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広告プランナーが初めてCESに行って感じたこと(2019の振り返りver.)

はじめまして。
普段は広告会社でクリエイティブ・プランナーの仕事をしています。

毎年1月にラスベガスで開催される世界最大級の家電見本市、
CES に今年も参加を予定しています。

昨年に引き続き、今年で2回目のCES 参加となるのですが、
せっかく2年連続で行くのなら昨年からの変化もふまえて見に行きたい!
という思いから、2019年のCESを振り返ることにしました。
なんとかCES 2020が始まる前に…

そもそもCESとは、Consumer Electronics Showの略で、
日本語に訳すと「家電見本市」という意味をさしています。

最近では多くの自動車企業やスタートアップ企業が参加し、
2019年にはP&Gが出展するなど注目される企業やジャンルも様々です。

広告の仕事に関わっていると「要はひとことで言うと、何なの?」を
考えることが多く、CES 2019の特徴も自分なりにひとことで表現してみようと試みたのですが、

領域が広すぎで、とてもひとことで言えない 汗。

というわけで、
個人的に気になったこと、今年も注目したいポイントをいくつかの
トピックスでまとめてみました。
(あくまで個人的に気になったこと順で並べています。)

① 会場のいたることころで Google vs amazon 

5G時代の到来、音声認識デバイスがどんどん当たり前になりつつある中、
Google assistant または amazon alexaが対応した商品が
様々なカテゴリーで紹介されていました。

特にamazonのブースでは家電やオーディオ、クルマ、ピアノ、パラソル
など、alexaに対応したデバイスがズラリ。
日本では中々馴染みのない「amazon key」の展示も目立っていました。

え、勝手に人が入れちゃうの?と正直思ってしまいますが、
これをうまく活用すれば、例えば、家で留守番をしている高齢者が
急病になった時、健康状態を管理するデバイスと連携できていれば、
すぐに病院に連絡、到着した救急隊員がカギ無しで部屋に入ることが
できたり。可能性は広がります。

つながることは当たり前の時代。
「何が」ではなく「どうつながる」とより良い暮らしや社会になるのか
その競争が2020も激しくなっていきそうです。

② 空気を読み合う、AI

Panasonic や Sonyといった日本企業も大きなブースを構えていますが
LG、Samsungなどの韓国企業の規模や勢いは凄まじかったです。

特に注目したのは、AIについて。

LG のThinQ AIのポイントは、
デバイスのAI同士がきちんと連携するということです。

例えば、掃除機をかけていたら、部屋に埃がまってしまうことを予想して
その数時間後に空気清浄機が起動するなど。 す、すげー…。

サムスンは「Bixby」という独自のAIプラットフォームが紹介されていてGalaxy、テレビ、照明、家電、そして自動車まで含めて音声で連携します。

GalaxyのGPSの位置情報を活用すれば、
家に入ると自動的に照明が付くような連携機能も可能だそうです。
先を読むAI。こちらもすげー…。

指示されたことに応えるだけではなくAI同士が連携することで
先を読んだアクションができるようになるそうです。

お互い空気を読んだり、色々組み合わせて答えを探求するAI。
「AIに何を考えてもらうのか」引き続き注目したいです。

③ 自動運転は実行フェーズに。そしてエンタメ空間化? 


主なテーマは「自動運転」「車内のエンタメ空間化」。

Boshは完全電動、完全自動運転を前提に、シャトル同士が
ネットワーク化することで交通渋滞や事故の最小限化を語っていたり、
Panasonicは車内エンタメに加え、地域診療もカバーしていく
「SPACe_C」を出展していたり。

コンチネンタルは配送手段の最後、自宅までの荷物運び
(ラストワンマイル)に犬型のロボットを提案していたり。

社会や地域とどう連携していくか、が大事になってきそうです。

また、車内=エンタメ空間に特化?した展示も多く
Audiでは車内で見ている映像に合わせてサスペンションが動き、
ディズニーランドのスターツアーズみたいに激しく揺れます。
アナログ・・・ですが今すぐにでもできそうな技術です。

おそらく一番注目を集めていたのは中国のByton
自動運転レベル3まで達成している、自動運転の量産車です。

ハンドル、そしてインパネが大胆にも全面ディスプレイになっている上に、
自動運転なのでコンテンツを楽しんだり、顔認証でどの席に誰が
座っているかを把握できるので、「僕のプレイリストを流して」というと
誰が言っているか判別できるのです。しかも、約4万ドル。

自動運転によってハンドルを握ることから解放された時、
車内を空間として捉えるとどんなアクティビティを求められるのか?
どんな時間の過ごし方を人は欲するのか?


そこのUXアイディアの違いにも注目していきたいです。

④ AR / VR / XR  テーマは「没入」体験を。

5Gのおかげでさらに高解像度の映像をタイムラグなく楽しめるVR。
視覚と聴覚に加えて、身体全体でも体感できる什器もありました。
しかもレンタルで8万ドル程度。

各社、様々な体験ブースを出しているのですが
実はずっと昔からずっと気になっていることが。。。

VRやってる姿って、なんであんなに滑稽なんだろう・・・。

絶叫していたり、腰が引けていたり。
ふと冷静に見てしまった後だと、中々やってみようと思えません笑

そんな中、テッキーな会場の中に一際目立つ、ファッショナブルな
展示ブースが。
まさに「体験する姿をもっとオシャレに」するために
スタイリッシュかつカラフルなデザインのARグラスも発見しました。

同じことを思っていたんだろうな・・・。

「楽しい体験」づくりもさることながら、
「体験している様がカッコいい」を設計することが

新しい流行を生み出すきっかけになる気がしてます。
その辺も今年は注目して見ていきたいです。

⑤ P&GがCES初出展!

え?なんでP&GがCESに!???
消費財メーカーが本気でテクノロジーと向き合い始めたことに
様々な業界が注目をしたはずです。

例えば、
「どの歯を磨いているのか」までをきちんと把握してくれて
磨き終わった後に「もうちょっと奥歯をしっかり磨こうか〜」と
パーソナライズなフィードバックをしてくれる電動歯ブラシとか。

鏡の前に立っているだけで、
「肌のキメの細かさは素晴らしい!でもちょっとシワが気になるかも」
といった感じで、美容部員さんみたいにパーソナルなフィードバックを
AIがしてくれて、そのまま購入できる新しい店舗体験とか。

ちゃんと毎日化粧水を使うと褒めてくれるキャップとか笑

高性能な顔認証、AI、ARなど様々な技術が盛り込まれているのですが
そういった裏の技術をいい意味で感じさせない、
心地よいUXがそこにはありました。


説教くさく「指導」されるのではなく、
毎日のことだからこそ「自分だけの変化に気づいてくれる」ことに
重きを置いているそうです。人間み。

P&GがCESに出展したことは当然世界中が注目していて、
きっと、彼らのようにテクノロジーと向き合っていこうとする
消費財メーカーも増えてくるはずです。


以上、個人的にきになる5つのポイントでした。

CES 2020もどんなプレイヤーが登場するのか、
どんな方向に世界が向かおうとしているのか、
注目していきたいです!!!!
 
それではCES 2020に行ってきます。

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