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まるでスマートフォン!? 新作「AcryPhone」の開発小咄

こんにちは、虚匠フクサワです。新作AcryPhoneの特徴や開発経緯について、公式WEBやその他媒体に掲載している情報より少し細かめにまとめました。相変わらず冗長な駄文ですが、ご興味あります方はお付き合いいただければと。


AcryPhoneとは

現代人に馴染みのある見た目と握りなれたサイズ感を追求したスマートフォン型アクリルデバイス。潔いほど徹底的なプリミティブ形状、優れたカスタマイズ性、スマホからの置き換えによる浪費時間軽減、高解像度なタップサウンドなどを実現した、単なるアクリルバーです 。
ただのアクリル板のためスマホのような多くの機能は有しませんが、見た目も握り心地もほぼスマホであり、傍目にはまるで高級デバイスを所有しているように見えるでしょう。日頃スマホを握ることで安心感を得ている人であれば、本製品を握ることでも同様の安心感が得られるかもしれません。人気のスマホと近しいサイズ感であるため市販のスマホ用アクセサリー(の一部)を活用してカスタマイズを楽しめる他、スマホではないが故にスマホでは難しい幾つかのこと(浪費時間の軽減や、授業中・会議中・上映中などスマホ禁止空間での使用など)を可能にし得るポテンシャルを備えています。このように多様な可能性を秘めているただの板がAcryPhoneなのであります。

AcryPhoneの特徴

AcryPhoneの特徴を大枠で分類すると下記のような点が挙げられるかなと思います。
1. 潔いほどにシンプルなただの板
2. "なぜか" 市販のスマホアクセサリーでカスタマイズできる
3. れっきとした "Phone" である
4. その他
各項目についてもう少し詳しく解説します。

特徴1. 潔いほどにシンプルなただの板

裏も表も真っ平らなただの板、それがAcryPhone

AcryPhoneはアクリル板を長方形にカットしただけのただの板です。世の中にダミーのスマホ的なものはたくさんありますが、基本的には本物っぽく見せようとボタンやスピーカー部分の凹凸を再現したり、ボディ背面の湾曲を再現したり、カメラ部分のディテールを表現したり、カラーリングを再現したりと、よくもわるくも手が込んでいます。
しかしここ数年、スマホ自体のデザイントレンドがフラットな板状のフォルムに近づいてきており、もはやディテールを再現せずともよりプリミティブな形状の物体でスマホ感を出せるのではないかと気づきました(詳細は後述の経緯を参照)。
そうして形作られた「ボタンもスピーカーの穴もカメラレンズの凹凸表現もない、縦14cm幅7cm程度で角丸に切り出しただけのアクリル板」こそがAcryPhoneなのです。

特徴2. "なぜか" 市販のスマホアクセサリーでカスタマイズできる

スマホがただの板化したことに関連して獲得したもう1つの特徴がカスタマイズ性。以前のようにスマホの形状が有機的で複雑だと、関連アクセサリーも各機種専用に形状が特化していくものです。しかし世はスマホ板化時代。スマホ自体の形状が背面も側面もフラットで極めてプリミティブなオブジェクトに洗練されてきたため、「スマホ用アクセサリー」も「スマホ以外の板的な物」に対してより汎用性を増してきているのが昨今のトレンドではないかと解釈できます。
スマホ用に開発されたスマホ用アクセサリーが普及し、そのスマホ用アクセサリーに入る汎用的な板を新たに開発した、これが現代の大スマホ文化社会の大きなトレンドを捉えたAcryPhoneの特徴であると言えます。

特徴3. れっきとした "Phone" である

叩くとキレイな音が鳴る

AcryPhoneと言うからにはPhoneであることは当然ながら必須条件。ではPhoneであるためにはどんな機能があれば良いか。そう考えたときに、やはりできれば通話機能は持たせたいと思い立ちましたが、ただのアクリル板に通話機能を持たせることは少しばかり困難です。そこでPhoneであるために必要な機能を今一度精査し直して真に必要な機能を導き出しました。
Phoneというとまずは電話が思い浮かびますが、これはTelephoneを略したものであり、TelephoneのTeleの部分はテレビジョンやテレワークやテレポーテーションのように遠隔を示す語意。そしてPhoneの部分の原義は音であり転じて音を発する装置を指します。例えばイヤホンもマイクロホンも音を発する装置なので名称にPhoneが含まれています。
こうした視点で改めて見てみると⋯AcryPhone、音を発することができるんです。指先やペン先でタップするととても高解像度なタップ音を奏でることができてしまいます。そう、ソシャゲユーザーがスマホ画面を連打するときの軽快なリズムにも匹敵する華麗なタップ音を奏でるアクリル製の装置(つまりPhone)、それがAcryPhoneなのです。

特徴4. その他

他にも色々な特徴があります。スマホケースなどでカスタマイズできることから、ただのアクリル板には思えない高級感を装うことができますし、スマホではないですからスマホ禁止の場所(会議中や授業中など)でも遠慮なく持ち出せます。その他様々な特徴は公式サイトにまとめていますので、是非こちらも合わせてお目通しいただけますと幸いです。

開発の経緯

2020年以降、日常的な定期外出の機会が減り、在宅+不定期な外出というライフスタイルが定着した人も多いかと思います。かくいう私もその一人ですが、こうしたライフスタイルの変化に伴い、普段は在宅のためにスマホの電池残量を気にせず、たまの外出時に電池残量の少ないスマホを持ち出すケースが増え、たびたび外出先でスマホの充電を切らしてしまう場面に直面しました。その際に真っ暗で何も映らない画面を見て「電池が切れるとただの黒い板だな」と思うことがしばしばあり、そしてある時こうも思いました。「電池が切れたスマホがただの黒い板に見えるのであれば、逆説的に、ただの黒い板は(電池が切れた)スマホに見えるのではないか」と。特に私のスマホは背面も側面もフラットな板状の端末だったこともあり、こうした連想が捗ったようにも思います。主流なスマホ機種の形状が「丸みを帯びたデザイン」から「フラットなデザイン」へと変遷してきたように思われる数年来の潮流も「電池切れスマホがただの板に見える状況」を生み出すきっかけになったかもしれません。
こうして現代ならではのトレンドが相まって、まるでスマートフォンのような出で立ちをしたアクリルの板「AcryPhone」が誕生しました。

AcryPhoneは単なる板であること以上の機能は有していませんが、ただアクリルを切り出しただけにも関わらずその佇まいはスマホそのものです。そして現代人の多くが共有している「いつもの握り心地」を味わうことができ、これに安心感を抱く人も少なからずいることも明らかになりました(作者調べ)。また人気のスマホと近いサイズ感のため、世間に溢れるサードパーティー製のスマホ用アクセサリー(の一部)を活用してカスタマイズできる可能性があり、ただの板にしては今の世の中で活用できる余地が大きそうな点も特徴といえます。

逆にスマホではないことで得られる特徴として、「着信で気が逸れることなく目の前のことに集中できる」「万が一紛失しても個人情報などの流出リスクがない」「漏水リスクがない」「電池残量を気にする必要がない」「スマホ禁止の場所でも利用できる」といった些細な利点を幾つも享受することができます。

スマホ疲れを感じていたりスマホ依存を減らしたいと思っているけどスマホが手放せずに悩んでいる人には、もしかすると何かのきかっけが得られるかもしれません。或いは旅先での強盗リスクに備えてあえて持ち歩くダミー品として活用することもできるかもしれません。ただのアクリル板にしてはアイディア次第で活用の幅が広そうなのがAcryPhoneの魅力だと考えています。

時系列の面では、実は春先には試作品が完成していました。コンマ数ミリ単位での微調整などで何度も試作品を作り直したりはしましたが、とはいえサイズ調整がメインなので試作制作は比較的短期間に完了したように記憶しています。しかしその後、どうせならWEBサイトをスマホの専用サイトのように作り込みたいなと思い立ったり、それならこんな画像やあんな画像を用意しなければ⋯と目先の作業がどんどん増えていったり。そもそもサイト作成は本職ではなく見様見真似で行っていたため時には億劫になったり、他の楽しい業務を優先して後回しにしたり⋯とひたすら時間を無駄にしながら、試作完成から半年以上経っての22年末にようやく発表へこぎつけられました。「年内にはなんとか」が最後のモチベーションだったので越年しなくてよかったです。

作業デスクに並ぶ試作品と、試作品に紛れる本物のスマホ

ちなみに開発中に先行事例を調べていて「使えないスマホ」的なジャンルでは随分前に海外で発売されたNoPhoneなる逸品をみつけました。それ以外にも、 SNS投稿のコメントで紹介いただいたのですがauのCMで板Phoneなるものが存在していたとのこと。また、auと同じものかはわかりませんが日本の作家さんの作品でも板Phoneなるものがあるようです。(時期が異なるけど名前の付け方の感じからすると同一作品なのかな?)
AcryPhoneと比較すると開発背景の文脈的側面や、設計思想、プロダクトとしての特徴では異なる面が多々ありますが、スマホ社会に対してモック的なものでカウンターを決める類のアイテムとしてこうした先例もあるということは敬意を払って紹介しておこうと思います。(他にも同類の先例はあるのかもしれないけど、ひとまずアクセスが容易な日本語メディア等で見つけられた事例として)

そして板Phoneのビジュアルを見て思い出したのですが、かくいう自分も10年前から同じようなものを作成していたようです(完全に忘れてました)

Manai Tablet (2012)
仕様書には型名:MT12-1JP、OS:WoodroidTM4.2 などと書いてある

これもAcryPhoneとは文脈や設計思想は異なりますが、板状の電子機器を見るとただの板で表現したくなるっていう人類の発想自体はきっと太古の昔から変わらないんでしょうねぇ。

さいごに

まるでスマートフォンのような佇まいを再現したアクリルデバイス「AcryPhone」は2023年1月の発売を予定しており、発売に先立ちまして22年12月より予約の受付を始めました。
実用性がありそうでなさそうなAcryPhoneですが、このアイテムにピンときた方は是非インスピレーションの赴くままに様々な使い方をお試しいただければ幸いです。

本当にただの板なので⋯その点を踏まえてシャレとして楽しんでいただける皆さんにお届けできますように⋯!

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