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拘りや小話

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ブランドや時計の歴史や技術、当店の拘りについて書いた記事をまとめております。
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#スイス腕時計

新生活におススメの腕時計ハミルトン4選

少しずつ気温も高くなり春めいてきました。3月4月は別れと出会いの季節です。環境が変わり、まさに『新生活』として新たなスタートを切る方も多いと思います。 腕時計は10年、20年、もしくはそれ以上、と永く使って頂けるタイムピースです。特に時計ブランドの腕時計は。 新しい季節だからと言ってあえて買い直して頂く必要な無いのですが、現在腕時計をお持ちでない方は、この機会に是非『腕時計デビュー』をして頂きたいと思っております。 様々なシチュエーションでの『新生活』があると思いますが

徹底解析『Cal.Hシリーズ』【後編】

今回は時計の中身『ムーブメント』に関するお話。 ちょっとコアな話になるかもしれませんが、現ハミルトンオーナーの方にもこれからハミルトンオーナーになる方にも、ぜひ知っておいていただきたいことが沢山ありますので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです(^^♪ 多少長編になりますので【前編】【後編】に分けてご紹介していきます。 是非前編と合わせてご覧ください ↓ 前編ではHシリーズの3針を中心にご紹介しましたが、本日はクロノグラフやレギュレーターのムーブメント紹介です。

クロノスタシス

皆さんは、腕時計などで時刻を見た瞬間に「あれ?」と思うことはないですか? 時計の秒針が一瞬止まって見えたり、最初の1秒が少し長く感じたり・・・ 実はアレ、脳の錯覚で起こる現象なんですが、ちゃんとした名前が有るんですよね。 ■クロノスタシス ギリシア語の「クロノス」(時間、χρόνος)と「スタシス」(持続、στάσις)に由来します。 まず、サッカード現象というものが有ります。 サッカード現象とは、『ある視点から離れた別の視点に視線を移動させる時、眼球の急速な回転

徹底解析『Cal.Hシリーズ』【前編】

今回は時計の中身『ムーブメント』に関するお話。 ちょっとコアな話になるかもしれませんが、現ハミルトンオーナーの方にもこれからハミルトンオーナーになる方にも、ぜひ知っておいていただきたいことが沢山ありますので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです(^^♪ 多少長編になりますので【前編】【後編】に分けてご紹介していきます。 さて、というわけでご紹介に入ろうかと思うのですが、今回ご紹介するのは”H”シリーズの中でも機械式のみの12ムーブメントをご紹介します。 3針からクロ

ハミルトンの歴史【前編】アメリカと共に

今回は九州最大規模の商品ラインナップを誇り、福岡天賞堂のメインブランドである“HAMILTON(ハミルトン) ”というブランドを詳しくご紹介させて頂きたいと思います。 多少長編になりますので【前編】【後編】に分けてご紹介していきます。 創業は1892年。現在でこそ、スイスメイドウォッチとしてブランドが知れ渡っていますが、アメリカで誕生した時計ブランドとなり、当時は、蒸気機関車の鉄道時計を製作していたウォッチブランドです。 1900年代初頭に、アメリカの鉄道は路線を含

ハミルトンの歴史【後編】キングオブロックとレトロフューチャー

今回は九州最大規模の商品ラインナップを誇り、福岡天賞堂のメインブランドである“HAMILTON(ハミルトン) ”というブランドを詳しくご紹介させて頂きたいと思います。 多少長編になりますので【前編】【後編】に分けてご紹介していきます。 1957年には、ハミルトンの歴史を知る上で、避けることの出来ないモデルが誕生。 前記の「ブルーハワイ」、「メン・イン・ブラック」シリーズといった映画に登場し、ハミルトンのアイコンウォッチともされている『ベンチュラ』です。 世界初の電

ハミルトン正規販売プレミアムショップへ

​​福岡天賞堂では現在正規取扱中のスイス時計ブランド『HAMILTON/ハミルトン』の正規取扱店登録が、国内わずか20店舗程度の【プレミアムショップ】 へと昇格する運びとなりました。 国内に数百店舗あるハミルトンの正規販売店の中でも「販売本数」「展示本数」「専用什器設置」などの厳しい条件をクリアーした店舗のみがプレミアムショップとして認定されます。 ハミルトン正規販売プレミアムショップは「プレミアムショップ限定モデルの販売」や「販促用オリジナルノベルティ」などの特典が

時計店スタッフが拘る筆記用具

Caran D'ache エクリドール レトロ パラジウムコート 万年筆  ※当店商品ではありません 腕時計の世界に身を置いていると『拘り』という言葉をよく耳にします。 腕時計が好きな方には「靴」「鞄」「財布」「カメラ」、そして「筆記用具」にも同じ位の情熱を注ぎこむ方が多くいらっしゃいます。 ■僕も腕時計の世界をより深く理解する為に、普段から『拘る』という行為を出来るだけ多く経験する様にしております 日々の実務の中において頻度の多い「筆記用具」は、文明が始まってから今

腕時計はなぜ左手に?

■腕時計って普通は左手につけるんですか? たまにそんな質問を頂きます。 販売している僕らも「それが普通だから」と、あまり深く考えず説明をしてしまいがちです。 ふと通勤電車で吊革に目をやると、腕時計を左手にはめている人が圧倒的に多いことに気づきます。 こうした光景も、実は時計の技術との関係があるのです。 ■昔の時計は今よりずっと弱かった 18世紀までの時計は大きく、重たく、簡単に腕に着けられるものではありませんでした。 懐中時計としてベストのポケットなどに忍ばせ、時