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『シャイニング」の脚本が出来るまで②オリジナル脚本は書かない

キューブリックがオリジナル脚本を採用しない理由

 キューブリックは自分自身でオリジナルの脚本を書くことはありませんでした。その代わりに原作になりそうな本や記事を探します。
 オリジナル作品を作らない理由をキューブリックは次のように説明します。

「文学作品を原作とすることにはとても素晴らしい利点がある。それは、そのストーリーを初めて読み知る機会が得られることだ」※1

 さらに説明します。
「私はオリジナルの脚本を自分で書いたことは一度もない。

だから自分で書いたらどうなるかという私の考えを語ることしか出来ないのだが、もし気に入ったアイデアが浮かんでそれを自分でストーリーに発展させたら、そのストーリーを書き上げるまでにそれが面白いかどうかの判断力を失ってしまうと思う。
そしてそのストーリーを映画にしようとする時点では、自分の最初の興味と直感だけを信じるしか無いだろう。

すでに完成しているストーリーを実際に読むことの利点は、読んだ第一印象を後で思い出せることだ。
そのことはその映画を監督すべきかどうかを決断する上でとても役立つ基準になる。
なぜなら、他人が作ったストーリーでさえしばらくすると新鮮味を無くしてしまうので、その映画化作品を初めて観る人がどのような印象を持つか予測するのは不可能なのだ。
だから少なくとも、ストーリーに対する第一印象と最初に閃いた考えはとても重要だ」

ではキューブリックはどうやってそのようなストーリーを探し出すのでしょうか。

※1:https://cinephiliabeyond.org/interview-stanley-kubrick-vicente-molina-foix/ 2024年3月3日閲覧

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