聞いてくださり、説明の言葉が妙にハマってしまう方もいて、こちらとしても新鮮な驚きを感じた。
得意のロイヤルミルクティーには質問が集中し、おかわりを希望する方が多く、うれしい悲鳴であった。
お店で飲むものだと思っていた
自分で入れてみたのとは全く味が違う
ストレートとミルクでこんなに表情が変わるなんて
包み込まれるようなほっとする味だった・・・
こんなにたくさんの誉め言葉を頂戴した。
普段紅茶を飲まない方にも喜んでもらえた。もう十分だ。
お店をする気はないんですか?この味はたくさんの人に飲んでもらいたい
ありがたき幸せ
正直にこれがはじめの一歩であることを話すと、絶対に続けた方がいいと励まされた。
殻に閉じこもっていては気づかない、私の特技。
これからは自分に見えない自分を、他の人に見つけてもらおう。そして私も人のいいところを臆することなく伝えていこう。
大きな大きなはじめの一歩
今日の出会い、そして開催してくださったYさんに、そして大きな力をくれたムスメに感謝。
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