見出し画像

忘れものを拾いに…

入社3年目の後輩とランチに出ました。
彼女が美大で日本画を専攻していたというので、学生時代のことを聞いてみました。
「私が描くのは抽象画なんです。向こうにふわあんと電車が走ってたりとか…」横山大観とか平山郁夫とか、私が知っている日本画とはだいぶ違うのかな。

現代アートに話が及んだところで、こんなのどうですか?と彼女から紹介されたのが、長 新太さんの絵本。彼女の学生時代、仲間の間で流行ったんだそうです。『ゴムあたまぽんたろう』『つきよのキャベツくん』『みみずのオッサン』タイトルからしてちょっと変。子供が読む絵本で「オッサン」ていいの?(笑)
なんだか気になって仕方がなかったので、帰りに本屋で立ち読みしました。

読み終えて…、この発想はなかった!
例えば『つきよのキャベツくん』。キャベツくんが歩いていたら、向こうから美味しそうな匂いをさせた巨大なトンカツさんと出会った。そこにやってきたぶたやまさん。トンカツさんに自分を重ねて一瞬ぞっとするぶたやまさんだけれど、キャベツくんに薦められ、トンカツさんを食べようか(!)と迷い出す。食べるにはソースが欲しいと言ってたら、山の向こうからトンカツソースさんが、お呼びですか?と走ってきた。
なんでしょうこの話のインパクト。
そりゃ相手はトンカツだけれど、目の前の人を食べちゃうのね。そこにおいしく食べるためのトンカツソースさんまで現れて。
その上に「トンカツ食べる時はキャベツと一緒に食べると良いんだよね」と、ここまで仲良くしてきたキャベツくんまで食べようとするとは、なんてシュール。

こんな自由な発想、私は元々持っていなかったのでしょうか、それとも、小さい頃は持っていたけれど忘れてしまったのでしょうか。

コチコチに固まっていた私の脳ミソ、少し反省。
絵本は買わなかったけれど、長 新太さんの『人間物語』という15コマ(?!)漫画集を買って来ました。

これから、不思議ワールドに浸って寝ようと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?