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(漫画)地獄楽

「地獄楽」はアニメで知った。
面白いと思ったがストーリーとしては途中で終わったため、続きが作られる可能性がありそうか原作の状況を確認したら、既に完結していた。
ますます興味が湧いた。

完結している作品がアニメ化されたということは、きちんと結末まで描き切られた可能性が高いと思うからだ。
やはり、しっかりと最後まで描かれている作品というのは、それだけで評価が上がる。

電子書籍で大きめの割引が効くタイミングがあったので、思い切って購入。

時代は江戸末期、主人公の画眉丸は忍者で、死罪人として囚われている。
ある使命を達成すると無罪放免になると知り、それに志願する。
使命とは、とある島で不老不死の仙薬を見つけ持ち帰ること。

島に渡るのは同じ使命を受けた画眉丸を含めた10名の死罪人と、そのお目付け役としてそれぞれに同行する山田家一門10名。
島に渡った彼ら彼女らは、極楽のような情景を目にし、地獄のような状況へに立ち向かうのであった。


【ネタバレあり注意】


バトル周りとしては、圧倒的な力の差がある敵が現れ絶望的な状況に追い込まれるのだが、敵も使用しているタオという氣のような力に覚醒して対抗していくという展開になる。
いわゆる「隠されていた力に目覚めてパワーアップ」パターン。
タオの力にこれまでの鍛錬で身につけた技能や武力を上乗せして戦うので、何もできない奴が急に反則的な力を得るというような『なんだかな~』感は薄い。
また、タオがストーリー上で意味を持っているので、タオの設定が必要というのは納得できる。
それでも、やっぱりこのパターンはよくあるパターンだなとは感じてしまう。

良いと感じたのは、話の展開が早いこと。
開始から終わりまで話が二転三転しながら一気に進んでいく。
戦闘や回想も適度な長さにまとめられていて、「いつまでやってるんや」とは感じなかった。

どんどん状況が変わりながら、それでいて最後はうまくまとめられている。
最初からことある毎に描かれる主人公「画眉丸」の根っこにある行動原理があり、それが最後の決着にきれいに結び付けられている。

最初からこういう結末を考えていたのか、連載していく中で自然とああいう形で収束したのかは分からないが、最初から描いてきたことを無駄にしないような終わらせ方だったと思う。
画眉丸が無罪になろうとした理由、それが大団円の鍵となる。

読んだ人の多くが納得できる終わらせ方だったのではないかと思う。

全十三巻と、休日に一気読みできる長さでもありますので、おすすめ。

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