憲法草案〜第8(7)章 財政〜財政民主主義

ここから、章番号がずれていきます。
このため、独自草案の章番号をカッコ無し、他をカッコ内とします。
わかりにくいですが、ご了承下さい。

現行憲法の財政民主主義

第八十三条
国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。

財政民主主義とは、国家が財政活動(支出や課税)を行う際は、国民の代表で構成される国会での議決が必要であるという考え方。
この第八十三条が根拠となっています。
しかしながら、新型コロナウィルス対応とはいえ、2020年度第二次補正予算において歳出総額31兆9114億円のうち10兆円を予備費として計上するというのは、財政民主主義の破壊と言えると思います。

自民党(2012年)草案の財政民主主義など

第八十三条(財政の基本原則)
国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて行使しなければならない。
第八十三条2
財政の健全性は、法律の定めるところにより、確保されなければならない。

1項は、変わりません。
2項が追加されていますが、「財政の健全性は、〜確保されなければならない。」となっていますので、「緊縮財政」を憲法で定めています。
デフレを永遠に容認することにもなると思います。

独自草案の財政民主主義

第九十九条
国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。
第九十九条2
財政は、国家として自立し持続可能な状態を保つこと、及び、個人の時間と労力及び資源、自然、環境が将来へ引き継がれるための施策に資されなければならない。
第九十九条3
財政は、国民の権利及びそのための国の資産に資されなければならない。

1項は、変わりません。
2項は、財政の目的を示しました。
まず「国家として自立し持続可能な状態を保つこと」「個人の時間と労力及び資源、自然、環境が将来へ引き継がれるための施策」の二つを示しました。
現世代が疲弊し、使い切ってはならないと思います。
端的に言えば、「今だけ、自分だけ」を否定しています。
3項は、主権者たる国民の(権利の)ため、それに必要な資産に使うことを求めています。
「国の資産」には、いわゆる公立の「箱物」だけではありません。
「民間(国民)の資産」に繋がる全て(社会保障や行政サービス、インフラ等)を含みます。

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