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おすすめ短編漫画

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2024年7月の記事一覧

🔸 おすすめ短編漫画|伊藤潤二『緩やかな別れ』-『魔の断片』より 朝日新聞出版

由緒ある夫の一族には背筋の凍る秘密がある 基本情報冒頭🔸 感想|グッとくるコマ 【序盤より】 夢が何かの暗示であるという描写は古今東西の作品においてしばしば見られます (フィクションのみならず学問として研究をしている学者もいるようですし、日常生活において(今日見た夢ってどういう意味なんだろう?)とふと考えたりする方も多いかもしれません) 夢って超常的といいますか、理屈が通用しないところに惹かれますよね 伊藤潤二氏の作品群においても、マテリアルとしての夢がいくつか登場しま

🔸 おすすめ短編漫画|九井諒子『子がかわいいと竜は鳴く』-『九井諒子作品集:竜のかわいい七つの子』より KADOKAWA

あなたのそばにも竜が 基本情報冒頭🔸 感想|グッとくるコマ 【序盤より】 まさに物語が動き出すというシーンですが、一見するとそうとは思えない表情ですよね しかし物語の根幹である複雑な心情を表現する重要な1コマ 偉い人にお供する→期待以上の実力を発揮する→褒美をたくさん貰う というフォーマットは古今東西の物語によくあって、これはこれで面白いですし伝統のようなものですからもちろん否定するつもりは全くありませんが、この『子がかわいいと竜は鳴く』ではそれを良い意味で裏切り、新鮮

🔸 おすすめ短編漫画|手塚治虫『がちゃぼい一代記』-『紙の砦』より 講談社 手塚プロダクション

マンガの神様たる手塚治虫の人生とは 基本情報冒頭🔸 感想|グッとくるコマ 【序盤より】 良くも悪くも大らかだった時代を象徴するような愉快な描写 読者として享受されるこのようなタイムスリップ感は貴重な体験であるとつくづく思います きっと私だけではないと思うのですが、子どもだった頃は、時代が昔に設定されている作品を(古臭いな〜)なんて思ってハナから見向きもしませんでした しかし多少大人になってその貴重さが身に沁みるようになりました その作品が個人的かつ文化的な財産だと気づい