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公衆トイレに女性専用がなくなる?男女共用トイレの是非について賛否を深掘り!

先日、渋谷区が公共トイレの新しい試みをしました。

女性トイレをなくし、男女ともに入れる共用トイレと男性用トイレのみにした、ということで、SNSでは賛否両論の意見が飛び交っています。

その中でも
「女性トイレはなくさないでほしい」
という意見が多数あり、そのあと区は「女性トイレをなくしていく方向ではない」と説明していました。
なぜ、女性トイレをなくそうとしたのか、女性トイレをなくすことでどのようなことが起こる可能性があるのか、今回は、公共の女性トイレをめぐる二つの事件をもとに深堀ってみたいと思います。

■【共用トイレ賛成派】簡単にどのトイレに入れば良いか決めかねる人がいる


渋谷区の公共トイレの取り組みでは、区の担当者は「誰もが快適に利用できるトイレ環境を」との思いで作ったそうです。
ここ最近、LGBTQという単語も一般的に浸透し、当事者たちが抱える問題、特に周囲からの差別や偏見が浮き彫りになってきました。
その中で、トランスジェンダー(身体と自認している性が一致しない方)でトイレに使いづらさを感じている方々が多くいるという問題があります。

上記の記事のように、トランスジェンダーの方々が男性女性どちらのトイレを利用するのかは、第三者からどのように認識されるかに左右されます。
しかし、『第三者の認識』は個々の認識によるものであり、定義づけができないため、「Aでは大丈夫だがBではNG」という事例も少なくありません。
仮にトランスジェンダーが性自認の方のトイレを利用し、それを周りの人から指摘をされる、大事の場合通報をされた場合など、自身がトランスジェンダーであるという証明も難しく、またその出来事自体がご本人を深く傷つけます。

実際に、今年1月、下記の事件がありました。

「わからなければ多目的トイレを使用すればよい」
という意見もありますが、それで解決できるという問題でもありません。また、公共トイレでは多目的トイレがないところもまだまだあります。

そんな中、自身がトイレに入っただけで、犯罪者呼ばわりされる可能性がある人がいることを、わたしたちは知っていなければなりません。
そういった可能性がなくなるために、女性トイレを共用トイレに変えるのも解決の一つではないでしょうか?

■【共用トイレ反対派】ただでさえ犯罪がしやすい日本の公共トイレ


立正大学の小宮信夫教授は、「物理的な構造からすると日本の公共トイレは世界一危ない」と、下記の記事で提唱しています。
犯罪者が犯罪を行いやすい構造になっているということです。

公共にあるとトイレのほとんどは、入り口が同じ導線の中にあり、少し奥まったところでそれぞれのトイレの入り口に分かれるという構造が多いです。これは、グローバルスタンダードからはかけ離れているといわれています。

また、日本の個室トイレは海外と比較しても密室度が高いです。ドアの面積が広く、ドアが閉まっていると、中に人がいるのかが分かりかねます。
そのため、犯罪者にとって、日本のトイレは犯行を起こしやすいのです。

現在の公共トイレでさえ犯罪にまきこまれる可能性がおおくあります。その課題が解決されないまま共用トイレを作ると、今以上に犯罪の可能性が高まるのではないでしょうか?

■事件は身近にある。


昨年4月、下記のニュースが出ました。

JR武蔵小杉駅で、母親を待っていた10歳の少女を、酔った男性が連れ去ろうとし、たまたまそばにいたプロレスラーが異変に気づいて取り押さえたという内容です。
取り押さえたのがプロレスラーということもあり、詳細に事件を伝えている記事もありました。
それらによると、人が少なくなかった場所で起きたということ、周りからは親子喧嘩のように見えたということ、母親がトイレに行った少しの時間に起こったということなど、よくある日常のなかで起きており、身近なところにも事件は潜んでいるというのが窺えます。
たまたま屈強な人が通りがかり、少女が「助けてください」と言うことができたため、大事件にならずにすみましたが、私たちが見ている風景にも事件はあるかもしれません。

それを考えると、公共トイレという、誰もが使える閉じられた空間という場所は、いつどんな事件が起きてもおかしくない場所であり、警戒しすぎるということはありません。

どちらの考えもあってはならない犯罪につながるこの問題、あなたはどのような意見をお持ちでしょうか?

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