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モッツァレラチーズでできた月

今回は哲学の教科書「100の思考実験」から面白いなと思った思考実験を紹介します。

    モッツァレラチーズでできた月
   〜証拠があれば事実と言えるのか〜

"月はチーズでできている。
正確にはモッツァレラチーズだ。
「でも、人類は月の上を歩いたじゃないか」と誰かが言うかもしれない。それは間違っている。月面着陸は全部いんちきで、NASAがスタジオで撮影したのだ。
「でも、ほかにも無人探査機は何度も月に行ってるよ」。それもほとんどがいんちきだ。なかにはいんちきでない探査機もあって、それが標本を持ち帰り、モッツァレラ説を証明した。けれど、もちろん、その証拠は隠蔽されてしまった。
「だけど、月は望遠鏡で見ることができるよね」。そのとおり。だからといって、月が硬い岩石なのか柔らかいチーズなのか、わかるわけではあるまい。
「でも、もしそれがほんとうなら、とっくに知れ渡ってるはずさ」。頼むからちょっと静かにしてくれないか。もしかしたら、口ふさぎにたんまり金をもらったのか?
それとも、殺されるぞとか、狂人扱いされて用を失うぞ、と脅されたのか?"⑴

皆さんはどう考えますか?「これはうそだ!月は岩石で形成されている!」と考える人が大半でしょう。しかし、それは本当に正しいのでしょうか。実物を見たわけではないし、証拠なんていくらでも作り出せます。
世の中には数多くの陰謀論がありますが、都合良く解釈されている証拠に人は納得し、騙されてしまいます。
今回は月がチーズでできているという夢のような陰謀論でしたが、「宇宙人が私たちの中に紛れているかも」といったような少し現実味が増す陰謀論だったら証拠次第で簡単に人は騙されてしまうでしょう。自分の中に一個の芯を持ち、情報に流されないのが大切だと思います。


引用:100の思考実験   紀伊国屋書店
著者:ジュリアン・バジューニ

byだいこりん

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