ネコたち

飼い始めて12年
河原で悪童たちに水に浸けられていた
おまえたち
いわゆる保護猫
出自なんてどうでも良い
共に暮らす家族
だけどオレは知っている
おまえたちの寿命が
あと10年もないことを
他に家族がいない俺にとって
おまえたちの死を考えることが
とてつもなく恐い
その寂寥と孤独を思うと
恐怖に打ちひしがれる
どうすれば
オレはどうすれば良いのだろう
だが 
おまえたちとの別ればかりを考えて
ビクビクしながら人生を生きるのは
いやだ
確実にやって来る別れ
どうしようもない 

オレはあの時
悟ったのではなかったのか?
「魂に死などはない」のだと
それで心が軽くなったはずなのに

「死は一時的な別れ」
「望めばいずれ再会出来る」
「ほんの一時、淋しいだけだ」と

その一時が永遠と思える恐怖
耐えられるのか?

感謝をしよう
感謝をしよう

それが
おまえたちを失う悲しみを紛らわす
唯一の方法かも知れない

ありがとう
ありがとう

僕に平安と安息を与えてくれて
共に生きてくれて

今はそれしか
思いつかない

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