見出し画像

配送会社社員が教える配達票『品名』欄の重要性

実は配送会社で10年以上働いてます。
今や通販が買い物の主流になって、宅配便はより身近な存在になってますよね。
そんな、身近だけどよく知らない宅配便や配送について、知っててちょっとだけ得する情報を記します。

宅配便の配達伝票に「品名」という欄があります。
送るときに、なんて書けばいいのかと気にされたこともあるのではないでしょうか?

先日、下記の記事を見つけました。

品名欄に
「サプライズなので書きたくありませんが、どうしてもというのなら、衣類です」
と書いて出したところ、集荷担当の人に
「プレゼントでいいですよ」
と言われたのだそう。

これ、賛否両論あるみたいですが、配送会社社員としての回答は、その集荷担当の人は間違ってます。

配送物には、物によっては運んではいけないものや、航空搭載できないものも多々あります。

なので、品名欄に詳細を書くことによって「この中のものは、配送禁止されているものではないですよ」という申告になります。
(結構大事)

ということで、今回は、品名欄に書かれていたために起きたトラブルを紹介。
(ちなみにこれらに上げるトラブル例は、全て実例をヒントにしたフィクションです。)


■例1 大切にしてと呼びかけたせいで…

某会社から個人宛の宅配便。
品名欄には『大切な書類』と書かれていたそうです。
おそらく、「大切に配送してね」という意味で書かれたかもしれません。
しかし、この『大切な』から信書を疑い、
「中身がわかるまで配送できません」
となったそう。

佐川やヤマトの宅配便で信書を送ることはできません。

信書に該当する文書■書状
■請求書の類
【類例】納品書、領収書、見積書、願書、申込書、申請書、申告書、依頼書、契約書、照会書、回答書、承諾書、◇レセプト(診療報酬明細書等)、◇推薦書、◇注文書、◇年金に関する通知書・申告書、◇確定申告書、◇給与支払報告書
■会議招集通知の類
【類例】 結婚式等の招待状、業務を報告する文書
■許可書の類
【類例】 免許証、認定書、表彰状
※カード形状の資格の認定書などを含みます。
■証明書の類
【類例】印鑑証明書、納税証明書、戸籍謄本、住民票の写し ◇健康保険証、◇登記簿謄本、◇車検証、◇履歴書、◇給与支払明細書、◇産業廃棄物管理票、◇保険証券、◇振込証明書、◇輸出証明書、◇健康診断結果通知書・消防設備点検表・調査報告書・検査成績票・商品の品質証明書その他の点検・調査・検査などの結果を通知する文書
■ダイレクトメール
文書自体に受取人が記載されている文書
商品の購入等利用関係、契約関係等特定の受取人に差し出す趣旨が明らかな文言が記載されている文書

総務省HPより

依頼主である会社に確認し、信書ではないと確認できたので、無事お届け先様までお送りできたそうですが、品名欄さえ『書類』とだけ書いていたら、そこまで言及されることはなかったので、お気をつけくだされ。

■例2 空の旅が急遽海の旅に…

化粧品通販を新しく始められた会社様。
目玉商品であるオイルタイプのメイク落としを大々的に売り出すことになりました。
品名欄には『化粧品(オイル)』と表記。
これのせいで、離島などへのお届けが大幅に遅くなってしまいました。

沖縄、北海道、離島などは、航空搭載で荷物が運ばれます。
しかし、オイル類など、引火性のあるものにかんしては、飛行機に乗せられないため、陸送&船での発送になるのです。
そのため、通常2日ほどで届く宅配も、かなりの日数を要することとなりました。

■例3 夏の思い出を作りたかったのに…

夏の風物詩と言えば、花火!
いくつになっても楽しいですよね。
しかし、花火も 宅配便では送れません。
クラッカーや花火など少量であったとしても引火物は不可です。

宅配は、沢山の人の荷物をトラックで運びます。
引火物に仮に火がついたとすると、他の荷物まで燃える可能性があるので、ダメなんですよね。
よくあるのが、バースデーケーキについている『スパーク』と呼ばれる花火のようなもの。
これが品名欄に書かれているせいで、誕生日当日にケーキが到着しないなんてことも…。

■品名は正確に具体的に!

ということで、送り手が想像する以上に大事な『品名』欄。
正しく書いて、遅延しないように気をつけましょうね。

あなたのサポートが活動の励みになります。 サポートの一部をコロナ関係の寄付にあてさせてもらいます。