憲法草案〜第5章 内閣〜内閣総理大臣の職務

現行憲法の内閣総理大臣の職務

第七十二条
内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。

議案」と一括りに書かれていますが、予算案、法案等とされており、現安倍政権はこの中に憲法改正案が含まれると解釈し、憲法改正を進めようとしています。

自民党(2012年)草案の内閣総理大臣の職務

第七十二条(内閣総理大臣の職務)
内閣総理大臣は、行政各部を指揮監督し、その総合調整を行う。
第七十二条2
内閣総理大臣は、内閣を代表して、議案を国会に提出し、並びに一般国務及び外交関係について国会に報告する。
第七十二条3
内閣総理大臣は、最高指揮官として、国防軍を統括する。

総合調整」とは、「中央各省庁など行政機関の諸活動の間に,行政としての統一性・一体性をもたらすこと。」とされており、行政が円滑に運用されるためには必要と思いますが、現安倍政権は人事等への介入を強め、官僚に忖度させるように行きすぎた「総合調整」を行っていると思います。
3項は、第九条二項に「我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。」と記載しているにも関わらず、重ねて「最高指揮官として、国防軍を統括する。」としています。
重要なことだから二回書いたのでしょうか?

独自草案の内閣総理大臣の職務

第七十七条
内閣総理大臣は、内閣を代表して予算案および法律案、条約、大赦や刑の執行の免除等、復権を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、それらについて国会に説明し、並びに行政各部を指揮監督する。

「議案」をより具体的に記載し、「憲法改正案」を除外しました。
「それらに対し国会に説明し」を追記し、国会に対する説明責任を明示しました。
当然のことを書かなければならない現状を嘆かわしく思います。

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