認知的不協和音

認知的不協和音です。特に読み仮名は決めていないのでお好きにお呼びつけください。よろしく…

認知的不協和音

認知的不協和音です。特に読み仮名は決めていないのでお好きにお呼びつけください。よろしくどーぞ。

最近の記事

『月に踊るならこんなふうに(If you dance on the moon, it like this)』

 その日は、月が冴えた夜だった。  藍色の夜空に、絵筆でキャンバスを横になぞったような鈍色の雲が、いくつも浮かんでいる。柔らかい絵の具を散らしたように点々としている光は星で、それらはきっと、僕が生まれるよりも遥かに以前から配置を変えていない。ある意味では、規則正しく並んでいる。  雲や星には我関せず、といった顔で、月が仄明るい光を放っていた。目測では満月に見えるが、後に調べてみるとまだ満月ではないらしい。半月と言い張るには、いささか大きすぎるそれは、一体なんと呼ぶべきなのだろ

    • 『風花の落下速度を求めよ(配点10点、制限時間30秒)』

       始まりはいつも突然。そう、何かの歌にもそんな歌詞があったように思います。具体的にどんな歌かは、忘れましたけど。  それは、ようやく新作の歌詞を書き終え、早希さんに提出した後の朝のことでした。徹夜の目に朝日が眩しく突き刺さります。くぁぁ、と欠伸を一つ。……そろそろ寝ましょう。あんまり遅くまで起きているとミサミサに怒られますし。いや、今は朝だから、たった今起きましたよ的な演技をすれば或いは? って、どーせそんなの見透かされますよね。私のママなんだし。だったら開き直って眠って

    『月に踊るならこんなふうに(If you dance on the moon, it like this)』