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福山シティフットボールクラブ新ビジョン発表会全文

 去る11月18日、福山SCCあらため「福山シティフットボールクラブ」の新ビジョン発表会が行われた。
 福山駅前のホテルや記者クラブなどではなく、鞆町のホテル「鴎風亭」を会見場に選んだ意図―――福山で最も歴史のある土地、古くは万葉の時代から歌われた鞆の浦にて、福山の未来ビジョンが語られることとなった。

 要旨はすでに地元メディア等によって報道されているが、これから成そうとすることについて広く理解を求めるため、ここに(ほぼ)全文を公開する。

【11月18日 13:00 会見開始】

司会
 本日はお忙しいなか、一般社団法人福山スポーツコミュニティクラブ(以下、福山SCC)の未来ビジョン発表会にお越しいただき誠にありがとうございます。
 我々福山SCCは、福山青年会議所がスポーツを通じたまちづくり運動として立ち上げた「福山にプロサッカークラブをつくろう会」が2016年に法人化した組織です。ご存じのとおり、我々はプロサッカークラブをつくること、Jリーグに参入することがゴールではなく、スポーツを通じて福山を活性化させることを目的にこれまで活動を続けてまいりました。そしてこの度「福山の次なる100年へ‐地域課題解決型クラブの挑戦‐」と題しまして、クラブの未来ビジョンを説明させていただきます。それでは初めに、福山SCC代表理事の小林よりごあいさつ申し上げます。

小林代表理事(以下、小林)
 本日は御多用のなか、遠方から、また多くの皆様にお越しいただきましたことを感謝いたします。
 今日に至るまでに大変長く、様々な道のりがありました。ゼロからのスタートで「スポーツを通じて福山を盛り上げていきたい」という理念のもと活動してまいりました。サッカーを核に今日まで至っていますが、福山に新しい産業を作り上げたいと常々思っていました。福山の市民に対して経済効果を上げるだけでなく、コミュニティや文化をもっともっと盛り上げるために立ち上げた団体でございます。
 冒頭では過去から現在について触れますが、本日は未来のお話をさせていただきます。我がクラブは未来に向けて、新しいビジョンを掲げて活動してまいります。誰もそんなことを考えてなかったかもしれませんし、我々も初めて経験していくことばかりです。本日は限られた時間ではありますが、我々のビジョンをしっかり捉えてお帰りいただければと思います。
 未来について語る前に少しお話をさせていただきます。なぜ本日のリリースを鞆の浦で行うのか、なぜ駅前のホテルや記者クラブで行わないのか?という疑問があるかと思います。その理由は、鞆の浦が万葉の時代から続く福山のブランドだからです。

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最終打ち合わせを行う小林代表理事(左)と岡本副理事(右)

 我々はスポーツを通じて福山のブランドを向上させる。これが地域の課題を解決するための一番の発想だと思っています。どうか今日は最後までじっくりお聞きいただいて、皆様のご理解とご支援を賜りたいと思います。

司会
 続きまして、福山SCC副理事長、サッカートップチーム代表の岡本より当クラブの未来ビジョンについてご説明いたします。

岡本副理事長(以下、岡本)
 福山SCC副理事長兼ゼネラルマネージャーの岡本です。
本日お話させていただくビジョンにつきましては、ただサッカーでJリーグを目指していくという安易な考えではなく、もっと先を目指した、スポーツを通じた福山の向こう100年に向けての挑戦を具体的にお話しできればと思います。
 先ほどから説明がありますように、我々はスポーツを通じたまちづくり、地域に根差した活動から取り組んでまいりました。

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 ばら祭への参加や、ゴミ拾いをスポーツに変えていこうという新しい取り組み「スポGOMI」、こういった取り組みを地域に根差しながら、少しづつ少しづつ育んでまいりました。

 未来ビジョンの前に、福山の現状確認から入りたいと思います。

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 福山市は広島県の東部、広島市から約100km離れた場所に位置しています。しかしながら人口は47万人を誇る中核都市となっており、福山城やこの鞆の浦といった歴史的文化資源もあり、広島でも岡山でもない独自の気質を持つ地域とされています。また窓から見えます仙酔島もパワースポットとして人気があり、浦島太郎の浜としても有名な場所です。

 それでは皆様に質問ですが、福山と言えば何が思い浮かぶでしょうか?
文化、スポーツ、観光、食…。「これだ!」と思い浮かぶ何かが果たしてありますでしょうか。

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 よくこんなことを言われます。
 福山の方々に先ほどの質問をすると、「逆に、福山って何があると思う?」「なにかもの足りない」と返ってきます。だからこそ本日は、我々の新しいチャレンジを皆様にお伝えしたいと思っています。

 現在の日本では少子高齢化による人口減少、それに付随する様々な問題がを抱えていますが、これはそのまま福山の課題であり、さらに独自の問題も抱えています。

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 人口ひとつをとっても、現在は47万都市ですが緩やかに減少しており、2040年には40万人、2060年には31万人まで減少すると予想されています。それに伴って消費が周辺大都市に流れ、進学時や就職時に若年層が流出する。また人手不足による廃業・倒産の危機は現在も生じています。そして地域への誇りや一体感の欠如。さらには福山という地名の全国的な知名度不足。こういった様々な課題が福山でも問題になっております。
 だからこそ我々は、世界に誇れる福山の絶対的価値の創成に挑んでいくため「福山の次なる100年へ‐地域課題解決型クラブの挑戦‐」という銘打って今回の発表会を行うこととしました。

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 では我々は何をするのか。スポーツを通じて地域の課題を解決し、100年先の福山を創成する「地域課題解決型総合クラブ」へと生まれ変わるご報告をこの場でさせていただければと思います。

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 それでは「地域課題解決型総合クラブ」とは何なのか?ということですが、これまで全国的に推奨されていた形は「総合型地域スポーツクラブ」というもので、①多種目②多世代③多志向④自主自立、この4つがキーワードとなっていました。我々はこれにプラスして⑤人材育成⑥文化活動⑦地域課題を解決していくという3つのエッセンスを追加して「地域課題解決型総合クラブ」という新しい名称としました。多種目・多世代の方々にスポーツを提供するとともに、人材育成と文化活動にも取り組み、地域の課題を解決する市民参加型クラブを目指します。

 そのまず一歩目として、我々は現在「(一社)福山SCC」と言う法人名で活動していますが、今日この場を以って「(一社)福山シティクラブ」と名称を変更することをご報告いたします。

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 我々が展開するのはただのスポーツを通じたまちづくりではなくて、福山の未来に向けた健康的でスタイリッシュなライフスタイルを提案していきます。福山の街全体をスポーティでカッコよく、おしゃれにリブランディングしていくため「Yourmoon(ユアムーン株式会社)」というクリエイティブパートナーと契約を結び取り組みを進めていきます。本日は田中社長にお越しいただいていますので一言いただきたいと思います。

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田中代表取締役(以下、田中)
 ユアムーン株式会社代表取締役の田中隆史と申します。
 私自身10年以上デザインに関わってきたなかで、実はあるJクラブからも一緒に手も組もうとのお話をいただいていました。ただ福山シティの理事である樋口さんからクラブの想いについてお聞きしまして、その想いに心打たれて福山シティクラブさんと契約を結び、ブランディングに協力していくこととなりました。福山シティクラブの「見え方の最大化」に尽力して行きたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。

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岡本
 田中社長ありがとうございます。
 では我々は、クリエイティブパートナーというものを置いて一体何をやっていくのか。

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 すでに会場のいたるところに新しいエンブレムを掲示していますが、こちらの蝙蝠と薔薇の「福山シティブランド」そして右側の「ライフスタイルブランド」、この2つのブランドを新しく立ち上げました。

 左側はもちろん、福山シティグループ統一のエンブレムになります。今現在はトップランナーとしてサッカーが駆け抜けているという自負がありますが、他にもチアダンススクールがあったり、様々なスポーツも今後展開していく予定となっており、それらを統一するエンブレムになります。競技ごとにエンブレムが変わるわけではなくて、福山シティグループはこちらのエンブレムで統一する。福山から世界へ羽ばたいていく姿を華麗にデザインした姿となっています。
 そして右側ですが、サッカーに、スポーツに興味がない福山市民にどうやって興味を持ってもらうかという視点でライフスタイルブランドを立ち上げました。福山からJリーグを目指す我々福山シティFCが手掛ける良質で健康的なライフブランドとして、サッカーに興味がない、ユニフォームを着ない人でも日常で着られるようなデザインを追求していくブランドとなっています。

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 左側のエンブレムも1つではなくて、赤・青・黄色・紫・白と5色で展開します。花には必ずと言っていいほど花言葉が存在しますが、薔薇はさらに本数によっても様々な意味を持ってきます。シーンによって使い分けるべく5色を用意しました。

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 そして福山シティフットボールクラブ、略して「F.C.F.C.」という健康的なライフスタイルを提案するブランドを立ち上げました。現在福山城がある場所は昔は蝙蝠山と呼ばれており、蝙蝠の「蝠」の字が幸福の「福」に通ずることから「福山」と名付けられた歴史があります。蝙蝠と福山シティの頭文字をとってFCを表現した汎用性の高いブランドロゴとなっています。

 ではどういうシーンで使っていくかというと、こんなイメージです。

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 サッカーのユニフォームは、サッカーが好きな人が着るものでしょう?とハードルが高い。だったらこんなTシャツはいかがでしょうか。
 福山市民または県外の方にも、日常から普通にカッコよくおしゃれに着ていただけるような良質なTシャツであったり、スポーツウェアを試作中でして、すでにサンプルが上がってきている状態です。また後ほど紹介しますが、会場の後方にも展示していますキャップなど様々なライフスタイルグッズを準備中です。

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 一例として、今治タオルの認可が下りましたのでハンドタオルを製造完了しています。こういったものを一般向けに、サッカーに興味があるファン・サポーターだけではなく、より多くの方々に知っていただき、実はこれらのブランドを運営しているのがサッカークラブもやっている福山シティグループだったと、そういう認識になっていけばと。まったく新しいアプローチでファン・サポーターを興奮、熱狂させていきたいと思っています。

 私たち福山シティクラブがイメージするのはこんな未来です。

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 福山の街がスポーツを通じて、活気あふれる未来を表現していきたいと思っています。それはもちろんサッカーだけではなくて、バスケットボール、バレーボール、卓球、トライアスロンなど様々なスポーツをこの福山の街に表現していけるようなアプローチをしていきたいと思っています。その具体的方法論がこちらです。

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 我々は地域課題解決型の総合クラブとして名称も新たに生まれ変わります。そしてユアムーンさんにご協力いただき、先ほどご紹介したエンブレムで横串を刺して、すべてのブランディングの統一をしていきます。スライドの赤色部分、福山シティフットボールクラブ、チアダンススクールは既に運営しているクラブとなります。そして青色、カラダづくり教室、ランニングクラブ、フットサルクラブ。この3つが来年の4月から新しく立ち上げていこうと準備をしているクラブになります。

 それ以外にもトライアスロンやサイクリング、囲碁将棋、eスポーツなど、多種多様なスポーツに携わるようなクラブを準備し、福山の皆様がスポーツをするだけではなくて、スポーツの三原則「する・観る・支える」活動へ参加していただけるようにする。左の3つはトップスポーツとなっていきます。もちろんサッカーはJリーグを目指しますし、Bリーグ、Vリーグも目指していくかもしれません。トップスポーツは「する」だけでなく「支える」ボランティアの方々も大切になってきます。
 こういった様々なスポーツを通じて、福山の街全体をおしゃれでスポーティーにカッコよくしていきたいと思っています。そしてそれらのパートナーであり、サポートをしていただける福山市、各種関係団体、政財界の皆様とも密なコミュニケーションを取りながら、共にパートナーとしてこの福山を盛り上げていきたいと思っています。

 こういった組織図にするもうひとつのメリットとして何があるかというと、これまでよく見られたメジャースポーツとマイナースポーツの格差をなくすことにも繋がると我々は考えています。

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 お金の流れを非常にわかりやすく透明化していきます。スポンサー様からの広告料やメディア様からの放映権料、自社事業や個人会員からの収益もまず一旦は福山シティクラブに集めることによって、メジャースポーツからマイナースポーツまで万遍なく分配し、様々なスポーツの発展に寄与できると考えました。

 そして福山から世界へ、世界の福山へと、世界の道につながるトップランナーがサッカーのトップチームになります。今年はサッカーのトップチームがスタートして3シーズン目になります。今年に入って私がGMに就任させていただきましたが、福山出身のJリーグ経験者が現在は2名在籍しています。福山でサッカーをスタートして県外でJリーガーになり、また福山に帰ってくるという選手もいれば、海外のスペインでプレーしていた選手もいます。Jリーグ経験者は全部で4名、プロサッカー経験者が5名という陣容で今季は活動してきました。天皇杯という日本一を決定する大会にて、我々は広島県大会の決勝戦まで進み、残念ながら敗れてしまいましたが準優勝という成績を収めました。

 まだもちろん彼らはプロのサッカー選手ではありません。しかし本気でこの福山の地で、Jリーグ参入を目指してサッカーをするために来た男たちです。今季果たせなかった天皇杯広島大会優勝という夢を、来季は必ず果たしに行きます。

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 そしていつまでも続けたいのが恒例のウイニングハイタッチ。とにかくファン・サポーター、福山市民の方々と近い距離で、AKBではないですが会いに行けるサッカー選手という身近な存在として我々は活動していきたいと思っています。

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 スポーツを取り巻く産業やビジネスの規模は来シーズン、2020年には10兆円、2025年には15兆円を超えると予想されています。Jリーグだけでも年間の波及効果は1,000億円、これほどの経済効果があるのがスポーツであり、サッカーであると私は考えます。

 では一体、福山の地にJリーグクラブが出来るとどうなるのか。それは3つのメリットがあると思っています。

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 まず一つ目は、まだまだ全国的にこの福山という地名を知らない方が多いということ。我々のクラブ名は「福山シティFC」ですから、Jリーグに参入すれば福山という地名が日本全国に発信されていきます。福山のブランド力向上と地域帰属意識の向上と、地元への愛着が約5%は違うというデータも出ています。認知度をアップしつつ、地元企業とコラボレーションすることによって売り上げの拡大など、相乗効果効果も狙っていきます。

 そして二つ目が波及効果。消費または雇用の創出ということで、J1に昇格した場合の経済波及効果の試算データがあります。浦和レッズなら127億円、新潟・山形でも約30億円。この福山でも、我々が昇格するだけで30~50億円の波及効果が生まれるかもしれません。そしてこの福山の地にJリーグクラブが誕生するということは、アウェイのサポーターがたくさんこの福山の街に訪れるわけです。幸いにもこの福山には「のぞみ」が停まります。ホームゲーム開催時にはたくさんの人々が車や新幹線を使って福山の地に降り立つでしょう。アウェイサポーターの経済波及効果について、我々は10~15億円と試算しています。そしてまた、我々はサッカーだけではなくて総合型のスポーツクラブに進化していくわけですから、自社だけでも新たな創出を見込めますし、経済が上昇することに周辺産業も活性化していくと考えています。

 そしてスポーツ文化の発展としてサッカー競技人口の着実な下支え。のちほどアカデミーについてもご説明いたしますが、福山は47万人もの人口がありながら、プロスポーツチームがゼロの街です。まだまだスポーツ文化は根付いていません。だからこそ我々は、子供たちに夢を与える存在、身近なヒーロー的存在、シンボルとなるべく活動に取り組んでいきます。

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 2015年に「プロサッカークラブをつくろう会」という任意団体からスタートし、翌年には福山SCCとして法人化、そして2017年に満を持してサッカートップチームを始動しました。本当に一番下の下、東部リーグからスタートしました。着実に勝ち進み、昨年度広島県リーグに昇格を果たし、2019年新たなリスタートを切って、本格的にJリーグ参入を目指して今現在活動しております。
 幸いにも、今季の成績は天皇杯広島県大会で準優勝、広島県社会人リーグ2部で全勝優勝を果たすことが出来ました。11試合で107得点という新たな歴史を作って、来シーズンは広島県1部リーグに挑戦します。

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 そして2020年からの我々の、福山シティフットボールクラブの10年構想を発表させていただきます。

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 2020シーズンからの10年後、2030年にはJ1優勝を目指すクラブへと成長すべく挑戦しますが、そのためには様々なハードルが待ち構えています。
 もちろん来年は天皇杯本戦に出場して1回戦を突破し、Jリーグチームを倒しに行きたいと思っています。そしてスタジアム候補地、Jリーグに参入するためには必ずスタジアムが必要になります。だからこそこの福山の地にサッカースタジアムを作らなければなりません。そうなると、2020年にはスタジアム候補地を決定し、翌2021年には中国社会人リーグに昇格。そして専用練習場の完成。これを目途に我々は活動していきます。そして2022年にはジャパン・フットボール・リーグ、JFLに臨む。今年はお隣の今治FCがJFLからJ3への昇格を決めましたが、我々も2022年にはJ3に。ただ単にJリーグに昇格するだけではなく、完全優勝したいと思っています。4位以内に入ればいいという生ぬるい考えではなく、JFLを優勝してJリーグ参入を果たしたいなと。そしてJFLに昇格したタイミングですぐに、サッカートップチームの株式会社化とJリーグ百年構想への申請を行い、承認をいただけるよう今から取り組みをしていきます。
 そして2023年にはこの街に、福山シティフットボールクラブというJリーグクラブが誕生して、専用スタジアムを完成させるという未来図を描きながら、2030年にはJ1で優勝できるクラブへと成長していきますので、よろしくお願いいたします。

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 よく言われる、JFLからJ3への昇格条件ですが、様々な事項があります。Jリーグ百年構想クラブへの承認をいただかなければなりません。どんな問題があるかというと、ホームタウンを選定していること、株式会社として1年以上の運営実績があること、(中略)また2種か3種、つまり高校年代か中学年代のアカデミーも必要です。(中略)J3の参入条件としては5,000人収容の規定を満たしたスタジアムが必要になります。もちろん天然芝です。これらをクリアしていかなければ2030年のJ1優勝という夢はもちろん成し得ませんので、こういったところに対して必死にアプローチをしていきつつ、もちろん地域に根差した活動も引き続き行っていきます。

 そのなかで、我々はトップチームの活動だけでなく、世界一の育成型クラブへ挑戦していきます。アカデミーというと「優秀な子供たちをたくさん育てる」となりますが、ただそれだけではありません。我々は4本の柱をもって走っていきます。

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 まず一つ目はもちろん選手。世界に通じるような選手を必ず輩出していきます。そして優秀な選手を輩出するには優秀な指導者が必要です。この福山の地で優秀な指導者となるため学べる環境も用意を進めており、福山シティFCの指導者カリキュラムはほぼ完成しています。来年3月にスタートして0期生の募集をしていきます。そして三つ目はトレーナー養成です。トレーナー養成プログラムも既に完成しています。そして四つ目、サッカーで飯を食うのは選手だけではありません。私のようなマネージャー、フロントスタッフなど、様々な人の支えでサッカークラブは成り立っています。だからこそ「福山シティカレッジ」というものを立ち上げて、学生や若い方々に向けたフロント、GM、社長業、こういったものを学べる環境を準備しようと思っています。
 今あるJリーグクラブで出来ることと、我々のようなベンチャーフットボールクラブにしかできないアプローチも取り組んでいきますので、引き続き注目をしていただければと思います。

 そのなかで選手に対してですが、今の福山における課題が3種、ジュニアユースと呼ばれる中学校年代です。福山には小学校年代のチームは非常に多いですが、中学校年代になるとクラブチームと呼ばれるものが2チームしかありません。その2チームもセレクションです。もちろん多くの子供たちが受かるはずがありません。だからこそ、その受け皿を作るべく我々は「福山シティFC U-15」を4拠点に作ろうと思っています。

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 サッカーを楽しめる、学べる、成長できる環境を福山4拠点で作ろうと思っています。もちろん、トップチームのメソッドとしっかりと連携しながら、子供たちを育てられるようなカリキュラムになっています。

 そしてユニフォーム。我々はもちろんJリーグを目指しているわけですが、現在のカテゴリーは県リーグの2部です。そんな来シーズン県1部に挑戦するようなクラブに対して、なんとユニフォームサプライヤーについていただきました。本日は株式会社アクラムの勝谷社長にお越しいただいていますのでご挨拶をいただきます。

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勝谷代表取締役社長(以下、勝谷)
 ご紹介にあずかりました、奈良からやってきました株式会社アクラムの勝谷と申します。当社はスポーツのユニフォーム、Squadra(スクアドラ)というブランドをやっておりますけど、これはイタリア語で「チーム」を意味しまして、チームウェアを専門に製造しているメーカーになります。会社自体は創業80年という古い会社なのですが、10年前からこういったスポーツブランドを手掛けています。
 今年の夏でしたか、岡本GMが奈良までわざわざ来ていただきましてご説明をいただきました。提携をするに至った大きな理由としては、サッカーを手法としながらまったくサッカーにとらわれていない人だな、と思ったのがひとつ。もうひとつが、福山出身ではないということもあってか福山にもとらわれていない。福山に十分愛着は出来ているかと思いますが、福山の問題は日本の問題だと捉えられていて、福山が変われば日本も変わるんじゃないか、この閉塞感が変わるんじゃないかということを私たちに滔々と熱弁をふるっていただきました。我々も小さなメーカーですので大手のようなことは出来ませんが、小さなクラブと小さなメーカーとで何か共同のことが出来るのではないかと感じましたので、その場でお返事をしたと思います。
 我々は奈良県の会社ですので、主に地元チームにユニフォームを提供しております。サッカーJFLの奈良クラブ、バスケットボールB2リーグのバンビシャス奈良、バレーボールV1リーグの大分三好ヴァイセアドラーのサプライヤーをさせていただいております。またアンダーカテゴリーとしては地元のディアブロッサ高田というチームもサプライヤーしております。
 今までのような「モノをあげるから広告して」という関係ではない、新しい形を福山シティクラブと何かできればという想いで今回提携させていただきました。

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岡本
 ありがとうございます。
 それでは来シーズンから我々が着用しますユニフォームを準備しておりますのでお披露目させていただきます。

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 フィールド選手のホームカラーは白に設定させていただきました。この白にももちろん意味がありまして、我々のモットーである「先義後利(せんぎこうり)」、義を先にして利益を後にするという想いを華麗に表現したものがこちらとなります。
 そして黄色、これは福山のカラーを表現したフィールド選手のアウェイユニフォームが黄色となります。
 そして今までの歴史を紡いでいくという意味も込めまして、ゴールキーパーのホームはローズレッド。最後にゴールキーパーのアウェイは瀬戸内海のブルーをスタイリッシュに表現したものとなっております。
 こちらのユニフォームデザインもユアムーン様にご協力いただき、カッコよく作成していただきました。またメインスポンサー以下のユニフォームパートナーにつきましては、2月のキックオフカンファレンスの際にあらためて発表いたします。それでは田中社長、ユニフォームのこだわりをご説明いただければ。

田中
 岡本さんからお話があったように、それぞれコンセプトをしっかりつけてデザインしています。こだわりで言うとそれぞれにラインが入ってますが、太さや角度の違い、チェックやストライプなど全方位に向けたラインが入っているというのを表現しています。また特にゴールキーパーの2つは街中でも着れる、女性でも着やすいという点も意識して、サッカーだけのためではないユニフォームとしてデザインしています。世界のビッグクラブでも色合いを意識することによって女性ファンが急増したという例がありますので、そういう部分も意識しました。
 白ユニフォームの背中の線も黄色と黒、福山を背負うって戦うという意味も込めています。番号フォントについてもオリジナルで作成していまして、カッコいいと、誇りに思ってもらえるよう出来たかなと思っています。最後にスポンサーが入るとさらに良くなると思いますので、2月を楽しみにしてください。

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岡本
 ありがとうございます。
 ここからさらにスクアドラ様にサポートしていただきながらブラッシュアップを重ねて、2月にあらためて完成品を披露させていただければと思っていますのでよろしくお願いします。

 そしてトレーニング会場ですが、来シーズンはこちらの3拠点で活動していきます。スケジュールとしては午前中練習となり、火曜日はオフです。それ以外は月・水・木・金と朝の9時から11時まで練習しています。基本的にオープンな練習ですので、見学も可能となっています。そして土曜日に調整をして、日曜日に試合というのが基本的な流れとなります。

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 今季もですが、JFL以上のチームとトレーニングマッチをさせていただきました。この場合は練習も変則的となりますが、月曜日に県外のチームとトレーニングマッチをさせていただく機会も増えるかなと思います。

 そして最後になりますが、今後のスケジュールを発表させていただきます。

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 先日、福山SCCの活動背景をリリースさせていただきました。記者の皆様に事前にお渡しした資料に同様のもの、これまでどんな歴史があったのかを綴らせていただいております。12月8日には、実はすでに来季の監督が決定していますので、東京でトークセッションを兼ねて監督発表を行います。そして2月の後半から天皇杯予選がスタートしますので、1月14日にはチームが始動します。本日はサッカーの内容についてはあまり触れていませんが、2月中にキックオフカンファレンスを行いますので、その場で選手の陣容やメインスポンサーなど、サッカートップチームの発表会を大々的に開催しますので、ぜひこちらにも足をお運びいただければと思います。
 そして3月下旬には天皇杯社会人予選の決勝ですが、過去のレギュレーションからするとこのタイミングでSRC広島さん、今年の県決勝で当たった県決勝レベルの相手と恐らく対戦することになります。そしてそこを勝ち抜けば社会人代表として広島県本戦にすすめます。広島県決勝が4月の下旬となり5月にはリーグ戦が開幕します。今季も全勝優勝を果たしたいと思っていますので、引き続き見守っていただければと思います。

 また、福山サッカー協会の羽原理事長、さらに小林史明代議士よりビデオメッセージをいただいていますのでご披露させていただきます。(映像省略)

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 本当に様々な方々のご支援・ご声援をいただきながら我々は「福山シティクラブ」へと生まれ変わり、地域課題解決に取り組んでいきます。サッカーだけではなく、スポーツを通じて福山の課題を解決し、向こう100年の福山を創成するべく我々は動き始めました。今後とも見守っていただければ思います。これにて我々の発表を終了いたします。ありがとうございました。


【質疑応答】

司会
 それでは質疑応答に移らせていただきます。質問がある方はお願いします。

Q1
 10月22日にセレクションを行っているが、採用された選手や現在確定している人数などは。

岡本
 セレクションの応募が約30名、事前審査を経て17名の選手に参加いただきましたが、正直なところ採用した選手は1名です。非常に厳しく見させていただきまして、今季の立ち上げメンバーで天皇杯本戦出場が出来ませんでした。ということは来季はそれ以上の戦力が無くてはならない。県1部を戦うには申し分ない良い選手たちが参加してくれましたが、我々が目指す所は遥か先なので、そういった厳しい目で見させていただくなかで1名の採用となりました。
 また現在の選手状況ですが、JFLより上のカテゴリはまだリーグ戦が終了していない状況でして、現時点で契約が決まっている選手は10名前後です。11月後半から精力的に戦力を補強し、もちろん目玉となるような選手も獲得したいとは思っています。2月のキックオフカンファレンスで発表させていただければとは思っていますが、25~27名体制で来季は活動していきたいと思っています。

Q2
 12月8日に発表される新監督について、具体名は挙げられないと思うがどういった人物が内定しているのか。

岡本
 Jリーグ参入を目指しているクラブとしては恐らく異例だと思います。7名の監督候補者がいましたが、今のカテゴリも相まって我々にしかできないであろうトライをさせていただきました。まったく新しい斬新な考え方で来季の強化をしていこうと思っていますので、恐らく意外な人選かなと思っていますが、そこに対して絶対的な自信を持っていまして、来季のサッカーを観ていただければわかると思います。

Q3
 スポーツを通じた街づくりについて、福山シティクラブ単独ではなく市民理解が必要となってくると思うが、市民の中にどうやって入っていくのか具体的なアクションの予定などは。またスタジアムについて資金面の宛てはあるのか。

小林
 市民の皆様の理解に関しましては、まずはご理解を求める関係団体の皆様からだと思っています。今後は今日のリリースの結果、皆様のご理解をもって経済界のほうに向かっていこうと思っています。またスクール活動やまちづくり事業など、草の根活動としてすでに地道に地道に活動していっていることはご承知いただきたいと思います。
 資金面については本当に脆弱な問題ですが避けては通れない問題です。福山の皆様のポテンシャルが絶対にあると私は信じておりますので、このブランディングの価値・創造が企業法人、もしくは投資をされる皆様にとって大きなwinになると信じて活動していこうと考えております。こののちは関係団体の皆様を通じて企業法人の皆様をご紹介いただきながら色んな方を巻き込ませていただいて活動していきます。もちろんこの場にいらっしゃる皆様にもご協力をいただきたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。

Q4
 スタジアムについては福山市内で考えているのか。現時点での候補地などは。

小林
 現時点では具体的なコメントは差し控えさせていただきたいが、もちろんホームタウンとして福山を選定するからには、福山のどこかに欲しいというのが我々の願望です。それが福山の街と一致できるような活動をしていく、ということはこの場を借りて宣言させていただきたいと思います。

Q5
 Jクラブでも練習場の確保に苦労している場合があるが、公共の運動場などを優先的に使えるなど取り決めがあるのか。

岡本
 優先的に、ということは確約はいただいておりません。ただ今現在もそうなのですが平日の午前中なので、使う団体がそれほどあるかというと無い状況です。なので現状でパワープレイを使うようなことはせずに、通常の手続きでグラウンドを予約させていただき練習に励めればと思っています。そして我々の活動を認めていただいたのちに、そういったお話もいただければ幸いかと思っています。

Q6
 試合も観てないなかで申し訳ないが、現状のチーム力をどの程度と見ているか。また補強ポイントは。

岡本
 現状から申しますと、様々なチームとトレーニングマッチを行ってきた感触からは中国リーグ(地域リーグ)上位の力は十分にあるのではないかと。またトレーニングマッチとは言え、JFL下位のチームから勝利したこともありました。サッカーは生き物ですから一概には言えませんが、大体その辺りの戦力だったのかなと思います。
 また来季に向けては、やはり天皇杯でJリーグチームに挑んでいくためにそれなりの戦力補強と、個人プレイではないですから、今季の課題でもありました「どういうサッカーをするのか?」というのを明確にしていく。クラブとしての方向性を打ち出して、それを体現できる監督にオファーを出して契約を結ばせていただきました。なのでクラブとしてのアイデンティティを表現できる監督がするサッカーが第一になるのかなと思っています。我々の今季の課題を補ってくれる監督に来季指揮を執ってもらうことが決まっています。

司会
 それでは時間となりましたので、ここで一度会を閉めさせてていただきます。閉会後もクラブスタッフはおりますので、時間の許す限りご質問等に対応させていただきます。本日は誠にありがとうございます。引き続きご支援・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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文・編集:ジェイ(@RMJ_muga)


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