憲法草案〜第8(7)章 財政〜会計検査、財政状況報告
現行憲法の会計検査、財政状況報告
第九十条
国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
第九十条2
会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。
第九十一条
内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。
第九十条及び会計検査院法で、会計検査院は国会や裁判所に属さず、内閣からも独立した組織となっています。
現状は、本当に独立した組織になっているか疑わしいです。
自民党(2012年)草案の会計検査、財政状況報告
第九十条(決算の承認等)
内閣は、国の収入支出の決算について、全て毎年会計検査院の検査を受け、法律の定めるところにより、次の年度にその検査報告とともに両議院に提出し、その承認を受けなければならない。
第九十条2
会計検査院の組織及び権限は、法律で定める。
第九十条3
内閣は、第一項の検査報告の内容を予算案に反映させ、国会に対し、その結果について報告しなければならない。
第九十一条(財政状況の報告)
内閣は、国会に対し、定期に、少なくとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。
3項が追加されていますが、国会に報告するのは「会計検査院」ではないでしょうか?
内閣が、報告内容を都合良く変えることができると推測します。
独自草案の会計検査、財政状況報告
第百六条
国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、検査結果とともに、これを国会に提出しなければならない。
国会への検査報告は、会計検査院が行う。
国会は検査報告に基づき審議し、疑義が生じた場合、内閣は次年度の予算に反映しなければならない。
第百六条2
会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。
ただし、国は会計検査院の人事等に対し、独立を担保しなければならない。
第百六条3
会計検査院の公務員は、本憲法に基づき、国民の福利に尽くさなければならない。
また、業務および人事などに他から圧力を与えられた場合は、公表しなければならない。
第百七条
内閣は、国会及び国民に対し、予算審議前等に、少くとも毎年三回以上、国の財政状況及び予算の進捗状況について報告しなければならない。
国会はこれに基づき審議し、疑義が生じた場合、内閣は予算を修正しなければならない。
第百六条では、「内閣は〜検査結果とともに〜国会に提出」としました。
「検査結果」は、言い換えれば「検査済み証」であり、意味を持ちません。
会計検査院は内閣からも独立しているのですから、「国会への検査報告は、会計検査院が行う。」としました。
検査報告を受けた国会〜内閣は、「国会はこれに基づき審議し、疑義が生じた場合、内閣は次年度の予算に反映しなければならない。」としました。
2項で「国は会計検査院の人事等に対し、独立を担保しなければならない。」とし、三権からも独立した組織であることを明記しました。
3項で会計検査院の公務員の義務を定めました。
第百七条では、財政状況報告を三回以上としました。
年度が終わってからでは、予算執行(支出)も終わっており、無意味に使ったものは戻ってきません。
執行前または執行途中で止めるべきです。
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