憲法草案〜第10(9)章 改正〜

現行憲法の改正

第九十六条
この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
第九十六条2
憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

憲法改正の手続きが示されています。
現行憲法は、改正のハードルが高い「硬性憲法」です。
しかしながら、現状の選挙の投票率を考えると「国民投票法」の今後の改正〜運用によっては、投票率を下げようとする動きがあるかもしれません。
そうした場合、有権者の約3割の賛成で改正されてしまいます。

自民党(2012年)草案の改正

第百条
この憲法の改正は、衆議院又は参議院の議員の発議により、両議院のそれぞれの総議員の過半数の賛成で国会が議決し、国民に提案してその承認を得なければならない。この承認には、法律の定めるところにより行われる国民の投票において有効投票の過半数の賛成を必要とする。
第百条2
憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、直ちに憲法改正を公布する。

1項では、現行憲法では「三分の二以上の賛成」となっていますが、「過半数の賛成」へ軟化させています。
2項では、「国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、」を削除し、「天皇は、直ちに憲法改正を公布する。」としています。
これは、第一条「天皇は、日本国の元首であり、」としていることから来ています。

独自草案の改正

第百十三条
この憲法の改正は、各議院の総議員の過半数の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。
この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、全有権者の過半数の賛成を必要とする。
第百十三条2
前項の国民投票に際し、有権者だけでなく全国民に対し、改正内容等は公平に広報、周知されなければならない。
第百十三条3
憲法改正について1項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

1項では、国会の発議の条件を「過半数の賛成」と軟化させました。
しかし国民投票の要件を「全有権者の過半数」としました。
これは、投票率が下がった場合、成立しないことを意味します。
2項では、広報・周知の対象を「有権者だけでなく全国民」としました。
これは主に未成年者に対する周知を意図しています。

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