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「最高の休息法」を読んで 25 偏桃体ハイジャックに対処する4ステップ

怒りは脳科学的に言えば「脳が自分を守るために発動させる緊急モード」。
ここでも、主役は以前にも登場している偏桃体です。

この原始的な「動物脳」は外部から過度の刺激を受けると脳全体を乗っ取って暴走を始めます。この偏桃体ハイジャックこそが怒りの正体です。

偏桃体の暴走時にはアドレナリンが大量に分泌されて思考活動が抑制されるため前後の見境が無くなることがあります。あとで振り返って「どうしてあんなに怒ってしまったんだろう」と後悔する背景にはこんなメカニズムがあります。

怒りは瞬間的な感情です。いろいろと要因が複雑で、精神医療の現場でも治療に苦労します。
「怒りが来たら6秒待ちましょう」などと推奨するアンガー・マネジメントが注目されたりしますが、ここでは偏桃体ハイジャックを防ぐRAINをおススメします。

RAINによる偏桃体ハイジャックの解除は怒り以外のさまざまな衝動にも応用可能です。
「甘いものが欲しい」「おなか一杯食べたい」「タバコが吸いたい」「お酒が飲みたい」
こういった衝動的な欲求のことをクレーヴィングといいますが、私たちがクレーヴィングについ流されてしまう時にも脳内では「怒り」と同じことが起きています。

ダイエット中なのにおやつを食べたくなったら、まず自分がそれを食べたがっているという事実に目を向けましょう。「食べたい衝動」を衝動のままにしておかず、注意を向ける対象に変えるのです。
さらにその事実を認識したときに、身体にどんな変化が起きているのか、にも注意をむけます。

こんなことで本当に効果があるのかと信じられないかもしれませんが、RAINをはじめとしたマインドフルネスがダイエットや禁煙に効果的という学術的研究は多くあります。
今ではマインドフルネスに関するダイエット本や禁煙に関する書籍も増え、アプリも出ています。

私たちの脳は「わかっちゃいるけどやめられない」ことだらけですが、マインドフルネスを通じたトレーニングによって動物脳にハイジャックされにくい構造を獲得することができます。
ぜひ日頃からRAINの4ステップを意識し、「欲望に流されない脳」を作っていってください。

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