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政治の役割は、絶望の中で希望を発信すること。 #いま政治をアップデートするために 【対談】伊藤和真×福山哲郎 4月24日

インターネットには、人を動かす力があります。新型コロナウイルスに関する政策にしても、10万円一律給付やPCR検査の拡充など、SNSを通じて、市民がおかしいと声を上げたことで、実際に政府を動かしました。

4月24日は、政治プラットフォームアプリPoliPoliの代表で現役大学生である伊藤和真さんをお招きし、若い世代の見る政治のあり方、コロナ後の世界について対談しました。

※実際の対談はこちらからご覧いただけます。

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若者に政治への関心がないのは、政治における成功体験がないから

福山:伊藤さん、まずは自己紹介をお願いします。

伊藤PoliPoli代表の伊藤和真です。PoliPoliは、国会議員とネットユーザーが政策を一緒に創るための、Webアプリ形式の政治プラットフォームです。国会議員の政策を応援するユーザーが集まってアイデアを提供したり、ビデオ通話などでコミュニケーションを取り、一緒に政策をつくっていきます。

福山:議員の方が実現したい政策のアイデアをプラットフォームに投稿するんですね。

伊藤:与野党いろいろな方が参加していて、さまざまな政策がプラットフォーム上に出ています。基本的にはどんな政策でも大丈夫です。

福山:逆に、どの政治家がどんなことをしたいと思っているかというのもわかるわけですね。ただ、日本は議院内閣制なので、個人で言っても政策が実現しないこともあるじゃないですか。そこについての整理はどうされているんですか。

伊藤:ヴィジョンを示して、それに基づく質疑などの活動報告を上げていったりとか、時間軸のあるマニュフェストのようなイメージです。

福山:自分が掲げた政策に対して、どのように実現させるのか、誰に働きかけたのか、国会で議論が始まったとか、自分も国会で問題提起したとか、動きを時系列でフォローできるということですか。

伊藤:そうですね。議員さんのマニュフェストとかを読んでも実際に何をやっているのかが不明だという問題意識を感じて、その動きを時間軸で追えるということを目指したものです。

福山:PoliPoliをやろうと思ったきっかけは何だったんですか。

伊藤:自分は、政治への成功体験がない、政治参加によって何が変わるかが見えないということで、政治に興味を持てませんでした。そこで、アクションを起こせば政治は変わるんだということがわかるプラットフォームを作りたいと考え、PoliPoliを作りました。やはり議員さんの存在が自分からは遠く、あまり実感できないというのがあります。けど、今はインターネットで政治参加できる。ネットを通して福山さんに意見が言えたり、政策を理解したりできる、その窓口を広げたいという想いでPoliPoliをやっています。

コロナウイルスの影響によって変化する政治のカタチ

伊藤インターネットには、何かを「民主化する」という可能性があると思います。政治をインターネット化することの本質は、政治を民主化するというか、皆ができるようになるということにあります。

福山:10万円の一律給付やPCR検査の拡充など、インターネットやSNSを通じて皆がおかしいことに対してはおかしいと声を上げたことで、それが政治や政府を動かす要因になっています。

伊藤:そういった実際に自分たちの声で動いたというような体験が社会に広がると、政治での成功体験も広がっていくなと思います。コロナの感染が広がる中、今まで全然政治に興味を持っていなかったような人たちの政治関心が、世界的に高まっていると思っています。PoliPoliへのアクセスも数倍になっています。政治のあり方も、今後は変わっていくでしょう。政治家も、選挙の時は握手をしたりなどリアルな活動が多かったけど、これからはインターネットを使用せざるを得ないと思います。政治のオンライン化は進むでしょうし、政治とのコミュニケーションの取り方もダイナミックに変わらざるを得ないと感じています。

福山:私は、集会や握手などの昔ながらのやり方が染みついています。しかし、そうでない可能性が広がっていることもわかります。それは、新しい政治のスタートラインなのかもしれません。

伊藤:コロナというピンチを、次の時代を創るチャンスとして捉えて、ポジティブになることが大事だと思います。僕らは一緒にどのような像を描きたいのか、コミュニケーションの取り方が問われています。短期的には、インターネット投票や国会のデジタル化が進むと思います。中長期的には、よりダイナミックに、本質的に変わるだろうと考えています。先の見えないヤバイ状況の中に僕らはいて、それに対して政治は何をしてくれるのかということを注視しています。政治家や政党が実際に何をするのか、リーダーシップをもってやれるのか、これがコロナ時代の政治のアピールであり、コミュニケーションの仕方として僕らが求めていることです。

これからの時代に求められる政治のアップデート

伊藤:先日、目黒区長選挙がありました。面白かった点が二つあって、一つめは投票率のことです。人の集まれない状況ですが投票率は前回よりも6~7%上がりました。これは、政治関心が高まっていることのファクトだと思います。二つめは、PoliPoliを解析してみると、インターネット投票に関するアクセスが増えていました。そういった政策に関するアクセスが増加したのは面白い。

福山:インターネット投票については、どのように考えていますか?

伊藤:僕の周りの若い人からは、「なんでインターネット投票ないの?」という意見をよく聞きます。

福山:立憲民主党の中谷議員に聞くと、エストニアではインターネット投票がずいぶんと浸透していて、お年寄りの投票率がすごく上がったそうです。

伊藤:お年寄りの満足度が上がったというファクトは面白いです。目黒区長選で投票率が上昇しているということも踏まえると、今は政治関心も高まっているので、若者の選挙に対するモチベーションも、投票率も上がると思います。

若者が注目しているのは政党よりも政策

福山:政党というものはどのように見えていますか?

伊藤:若い層としては、実際にどのような政策をやっているのかということを見ていると思います。若い世代は無党派層が8割もいて支持政党が固まっていないので、政策の中身を見ざるを得ません。自分にあった政策を打ち出している政党を評価する傾向にあります。無党派層の割合は増えているので、これからは、自分の関心に一致している政策がどれくらい進んだかが政治家を評価するポイントになると思います。

福山:政治家その人がどのくらい一生懸命やってきたのかということが、時間軸とともに評価できることが大事だと思います。

伊藤:選挙の際にマニュフェストとかを見ても、実際にどの程度やったのかはわかりづらい。皆さん同じように「〇〇やります!」という文言を掲げているのですが、実際にどの程度の熱量をもってどのぐらいやったのかがわからないということに課題を感じています。PoliPoliでは各議員さんが打ち出した政策がどのくらい進んだのかについて、進捗のある度に活動報告を上げてもらい、進捗を可視化できます。選挙のためのとりあえずの宣言だけでなく、しっかりと実行して進めたかということも、可視化される傾向にあるからこそ、重要だと考えます。

Z世代のキーワードは「共創」。批判よりも「一緒に創りましょうよ」というマインド

伊藤:僕らZ世代にとって、「共創」ということが一つのテーマになります。批判よりも「一緒に創りましょうよ」というマインドがあります。一緒に政策を進めよう、一緒に政策を創ろう、みたいなコミュニケーションなら僕らも協力しやすい。PoliPoli内でも、議員さんと一緒に政策を創るというイメージがあります。若い人は、政策にしか興味がないと思っています。特定の政策には興味があるけど、他の政策には興味がない、というタイプの人はすごく増えている。

福山:今の大学生の厳しい状況に我々が共創して何とかサポートできる状態を作らなければならないということですね。

伊藤:そうですね、ぜひ。声を聞いて一緒にやろうというコミュニケーションだと、僕ら学生もすごく助かります。今は社会に不満ばかりを持っていて政治に希望がないので、実際に一緒に創りましょうよと発信してコミュニケーションを取ってもらえることが、政治への希望につながると思います。今はコロナによって政治への関心が高まっていますが、状況が落ち着いたときに政治がよくわからないまま終わったよねということになると、結局また若い人を中心に全世代で政治に希望が持てなくなってします。これは大きなピンチです。けど、こんな状況だからこそ、一緒に政治を築いていきましょう、皆で乗り越えましょう、というコミュニケーションがあれば、政治や社会に対して希望を持てます。

若い世代の見るコロナ後の世界とは?

福山:若い世代の方は、これからの世界はどうなっていくと思いますか。

伊藤:ダイナミックに変わると思います。例えば価値観がすごく変わる。都市一極集中化みたいな価値が逆転して、地方で経済を回していこうとする動きが起きましたが、そうした価値観に対してかつてないほどの追い風が吹いています。また、人と集まるということに対する価値の変化があると思います。

福山:コミュニケーションの方法も変わりますよね。

伊藤政治は、インターネット化が完全に進むでしょう。人とのつながりみたいなものについて言えば、人と会えなくて結構メンタルがきているみたいな声があったりと、その重要性が改めて認識されると思います。政治の役割というのは、このような絶望的な状況の中で希望を見せることだと思います。それは政治にしかできません。社会の中に希望はあるというメッセージを打ち出してほしい。

福山:これからも、さまざまな政治家と市民、若者をつなぐ役割を果たしてほしいと思います。そして、新しい時代へと向けた、具体的な成功体験をPoliPoliを通じて一緒に築ければと思います。

伊藤:今求められているのは、絶望の中で、希望を発信すること。絶望の中にも希望はある、一緒に希望を育てていきましょうというメッセージを発信してほしいと思います。

福山:本日は、ありがとうございました。



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参議院議員(4期目、京都選挙区)立憲民主党幹事長。元内閣官房副長官・外務副大臣。
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