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【三話】理想と現実。そして『真実』

定期的にゴルフをやっている方であれば、誰もが理想のスイングを追い求め練習していることかと思います。これまでの記事では、正しいスイング・手打ちスイングについて解説してきましたが、今回は手打ちスイングに重点を置き、説明していきます。

正しいスイングは、キャメロン・チャンプであることは、前回解説済みですので、今回は省略します。

※ちなみに何故キャメロン・チャンプなのか?について…キャメロン・チャンプのスイングは、正しいスイングであり、そして正しいスイングの例として非常に分かり易いため、紹介しております。(もちろんPGA選手の中で正しいスイングの持ち主は存在します)

では、皆さんが「綺麗なスイング」「脱力したスイング」「素晴らしいスイング」だと評価する”理想のスイング”は、『本当に理想とすべきスイングなのか』について掘り下げていきます。

皆さんの理想
・綺麗なフォーム
・脱力による力強さ
・圧巻のプレー(飛距離)
・大きいスイング

こんなところが皆さんが「プロはすごい!さすがプロ!」と思う点かと思います。では、実際にプロのスイングが正しいのか?について解説していきます。

と、その前にプロになるために必要なスキルは何か、を一旦定義します。日本国内でゴルフのプロと認定されるには、「スコア」である。これは避けて通れません。

つまり「正しいスイング」であってもスコアが出なければ、プロテストに合格しません。逆を言えば、どんなスイングであっても「スコアさえ良ければプロ」になれます。この前提条件を覚えておきましょう。

おそらく皆さんゴルファーにとって、『スコアが良い=正しいスイングができている』という固定概念があると思います。

その逆もそうです。
『正しいスイングだから良いスコアが出る』

考え方として、間違っているとは言いません。
しかし現実問題として・・・
(こんな考えをしたらいかがでしょうか)

全く同じスイングをする選手をいくつか用意したとしましょう。条件は、全く同じスイングをする選手だとします。
A:身長150センチ
B:身長180センチ
C:体重80キロ
どうですか?スイングが全く同じでも飛距離は異なります。もちろんこれが男女の差でも変わりますし、このABCの選手それぞれのゴルフ歴や運動神経・センスでも変わると思います。

仮にA選手が一番ゴルフ歴が浅く、運動神経も無いとしましょう。誰がプロになれないのか?と定義してみると”A選手”はプロになれません。

では、話を戻します。プロになれないA選手のスイングはダメで、プロになれたB選手のスイングが綺麗!かっこいい!素晴らしい!と皆さんは評価します。

しかし現実は、どうでしょうか。
スイングレベルは3人とも共通です。
もっと考えてみましょう!

かなり極端に考えます。
A:身長140センチ(スイング◎)アマ
B:身長190センチ(スイング○)プロ
C:体重80キロ(スイング△)   プロ
きっと、皆さんはA選手のスイングを真似ようとは思いません。BC選手のスイングに魅了されることでしょう。

結論を言いますが、プロはスコアが全てです。そのため手打ちであろうが、練習し続けます。「手打ち職人は練習が命」です。数ミリ単位のブレを練習によって克服します。

人間の構造上、繊細な筋肉ほど再現性に欠けます。この繊細さを毎日の練習により再現しており、まさに職人です。

何が言いたいのか?

そんな繊細なプレーは、素人に真似できません。

なぜ日本のプロは、ボールを右に置きたがり、体を開かないで、インサイドアウトに振るのか。

手打ちだからです。手打ちゴルファーは・・・ボールを左に置き、体を開いて打つことができません。

ちょっと話が逸れてしまったので、戻します!笑

プロのスイングが正しいのか、見ていきましょう!
まずはゴルフ界のエリカ様「原英莉花選手」です。

アドレス時:インパクト時の比較

まず2枚の写真がズレてしまっては意味が無いので、グリッド機能で固定します。これで左右差が無くなり、縦線を入れられます。※赤点線は気にしないでください。背景位置に差が無いかを確認しているだけです。

前回の記事で発信したように、人間は反作用の動きで成り立っています。右手が力めば、必ず左足が伸びます。逆に左手が力めが右足は前に出ます。

最初にアドレス時のお尻の位置を見てみましょう。
アドレス時のお尻最先端に赤線を引きます。
そのままインパクト時の位置を線で辿ると、明らかに線からお尻が離れます。これは『インパクトの瞬間に右手が力んでいる証拠』となります。※相当力んでます。

インパクト時の力み(お尻)

次に右足に注目しましょう。
アドレス時の右膝(膝小僧)の位置と、インパクト時の位置を比較してください。

インパクト時の力み(右膝)

インパクト時に右膝は大きくボール方向へ飛び出します。

・お尻がボール方向へ
・右膝もボール方向へ

つまり俗に言う『当てに行っている』という現状です。

私は、正しいスイングマニアですから、もっともっと気になります。(変な意味じゃありません笑)

一体、エリカ様の「力みによる起き上がり」はどこから始まっているのだろうか。

アドレス時:バックスイング(トップ比較)

皆さんもうお分かりのことでしょう。
バックスイングの終盤から最終トップにかけて、若干手上げしているのが分かります。※最後は手で上げて微調整しているということです。(もはや意思ではなく反射的に上げていると思います)

追記

お尻が前に行く=前傾が浅くなる

お尻が前に出れば、確実に前傾は起き上がります。そのため日本のプロは、頭を無理矢理残します。人間の構造上、前傾は起き上がっていても頭を残すことは可能となります。しかしいくら頭を残したとしてもお尻が前に出ていれば、事実クラブとボールの関係性を見ても前傾は起き上がってしまいます。

無理矢理”頭”を残す・・・しかし前傾は浅くなる。

話せばキリが無いので、このくらいにしますが、本当は手首やスウェイについてもツッコミを入れたいレベルです。

ゴルフが他のスポーツと比較して、とても厄介なのが・・・ここまで細かく分析をしないと、パッと見では分かりづらい点です。しかしちゃんと分析すれば、簡単に分かってしまいます。

そしてこのスイングは、エリカ様にしかできないということです。(これだけ手打ちで力みながら、素晴らしいショットを打つ訳ですから)

・才能
・センス
・努力
・幼少期からの感覚

これにつきます。皆さんが真似できない理由もなんとなく分かったのでは無いでしょうか。

残念なことに、このような事を教えてくれる機会が日本に少ないという事です。最新!最新技術!最新スイング!と言いつつ、何故か正しいスイングについて触れないのが日本の悪いところです。

地面反力・・・???
そんな言葉は無いんですよ。反力ではなく、力みにより伸び上がってるだけです。でも日本のプロは伸び上がっている選手が多いので、何故か「その伸び上がりが良い」となってしまいます。

ちなみに私は、原英莉花選手が下手だ!とは言ってませんし、嫌いでもありません。否定もしていません。そこは皆さんお約束した通り勘違いしないでください。

以上、本日はゴルフにおける理想と現実。そして『真実』をお伝え致しました!

是非、次回もお楽しみに!福造GOLFでした⛳️

※追記(キャメロン・チャンプのアドレス→インパクトをUPしました)

キャメロン・チャンプ スイング


この画像では、インパクト時に若干線から出てますが、ほとんどボール方向へ出ません。スイングトップでは、むしろお尻が左へ突き出ているので、手上げを一切してない証拠とも言えます。

また、右膝をご覧頂きたいのですが、太ももは少し出ているものの、膝小僧は全く出ておりません。今後同様の画像をUPしていきますが、日本人ゴルファーでこのレベルに到達できている選手は、一人もいないのが現実です。

以上、また次回もお会いしましょう!

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