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介護エンジニア目線でのAmazon新デバイス・サービス

日本時間の2021/09/29 AM1:00~1時間ほど、Amazonから新デバイス・サービスの発表がありました。

私は介護に特化したエンジニアでして、この中から介護エンジニア目線で注目している、デバイス・サービスについて情報をまとめたいと思います。
ちなみに、私の経歴に興味をお持ちくださった方は、STUDIOでポートフォリオ風サイトを最近作ってみたので、ご覧くださいな。

Alexa Together

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もともとAmazonには「Care Hub」というAlexaを使った見守りサービスが存在します。それを拡張したサービスのようです。

それぞれの特徴をまとめます。

Care Hub

・2020/11/11提供開始(アメリカのみ)
・基本的には見守られ側(以下、高齢者)が何をしたかを、見守り側が把握できるようになるモニタリングサービス
・「アレクサ、助けを呼んで」などで、あらかじめ登録していた連絡先に連絡される
・緊急連絡先に登録できるのは1つだけ
・無料

Alexa Together

・2021年後半提供予定→2021/12/07開始(※)(アメリカのみ)
・遠隔のAlexaをリモートで操作可能
・緊急連絡先に登録できるのは複数(ex.兄弟ともに連絡先に登録など)
・緊急対応してくれるスタッフが存在する
・別デバイスとの連携により、転倒を検出
・月額19.99ドルまたは年額199ドル(最初の6か月は無料)

こうしてみると結構違いますね。

遠隔のAlexaをリモートが出来ないばかりに、自分のAmazonアカウントのEchoを実家に置いている方も多いんじゃないでしょうか。それがこれにより解決できるかもしれません。

緊急連絡先に登録できるのは複数となるのも良いですね。これはエンジニア的に言うと負荷分散にあたります。介護の負担を複数に分けることにより、一人当たりの負担を少なくできる可能性があります。

高齢者が転倒して大腿骨骨折し、寝たきりになるのはよくあるケースなので、転倒検出も良いかも。精度とどういうデバイスになるかにはよりますが。

有料サービスになるのは致し方ないですね。遠く離れた高齢者の親のためなら、数千円程度は負担できるかなと個人的には思うのですが、まぁでもそれに抵抗を持つ方も数知れず見てきたので、このあたりは個々人の考え方次第ですね。

(※)
2021/12/09追記
アメリカでのサービス提供が開始したようです。

Ring Virtual Security Guard

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Ring Virtual Security Guardは、顧客がプロのセキュリティ会社にリングカメラを視覚的に監視させることを選択できる新しいサブスクリプションサービスです。

私は障害者の兄の見守りのために、ネットワークカメラを5,6年前から使い始めました。365日24時間そばにいることはもちろん、見守るなんてことは現実的ではありません。そのため、センサーや動体検知などの機能で、そのときだけネットワークカメラで確認するというのが現状の見守りのスタイルではないでしょうか。だけど本当ならいつも見守っていたく、「この時間だけ誰か代わりに見てくれないかなー」と思うことはよくありました。これに応えてくれるのが、Ring Virtual Security Guardになるのかなと思います。

Ring Always Home Cam

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去年発表となった、このドローンとカメラを組み合わせたデバイスがとうとう発売されるようです。

前述したとおり、私はネットワークカメラを使っており、実家には5,6台置いています。パン・チルト(縦・横旋回)できるネットワークカメラもありますが、どうしても死角ができてしまうので、自由に、もしくはあらかじめ設定したコースで飛行してカメラに映してくれると非常に助かります(この製品はあらかじめ設定したコースを手動、もしくはなんらかのトリガーで開始する仕様のようです)。

現実的には人やモノに当たらないのかとか(当たると、元の場所に戻るとの記述がありました)、色々考慮が必要だとは思いますが、うまく運用できたら素晴らしいなと思います。

Astro

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なんとロボットです。

屋内を動き、カメラも搭載しているようです。

価格は999ドルなので、歩き回れるロボットとしては格安!
(早期アクセス版(Day 1 Editions)が999ドルで、その後は1449ドルという情報あり。)

話すだけのようなコミュニケーションロボットの相場は、15万円で月額5千円くらいなので、それと比べたらはるかに格安です。

(ただ一方的に話すだけのような)コミュニケーションロボットの介護への効果は、定量的な値として出ていないので個人的には懐疑的ですが、日本の介護、超高齢社会を考えると、近い将来に自宅にロボットがないと生活が成り立たないのではないかと危惧しています。Astroがそのロボットになりえるか、今後も詳細を注視していきたいと思います。

まとめ

現状、介護のIT化の文脈で語られるのはほぼすべていわゆるBtoBの、介護サービスを提供している事業所へのIT化ばかりです。BtoCの、介護者や被介護者への在宅介護向けITサービスが必要と思っており、Amazon,Alexaがそれを切り開いてくれるなら、すごいことだと思います。

是非、日本でもデバイス・サービス提供が開始されることを望んでいます!


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