不快な音

 4月24日の昼休み、12時過ぎから変な音楽が流れ始めた。病院の待合室とか地域の大型書店で流れているような気持ちを落ち着かせるゆったりしたオルゴールが、なぜか爆音で。

 私がいたのは大学のとある建物の中だった。他の建物でも流れていたのかは分からない。私の脳は音楽を「病院の音」だと認識した。最近は精神も比較的安定しているからほっとしていたのに、「病院の音」は「健康じゃない時に聞く音」だったから耐えられなかった。
 時々こうやって、突然大学のスピーカーから謎の音が長時間流れることがある。そのたびに友人たちと「何の音なんだろうね」「うるさいなあ」「いつになったら止まるかな」と暢気に話してきた。でも今回はどうしてか耐えられなかったのだ。
 強い不快感に導かれて階段の踊り場にうずくまっていた。階段にはスピーカーが無いらしくて、音が小さかった。それでも聞こえてくる音がしんどくて、片方失くしたイヤホンを右耳にだけ挿し込んでアンジュルムをガンガン鳴らした。左耳には人さし指を突っ込んだ。
 軽く頭痛を覚えながら階段を下りて建物の外に出た。外にはほとんど音が来ていなかったから、そこでくつろいだ。12時半から用事があったのだけど、どうしても建物には入れなかったから言付けを頼んだ。

 12時半ごろ、気づくと音がやんでいた。45分から別の用事があったので研究室に向かったけど、再び音の鳴りだすことはなかった。そのまま3限と4限を受けて帰った。

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