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エンブレムへの想い

エンブレムへの想い - ユアムーン株式会社 代表取締役 田中タカフミ
皆さま、初めまして。
福山シティクラブのユアムーン株式会社 代表取締役 田中タカフミです。
2019年11月18日に新体制となる福山シティクラブより、福山シティフットボールクラブの今後のビジョンについて記者発表が行われました。
そこで、弊社から私が代表して、クリエイティブに関する点をお話させていただきました。
ちなみに、記者発表会での全文はこちらでみれますので、是非見通し頂ければと思います。

https://note.mu/fukuyamacityfc/n/n64199aa63d0d


今回はエンブレムについて、クリエイティブサイドの想いやデザインの手法などをお伝え出来ればと思います。
デザインを勉強している人や興味のある人、そうでない人にとっても興味を持っていただけるのではないかなぁ。と思います。
長文にはなりますが、何卒よろしくお願いいたします。


エンブレムについて

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まず前提として、本エンブレムは福山シティグループ統一エンブレムとすることが前提条件にありました。
ですので、福山シティクラブが運営する全ての競技で使用することを想定したエンブレムデザインが必要でした。(簡単に言うと、サッカーボールやバレーボール、野球のバットなどがグラフィック要素として入っていると汎用性がないのでダメという事です。)

これを踏まえ、福山の皆様が自信を持って誇らしくなれるエンブレムとは何だろう?と考えるようになりました。


まずはじめに行ったのは現地・福山の方々へのリスニングです。
このリスニングを重ねて見えてきたこと、感じたことは、


「福山の皆さまは自分の街の薔薇に絶対的な誇りをお持ちである。」


でした。

福山市といえば「1985年(昭和60年)4月、ばらを市の花に制定(参考: ばらのまち福山の歴史)」されるほど、薔薇は福山市民にとって馴染み深いものとなっています。
また、「福山ばら祭」という動員人数約85万人(2016年)規模の大きな祭りがあるように薔薇が街の象徴として扱われています。
ここで、本案件のコンセプトが決定しました。


「市民の皆さまが愛し、馴染み深い薔薇を用いて、誇れるエンブレムを作る!」

どんな案件でもコンセプトが決まれば、あとはそれに向かって突き進むだけです。
(コンセプトの決定は本当に大事なので、絶対にコンセプトをあやふやにしたまま案件を走らせないこと⚡︎)


そして、薔薇について調べていくうちに花の色によって持つ意味が大きく異なることに気づきました。(その他、多くの花もそうです。)

多くの人が目にするエンブレムは、試合で選手がユニフォームを着ているときではないでしょうか?
しかし、エンブレムというのは試合に着るユニフォームに付いているだけではなく、その他多くの場面で使用されます。
例えば、クラブ事務の方がスポンサーへ送る封筒や名刺、記者会見の場、交渉の場など、多くの場面でエンブレムが使用されることが想定されます。
そんな時に、せっかく花言葉のあるバラをコンセプトのメインに置いたのであれば、その花言葉とシーンを合致させるべきだと感じました。
(最悪の場合、花言葉の意味と全然違うシーンで本エンブレムを使い、相手に嫌な想いをさせる可能性だってなくはないですしね。)

そして出来たのが、薔薇の色(花言葉)によってシーンを変える5色展開案です。

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このようなプロセスを踏み、薔薇をモチーフとしたアイデアを複数案提案させていただきました。


加えて、本エンブレムのもう一つ福山市の象徴として扱われているのが、福山市の市章にも使われている蝙蝠(コウモリ)です。
これに関しても、福山市の市章に使われているほどに福山市民にとっては蝙蝠(コウモリ)は、身近な存在であり、この馴染み深くアイコニックな存在を無視するわけにはいきませんでした。

そして、この薔薇と蝙蝠(コウモリ)をうまく組み合わせ、出来たのが今回のエンブレムになります。

ちなみになんですが、イラレに出す前のラフ案はどんなものか気になる方も多いと思いますので、あまり日の目を見ることはないラフ画を思い切って公開致します。

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いかがでしょうか?
驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
アイデアを出すときは、こういったレベル感からデザインにおこしてみて、足したり、引いたりしながら、少しずつブラッシュアップしていきます。

例えば、背景の一つ前のレイヤーに点線のようなグラフィックを敷き詰めることで、福山の持つ伝統をレトロ感を持って表現しています。
ラフ案では含めていなかった要素ですが、この点線がかなりエンブレムの雰囲気を締めてくれます。
あるとないじゃ大きな違いでした。


ちなみに、いま皆さまが見られているエンブレム以外にも多くの案がありました。
クリエイティブとはボツ案をどれだけ出せるかで、最終案の良し悪しが決まると言っても過言ではないと思っています。(そこのデザイナーさん、ラクしてないかい?笑)

また、これでいく!と決まってからも、何度も何度もブラッシュアップを行いました!(正直、なかなかに大変でした!笑 ですが、達成感もmaxでした^^)

本当に充実感と達成感のあるデザインに携われた事に感謝申し上げます。


最後になりましたが、今後何年間も、何十年も、クラブ・サポーター・市民の皆さまに愛されることを願っています。


ユアムーン株式会社
代表取締役 田中タカフミ

Twitter @MeWh0 

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