世紀末の車屋さん時代の記憶 Z32
Z32 懐かしいなぁ。
一時期乗ってたんですよ、売り物だったけど。
オークションで仕入れてきたZ32は2シーター、Tバールーフ、ATという不人気仕様に加えて、色も野暮ったく見えるワインレッド。
仕入れてきたのは社長だったなぁ、「コレ、俺しばらく乗るから」
うん、2週間後には俺が乗ってたよね。
乗る気もなかったし、乗りたかったわけでもない。
でもね、飽きちゃったから乗ってろって。
いやぁひどいよ、そりゃね、私のCA4AMirageなんてね、吸気音がでかすぎて社内で会話できないけどさ。
Z32はあんまり好きじゃなかったんだ。
基本的に”車は乗っていれば腐らない”、って社長の考えには賛同してたから売り物によく乗ってた。
でもね、燃費悪いんだよコレ、3リッターツインターボだよ?
ぼくのミラージュくんは16km/l走るの。Z32は6km/lなの。
お金なくなっちゃう。社長に相談したら必要経費だから会社のカードでええでってお達し。
ピコーン! さぁ、売るためには衆目に晒す必要がありますよね。
そしてある程度目立たなければならない。
懇意にしていたSHOPへ行きましたよ。
HKS GT2530(だっけ?)組んでーって。
「今度はZか、なにやんの?」
『へへへ、お手軽街道レーサー』
当時はイニDが流行る前、ドリフト派グリップ派最高速派ゼロヨン派がきっちり分かれてた。少なくとも車両ではね。
この中で一番リスクが少ないのはゼロヨン、そしてZ32というゼロヨンに向いているマシンもある。
連戦連勝しなくてもそこそこ早けりゃ、いいねぇって思う人はいるでしょう、という目論見。
でもATじゃん、ってナにを言っているのです、ATのほうが下手にMTでシフトアップするよりもずっと早いんですよ?
ギア比もそうだし、ファイナルも低いので加速し続けられる。少なくとも1/4マイルでは。
さらに派手な演出BurnOutもブレーキを踏みながらアクセル踏むだけでできる!
どうです?
しかも本気で走ればそこそこ早いのに、乗り心地は悪くない(ビルシュタインダンパーセット)、ブースと上げなきゃ加速感もいい、18インチのBBS、とデートにも使える!
なんて1か月ほどやってたらあっさり売れちゃいました。
車両代とチューン代込みで利益は20万円程度。まぁ腐るよりマシw
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